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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

相続放棄の熟慮期間の判例

2021/03/31

初めに

 相続放棄の熟慮期間についての判例を紹介します。

判例の内容

本判決は、相続人らが高齢であったことや、親族が「代表して相続放棄を行う」と述べたこともあって、相続放棄手続きを行う必要がないと誤信したこと等を考慮して、相続放棄の具体的な必要性の説明を受けてたときから3か月以内であれば相続放棄が可能である旨を判示しました。正確には、相続放棄の具体的な必要性の説明を受けてたときを起算点として、熟慮期間を計算すると判示しました。

相続放棄

相続放棄とは、被相続人(例えば、父が亡くなったとすれば、父のことを被相続人といいます。)に借金等がある場合には、プラスの財産もマイナスの財産も相続しないという届をする手続きが相続放棄です。

相続放棄の期間

相続放棄の手続きができるのは、故人が亡くなったことを知った時から3か月以内が原則です。したがって、故人のプラス財産マイナス財産を把握して、トータルでプラスになるのかマイナスになるのか、調べなければなりません。

家庭裁判所で手続きすれば、相続放棄をするかどうか考える期間を6か月に伸ばしてもらうこともできます。

なお、この相続放棄をするかどうか考える3か月の期間(延長された場合には6か月)を、熟慮期間といいます。

熟慮期間の起算点

例えば、父が死亡してから3年が経過した父が亡くなったことを知った時から3か月は当然経過している。その後、父に借金があったことが分かったとしても相続放棄できないのか、問題となります。

前述したように、相続放棄の手続きができるのは、故人が亡くなったことを知った時から3か月以内が原則です。

例外的には、相続人について、被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)に借金等がないと信じた合理的な理由がある場合には、その借金等を知った時から3か月以内であれば相続放棄が可能です(最判昭和59年4月27日)。

本判例の意義

相続人について、被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)に借金等がないと信じた合理的な理由がある場合には、その借金等を知った時から3か月以内であれば相続放棄が可能です(最判昭和59年4月27日)

本判決は、相続人らが高齢であったことや、親族が「代表して相続放棄を行う」と述べたこともあって、相続放棄手続きを行う必要がないと誤信したこと等を考慮して、相続放棄の具体的な必要性の説明を受けてたときから3か月以内であれば相続放棄が可能である旨を判示しました。正確には、相続放棄の具体的な必要性の説明を受けてたときを起算点として、熟慮期間を計算すると判示しました。

令和元年11月25日 東京高等裁判所

判例タイムズ 1481号74頁以下

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