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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

2021/09/24

判例(介護処遇加算手当)

介護処遇加算手当

介護サービスに従事する社員の給与については、介護処遇加算手当という手当が支給されることがあります。
介護職員処遇改善加算制度という制度があります。介護サービスに従事する社員の賃金水準の改善のために国がお金を会社に支給します。介護処遇加算手当は、会社がこれを手当として社員の給与に支給するものです。

判例

判例は、以下のことを明らかにしました。

介護処遇加算手当は、残業代として支給することはできない。

介護処遇加算手当は、「割増賃金の基礎となるべき賃金」に加えなければならない。

令和3年1月22日松山地判
判例タイムズ1487号213頁

解説(介護処遇加算手当は、残業代とし て支給することはできない。)

(1)判例は、介護処遇加算手当を残業代として支給されてしまうと、介護サービスに従事する社員の賃金水準の改善につながらないので、残業代の支給にあたらない、と判断しました。
 今まで、残業代を別途1万円もらっていたのに、介護処遇加算手当を残業代として支給されると結局、手取りが増えないことになりますから、上記の理屈は説得的です。

(2)ところで、同じ1万円を支給するにしても、「固定残業代」という名目で支払うか。「介護処遇加算手当」という名目で支払うかは、給与明細の表記等の制度設計の問題です。

判例の事案では、原告、被告も、「介護処遇加算手当」という名称でありならが、残業代として支給していたことに争いがないようです。
おそらく、給与明細等に「介護処遇加算手当」と記載されていたために争いがなかったと推察されます。

(3)これに対して、同手当が「固定残業代」という名目で支払われていたらどうなるのか。
介護サービスに従事する社員の賃金が問題となった場合に、「介護処遇加算手当」という記載がなければ、残業代等の支払いに回されていないか、そして、残業代の支払いに回されている場合に、どのように取り扱いされるべきかは、今後問題になっていくでしょう。

解説(介護処遇加算手当は、「割増賃金の基礎となるべき賃金」に加えなければならない。)

(1)未払い残業は、単価×労働時間×割増率-既払い残業代、で計算します。
 その単価を計算する場合、月給÷月の労働時間(正確には、月平均所定労働時間)で計算します。
 その月給を計算するのに、通勤費を含めるのか等の問題があります。
 この月給を「割増賃金の基礎となるべき賃金」と呼びます。

 詳しくは、下記の資料を見て下さい。

 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-5a.pdf

(2)「介護処遇加算手当については、国のお金であり、従業員の労働の対価として支払われたものではない。」「したがって、割増賃金の基礎となるべき賃金にあたらない。」という主張をされることもありました。

しかし、「介護処遇加算手当については、原資が国のお金であっても、従業員の労働の対価として支払われたものではあり、割増賃金の基礎となるべき賃金にあたる。」ことが明確にされました。

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