共感力と動因
2023/01/21
共感力と動因
(1)共感力は、相手の立場にたって物事を考え、そして相手方の気持ちにそった行動をする力です。
(2)ビジネスパーソンには、共感力に加えて、自分で課題を主体的に解決したい、という欲求(動因)が必要です。この動因を欠くと、誰からも好かれる人物ではあるものの、最後の一押しができない人物(ハングリー精神を欠く人物)となってしまいます。
(3)営業職や、チームワークが必要な職種では、上記の共感力と動因が必ず必要になってきます。
適正テスト
今までの採用時の適正テストでは、共感力や動因を測定することはできませんでした。
過去の経験(課題の克服)(コンピタンシー面接)
(1)過去に「どんな課題をどうやって解決したか。」を聞けば、動因を測定することができます。
(2)「履歴書を見ますと〇〇の時代に大変だったのは何ですか。」「そのときあなたは、どんなことをしたのですか。」等の質問をして確かめます。
職場での疑似問題
(1)職場での疑似問題を出して、どのように考えることができるかを測定する方法もあります。
(2)「例えば、AさんはBさんの上司です。」「Aさんは、アポのダブルブッキングをしました。」「その後、Bさんがアポのダブルブッキングをしてしまいました。」「Aさんの立場で、Bさんにどうやって注意したらよいでしょうか。」(ミスをした上司が、同じミスをした社員をどうやって叱るか、という問題です。)
Q Aさんが、Bさんのスケジュール管理について注意したら、Bさんはどう思うでしょうか。
Bさんにとって嫌なことはなんでしょうか。(相手の立場で、嫌なことと、してほしいこと、を考える。)
Q Aさんは、Bさんに、本題(Bさんへの注意)をする前にどんな説明をするのか。もしくはどんな段取りをするのか。(相手の立場を配慮して、自分がどう対応すべきかを考える。)
Q AさんがBさんをフォローするにしても、どういう方法が考えられますか。
Bさんにとって受け入れやすいようにするには、どんな工夫がありますか。
(相手の立場に立ったうえで、相手にお願いできることは何か、を考える。)
(3)面接で聞くとしても、「考え」を聞くのではなく、「経験」を聞いた方がよいでしょう。考えを聞くと、理想的な「考え」が返事として帰ってきます。「似たような経験があるか」を聞き、その経験の有無について、具体的に聞くことで確認してきます。
履歴書を見たうえで質問することになるので、経験が無いのであれば「なぜ無いのか」質問していきます。
(4)本格的な面接の前に、簡単に仕事内容を聞いておけば、共感力を試せそうな説例を用意しやすいでしょう。
共感力研修
共感力の研修として、疑似事例を設定しメンバーにどうするべきか答えてもらう研修もありえるでしょう。
参考
ハーバードビジネスレビュー2023年1月号128頁以下
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