採用面接時に質問してはダメな事柄
2022/04/10
採用面接時に質問してはいけない事項
(1)職業安定法指針(平成11年労働省告知141号)では、以下①②の情報を取得してはならない、と規定しています。
(2)以下の①②は本人の業務能力と無関係で、かつ、(プライバシー性が高い)要配慮個人情報にも該当し(個人情報保護業2条3項)するので、これを聞いてはいけません。
(3)もちろん、③差別につながることも、業務上必要もなく取得する(聞く)ことは許されません。
①本人にとって責任のないこと
本籍・出生地に関すること
家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
住宅に関すること
生活環境、家庭環境などに関すること
②思想信条にかかわること(どんな思想を持つかは、個人の自由です)
宗教に関すること
支持政党に関すること
思想に関すること
③差別につながること
例えば、業務上の必要性もなくHIVの感染を聞くこと
業務上の必要性もなくLGBTQ(性的少数者)に該当するかを聞くこと
三菱樹脂事件(最高裁判例昭和48年12月12日判例)
(1)最高裁判例は、「企業には「採用する、しない。」を決める権利があり、採用面接のときに、採用希望者の思想信条を聞くことも許される。」と判示しました。
(2)しかし、昭和48年の時点での判断です。仮に、同様の問題について裁判になれば、同判例の考え方では判断されないと考えるべきでしょう。
参考となるHP
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
実際にトラブルになることは少ない
(1)採用されなかった人は会社と接点を持ちません。したがって、質問の内容について訴えることは考えにくいです。
(2)採用された人は、採用時のやりとりについてまで文句を言うことが考えにくいです。
(3)もっとも、採用希望者も会社を査定しています。したがって、SNS等で炎上する可能性もあり、企業イメージの点から不適切な発言はするべきではありません。