プロジェクトと、失敗のコントロール
2022/01/11
プロジェクトの定義
例えば、ルーティンワークは、毎回決まっている業務を行うことをいう。
プロジエクトは、何らかの目的をもって、それ以外の業務を行う業務です。
プロジェクトのほとんどは失敗する
(1)プロジェクトのほとんどは失敗する。
(2)一つは、初めての業務であり成功確率が低い。
(3)二つは、プロジエクトの成果がより良い結果をもたらすとは限らないのに、その結果の測定をしないことで、全体的なパフォーマンスを悪化させることになるからです。
(4)三つは、ルーティンワーク(毎回決まっている業務)と兼任する者との関係では、優先順位に対する考え方にばらつきが出やすい。ルーティンワーク(毎回決まっている業務)を重視する立場からは余計な仕事となる。プロジェクトを優先する立場からは、仕事をしないメンバーが存在することになる。
(5)4つは、適宜プロジェクトの計画変更(メンバー変更)ができない場合には、効果のでないことが分かっている仕事をすることや、他人の業務を肩代わりするメンバーが出てくるなど、全体が疲弊する。
プロジェクトの中止・訂正を予定に入れます。
(1)プロジェクトは、短期間での見直しが必須です。
(2)プロジェクトは、中止、変更、予算の作り直し、メンバー編成の変更を含めた、大幅変更を前提とします。
(3) プロジェクトを分割しておき、短期間で見直し、修正を行う。その検証作業を計画として入れ込む。
(4)プロジェクトは新しい取り組みでありその結果が有益であるとは限りません。プロジェクトを中止したことがないのであれば、それは会社がプロジェクトを見直したことがない証拠です。
失敗を前提にプロジェクトを構築する
(1)失敗した場合の結果について最初に検討します。
(2)どのプロジェクトを始めるかにあたって、成功率も検討します。
(3)失敗したとしてそのノウハウを別の分野に転用できるか、失敗を前提とした次の展開まで考慮する。
(4)プロジェクトを直列形式で分割する。
「10の仕事を、10人で分割して、1年計画で行う」のではなく、プロジェクトを直列形式でスタートさせます。10人で一つの仕事を、1か月で終わらせ、次の仕事を行う、直列形式にします。すれば、方向性の修正等がしやすくなる。
(5)プロジェクトの実現の課題をリスト化し、難しい部分からスタートさせます。その進捗によって計画の変更も行います。
(6)新しい技術を使うことは避けます。新しい技術は未知のリスクが多い。既存技術の組み合わせでイノベーションを達成できないかを検討する。
検証の責任者の設定
(1)プルジェクトでは、進捗が順調かどうか、事業の成長性(プロジェクトの効果)が予想どうりであるのかを測定する必要があります。そのための指標を決めておく必要があります。
(2)指標とは、売上だけでなく、来店数、問い合わせ数、HPのアクセス数、目標の達成状況を観測するのに使える数字を意味します。
(3)「ある指標が●●となったら、中止を決定する」等の形で、客観的な基準を設けてもよいでしょう。また、また、いつ、誰が、指標をチェックするのか明確に消えておく必要があります。責任者と、その責任者の検証作業も具体的に決めて置くことが必要です。
ノウハウの蓄積
(1)プロジェクトを分割して、短期間で見直し、評価を行います。
(2)プロジェクトの途中経過段階でも、各業務の経過について成功と失敗を検証し、これによって得たノウハウを行動指針として反映させていくことが考えられます。
(3)プロジェクトを進めていくにあたって、行動指針がどんどん改善され、プロジェクトのスピードが上がっていくことを仕組化します。
参考
ハーバードビジネスレビュー2022年2月号 50頁以下
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