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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

2021/07/23

有期雇用と試用期間

有期雇用 

有期雇用とは、3か月~1年間等一定期間に限り雇用する期限付きの雇用契約です。
有期雇用の期間が満了すれば雇用契約は終了します。

試用期間の法的性質

試用期間の満了は有期雇用の雇用契約の満了とは異なります。期間満了だけを理由にして雇用契約を終了させることはできません。

試用期間の満了を理由とする雇用契約の終了は一種の解雇です。普通解雇と比べると要件が緩和されると言われているが、合理的理由が必要となります。また、解雇ですので、解雇予告手当の支払い義務も問題となります。

試用期間の効果

試用期間の満了に基づく雇用契約の終了は通常の解雇よりも認められやすい。

試用期間中でかつ、採用後14日以内の解雇の場合には解雇予告手当を支払わなくてよい。

実務的な運用と、試用期間の誤解

正従業員(期限の定めなしとの条件)で採用した場合、試用期間が満了したことだけを理由して雇用契約を終了させることは法律上は無効となります。

実務的には、試用期間と雇用期間が混同されていることも多く、会社側から、「試用期間の満了を理由とする雇用契約の終了」を申し出ても、社員が納得して辞めていくことも多いのも事実です。

勤務期間が長くなれば、社員が会社に対する経済的依存度が高くなります。あくまで私見となりますが、社員が会社と会わない(必要最低限の能力が無い)と判断すれば、早期に退職に向けた話し合いをした方がよいでしょう。

会社側としては、「試用期間の満了したが、会社と社員は合わないと思う。」と思えば、そのまま伝えて従業員の同意を得れるのであれば、雇用契約を合理により終了させられます。
これに対して、社員が退職を拒否した場合には、解雇事由がない限り一方的に退職させることはできません。

有期雇用のデメリット

有期雇用の場合、有期雇用の期間が満了すれば雇用契約は終了します。
しかし、有期雇用にもデメリットがあります。

ハローワーク等で一般募集をする場合、内定希望者は他社の雇用条件と見比べて就職先を選びます。内定希望者からすれば、「期間雇用・アルバイト・パート」は印象が悪く、正従業員を希望するが正従業員として採用してもらえなかった人材が集まってくる可能性があります。

なお、知人の紹介で人を採用する場合には、はじめの3か月を有期用に雇用にすることについては従業員から反発を受けることはあまりありません。縁故採用の場合には有期雇用を活用してもよいでしょう。

有期雇用の更新

(1)有期雇用とは、3か月~1年間等一定期間に限り雇用する期限付きの雇用契約です。
 したがって、期間満了後に雇用契約を継続する場合には、雇用条件通知書を巻き直す必要があります。つまり、契約満了日毎に、新しい雇用条件通知書等の交付等、契約手続をやり直す必要があります。

(2)有期雇用の期間を超えて雇用し続けて、雇用条件通知書の更新手続をしていない場合には、契約が同一の条件をもって更新されたとみなされ(民法629条1項)、期間の定めのない契約に変更される、との考え方もあります。

(3)何度も更新を繰り返した場合や、更新するとの期待を生じさせた場合には、期間満了時に契約更新を拒絶することができなくなります(労働契約法19条)。

(4)更新を繰り返し、契約期間が通算して5年を超えると、有期雇用は期限の定めのない無期雇用と同様の扱いとなります。※1

※1 法律上は正確な言い方ではありませんが、このようにイメージしてもらってよいと思います。

無期転換の注意点

長年原いてもらっている社員については、期間の定めのない社員に変わったとしても企業にとって大きな不利益はありません。
しかし、無期転換後の社員については定年制を設けることを就業規則等で定めておくのべきです。
そうしないと、定年もない、期限の定めもない雇用契約となってしまいます。

神戸弘陵学園事件(最判平成 2 年 6 月 5 日)

「正従業員採用する前に、3か月間だけ有期雇用にする。不適合者については3か月目で雇止めする。」という運用を会社もありますが、以下の判例があり、有期雇用であることが否認される可能性があることに注意が必要です。

神戸弘陵学園事件(最判平成 2 年 6 月 5 日)は、 新規採用においてその適性を評価するための期間として有期契約を定めた場合には、その期間は契約の存続期間ではなく、試用期間であるとした判例です。

人の出来・不出来を基準に契約更新を判断している場合や、ほとんどの社員について契約更新しているのに、不出来の社員についてのみ契約更新を拒否している場合には、試用期間であると認定される方向に働きます。

売上の上下が激しく来期の仕事があるか不明な場合や、繁忙式の一時的な仕事の募集の場合など、仕事・業務の性質によって一時的に人を雇う場合には、雇用期間であると認定される方向に働きます。

「3か月~1年間等一定期間に限り雇用する。」旨の雇用契約を締結しているからといって安心できませんが、会社の立場からすれば、有期雇用は「期間の満了を理由として雇用契約が終了したと主張できる」有力な交渉材料となります。リスクを知りながらも、有効活用していくべきです。

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