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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

従業員の精神疾患が分かったとき(休職)

2022/04/10

従業員の精神疾患が分かったとき

従業員の精神疾患について相談を受けたらどうたらいいでしょうか。

事実確認

(1)まずは、従業員から精神疾患になった原因について詳しく聞きましょう。

(2)例えば、半年後、就労不能(休職期間満了)を理由に、社員を解雇することもありえます。そうなると、従業員から話を聞ける機会がなくなります。

(3)しっかりと話を聞けば、離婚で悩んでいた等の本音も聞けるかもしれません。じっくり話を聞いてこれを証拠化しておく必要があります。

パワハラ、セクハラの調査

従業員から原因を聞きます。可能であれば、主治医への診察の同席をお願いしましょう。仮に、「パワハラ、セクハラの可能性があり、従業員が調査を望む」のであれば調査する必要があります。

病気について調べる。必要な配慮(自殺の防止)を検討する。

(1)従業員から病名を聞きましょう。会社の担当者は自分で病気を調べるべきです。医師任せにしてはなりません。医師は会社の業務についてイメージできるわけではありません。本質的には、医師には、「就労可能かどうか」判断できるはずがない、と理解してもらってもよいと思います。

(2)可能であれば、主治医への診察の同席をお願いしましょう。
「必要な配慮、本人の業務は〇〇であるが、就労可能かどうか。自殺等の心配はないのか」を医師に聞いて、会社の責任に対応を決める必要があります。

休職命令

(1)集中できなくなればミスもします。大きな事故になるかもしれません。

(2)無理を続けることで本人の症状が悪化することがあります。

(3)もっとも、本人が「就労を希望する」のに休職命令を出すと、給与の支払いが問題となります。会社に責任があるかケースバイケースで給与の支払いの有無を判断することになります。

診断書の提出命令

(1)従業員に診断書の提出を命じます。

(2)家族と一緒に従業員を支えるためにも、家族と面談してもよいでしょう。

(2)出勤しないこと(就労不能であること)が確認できない場合には、無断欠勤(正当な理由のない労務の提供の拒否)にあたります。早急に判断してはなりませんが、2、3か月適切な対応がされない場合には、解雇等を検討しなければなりません。

(3)「就労可能か。就労可能だとして、軽作業への変更、時短等の対応が必要か。」「就労不能だとして、いつ頃から就労可能と予想されるか。」「会社も復職の準備もあるので、復職にあたって一般的に必要な会社側の配慮等」について医師から意見がもらえるとありがたいです。

休職中の賃金

(1)ノーワーク、ノーペイが原則です。休職されている期間については、会社は賃金の支払い義務を負いません。

(2)例外として、「就業規則で賃金の支払いを約束している」場合はこれを支払う必要があります。

(3)例外として、精神疾患の発症の原因が会社の責任(労災)に当たる場合には、賃金相当額を賠償として支払う必要があります。なお、現実論として、会社の人事担当者としては、「会社の責任を認める。」形で対応することは難しいです。

傷病手当の手続

(1)協会けんぽの被保険者であれば、健康保険の手続をします。

(2)理論上は、病気の原因が仕事にある場合には、労災の申請をします。病気の原因がそれ以外であれば傷病手当の手続をします。
 労災の認定に時間がかかることもあり、従業員側も傷病手当の手続で同意頂けることが多いです。

労働者負担分の社会保険の回収

(1)休業期間中、(傷病手当金を除くと)従業員は無給となります。

(2)会社は、従業員に対し、労働者負担分の社会保険を直接請求しなければなりません。

休職期間

(1)就業規則を参考に休職期間を定めます。休業規則に休職期間がない場合やあまりに短い場合には、医師と相談して休職期間を設定します。
 休職期間満了による雇用関係の終了は、実質「解雇」です。「会社と従業員の利益状態を考慮しても、解雇しても相当であると考える期間」の設定を検討する必要があるからです。

(2)休職期間の満了日を従業員に伝えて、「その日まで復職できなければ、休職期間満了を理由として雇用関係が終了する」ことを伝えます。

(3)会社としては、「復職予定日、復職時に必要な配慮」等について、主治医に意見書を書いてもらうように、従業員に伝えます。
 会社側の産業医を用意できる場合には、会社側の産業医にも受診してもらい意見を聞きます。

(5)休職期間満了日の1週間前に、突然「復職できる」との医師の診断書が出てくることがあります。
 「復職には双方で検討時間が必要であるから、復職予定日の1か月前には就労可能の予定であると報告してほしい。」「そうでない場合には、会社としては復職を認められない可能性がある。」ことも説明します。

復職

(1)「いつから、就労可能であるか。」「車を運転することは可能か。」「時短の対応が必要か。」「軽作業への転換が必要か。」等の医師に意見を書いてもらい提出してもらいます。

(2)復職後の賃金単価を決めなければなりません。私見としては、軽作業を任せるのであればその普通の単価とすべきです。従業員が頑張れば給与が上がる形になるためモチベーションアップにつながります。
 高めの賃金設定をすると、従業員の成績によって賃金を下げる交渉をする必要がでてきてトラブルになる可能性が高いです。

(3)復職が難しい場合には退職となります。社員は「復職は可能である。」と主張し、会社は「復職は難しい。」と主張して紛争になることがあります。 折衷案として、退職金を積み増しして双方が話し合いで解決をすることもあります(退職勧奨)。

休職期間中の定期連絡

(1) 休職期間中も従業員と連絡を取り合って、従業員の状況を把握すべきです。

(2)復職の調整をするにも双方の検討時間が必要であり、従業の状況を正確に把握していないとトラブルになります。

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