ダイバーシティーと、目的の設定
2021/06/10
ダイバーシティー
ダイバーシティーは、女性役員の活用など、組織に多様な人材を加え、多様な意見を活かすことです。
ダイバーシティーには、目的の設定が必要であること
(1)ダイバーシティーの導入には様々なコストがかかります。
(2)ダイバーシティーを導入する場合には、メリットがデメリットを上回ったか、導入の目的を明確にして、その導入の効果を測定する必要があります。
メンバーの比率を目標としてはならないこと
確かに、ダイバーシティーを図るツールとして、人数等の問題は目に付きやすい問題です。しかし、本来大事なのは、いろいろな立場・環境の社員の見解を経営に活かすこと、本来もっている社員の力を100%引き出すことです。
社内におけるメンバーの比率(例えば、男女比)は手段に過ぎません。
もちろん、採用、評価、役員等で、ダイバーシティーの観点を考慮することは有効です。
平等に取り扱うことではなく、平等に活躍できることを目標しなくてはならないこと
例えば、女性は出産により離職する期間があります。女性の職場復帰の等の福祉サービスの充実など、積極的な施策を用意することが必要です。
例えば、会議で女性に先に発言してもらうなど、女性が発言しやすい雰囲気を作るなどのルール化等の検討します。
個々の社員の意見・価値観を経営に活かす仕組みがあること
ダイシバーシティーの目的の一つは、いろいろな立場・環境の一人一人の社員の意見を経営に活かすことになります。したがって、個人の社員が意見を述べ、かつその意見を反映させた経営判断ができる組みが必要です。
指標の設定
ダイバーシティーによって達成すべき指標を定めて、これを観測していく必要があります。
1 顧客の拡大
例えば、顧客層を広げる取組がありえると思います。例えば、ゴルフ場の女性顧客の獲得など、今までの顧客層とは異なった顧客へのアプローチを、女性主導で取り組ませるという考え方もあるでしょう。
この場合、プロジェクトチームは数的公平性にこだわらずに、女性の比率を高くしてもよいでしょう。
(一般的に女性向けの商品だと思われているなら)男性、専業主婦、自宅で介護を行う人、高齢者等、新しい顧客の獲得を目的にしてもよいかもしれません。
2 労働人口の確保
少子高齢化で労働人口が減っていきます。働きやすい職場としてのイメージ戦略によって、採用での優位性の確保を目的にしてもよいと思います。
出産・育児で離職する社員を減らして、社員の側からの満足や、これを支える職場の社員の満足度を目標にしてもよいと思います。
今まで離職後、専業主婦となっていた女性が活躍できる。もしくは、育児を終えた女性が就職先として希望する会社を目指すのもよいでしょう。
人材確保、採用の確保は、企業としての優位性に繋がります。
3 多様性を認める社風、個人の社員の意見を大事にする社風
ダイバーシティーの実現は、いろいろな立場・環境の一人一人の社員の意見を取り入れて、働き方を変えていく仕組みと同意義です。
個人の社員の意見を経営に活かすことができれば、企業としての優位性につながります。
参考
ハーバードビジネスレビュー2021年10月号 94頁以下