なぜなぜ分析のテクニック(人為ミス編)
2023/03/06
なぜなぜ分析
(1)なぜなぜ分析は、問題点について「なぜ」と聞きます。答えが返ってきたら、再度、その答えに「なぜ」と聞きて問題の本質を分析する手法です。
(2)例えば、人為ミスであれば、以下のようなプロセスで、ミス防止を検討します。
① 再発防止を目的とし、個人の責任を問わないことを明確にする。
上司
「先のトラブルですが、なぜ、そのようなことが起きたのか確認する必要があります。」
「先に説明しますが、誰が悪いのかではなく、ミスを起こさないために、何が起きたのかを確認したいのです。」
② 問題の内容や、問題の発生状況を細かく確認する。
(1)例えば、以下の問題が起きたとします。
「A社員は、両手に荷物を持っていて転んで怪我をして骨折した。」
「労災事故の発生を防ぎたい。」「労災事故がなぜ起きたのか。」
(2)A社員は、70歳の高齢で階段にて転んだのかもしれません。
床が濡れていたのかもしれません。
その場所で、転倒事故が起きたのは今月に入って2度目かもしれません。
再発防止のためには状況を的確に分析する必要があります。
(3)原因を特定する前に、全ての原因(を生じうるプロセス)を検討します。また、問題の内容を的確に把握します。例えば、ライトがつかないのと、ライトがちかちかするのであれば、想定される原因が異なります。問題の内容を的確に分析することも大切です。
時系列で分析(1)
あるタスクが発生してから、トラブルが発生するまでの時系列を確認する。
上司
「トラブルが起きた原因を確認する前に、全体的な時系列を確認しましょう。」
「●●日、私が指示しました。」「●日、私とBさんに進捗を確認しました。」「●日、提出期限ですが、●●は提出されていません」「私が把握している経緯は以上ですが、これでよいですか。」
「次に、Bさんが作業にとりかったのかはいつですか。」「その後、Bさんは、どうしあmしたか。」「その後は、」と時系列で聞いていく。
時系列で分析(2)
あるタスクが発生してから、トラブルが発生するまでの時系列を「指示段階」「聞取り段階」「判断段階」「行動段階」に分けて分析する。
③ 原因を「すべきことをしなかった。」「すべきことは分かっていたが間違えた。」に分けて考える。
上司
「今回の問題ですが、どの段階で、すべきことをしなかったのか。」それとも、「間違って別のことをしてしまったのか。」どちらでしょうか。
④ 「ミスを防止するためのチェック体制が機能しなかった。」ことを問題にする。
上司
「人はミスをするものです。そのミスを防止するために、チェック体制性を構築するとなるとどうしたらよいでしょうか。」「もしくは、ミスによる被害も小さいとして、チェック体制までも不要だと考えるべきでしょうか。」
⑤ 個人の責任を最終回答としない。これをカバーする仕組みが無いことを問題にする。
上司
「Aさんが新人(知識不足)だから間違えた、というのは根本原因ではありません。」「Aさんが新人であることは分かっていたのであるから、これを前提に、どうやればミスを防止できたのか、考えましょう。」
「Aさんが多忙だから間違えた、というのは根本原因ではありません。」「会社には暇な人なんていません。多忙な人が仕事をしていても、どうやればミスを防止できたのか、考えましょう。」
⑥ ミスを誘発する原因を考える
上司
「仕事の手順で間違えやすい、ところは無いか、考えてみましょう。」
「作業において、見ずらい、読みずらい、聞きずらい、ところはないか考えてみましょう。」
⑦ ミスの防止策を考えましょう。
上司
「いっそのこと、このミスが発生した作業が無くせないか、考えてみましょう。」
「ミスがあれば気が付きやすくする工夫は何か、ありますか。」
「人はミスをするものです。そのミスを防止するために、チェック体制性を構築するとなるとどうしたらよいでしょうか。」「もしくは、ミスによる被害も小さいとして、チェック体制までも不要だと考えるべきでしょうか。」
参考
小倉 仁志「なぜなぜ分析10則 真の論理力を鍛える」
小倉 仁志「問題解決力がみるみる身につく実践なぜなぜ分析」
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