不正防止と従業員エンゲージメント
2022/09/17
従来型の不正防止策
従来の不正防止策は以下の手順で行わていました。
(1)従来型の不正防止策では、細かいルールを決める。
(2)従業員に対し、ルールを守るように研修をする。
(3)従業員がそのルールを守っているかを監視する。
従来型の不正防止案の問題
(1)監視を強めても、厳罰を課しても、不正防止に歯止めがかからない場合があります。
(2)そもそも、監視を強化するという方法には、不正を助長する側面があります。なぜなら、𠮟責や罰を受けると思えばこれを隠そうとする心理が働きます。監視されていることが不信感となって、逆にルール破りを助長するからです。
社風に注意を向ける
問題が多い社風に注意を向けて、これを改善する方法も有益です。
問題となる社風
(1)高い成績を出すことが目標となっている職場では、マイナスの報告をしなかったり、目立たない形で報告したりする心理が働きます。
(2)上司がチェックしてやり直すという意識があると、責任をもって仕事するという熱意を奪ってしまいます。
(3)失敗をしたときに、従業員の言い分を聞かずに不合理に叱責を受けると、会社のルールを守ろうとする気持ちを奪います。
(3)給与・昇進その他会社の評価が不当・不公平だと感じると、会社のルールを守ろうとする気持ちを奪います。
改善策
厳しいノルマを止めて、チームで協力することを奨励したり、従業員エンゲージメントを高めたりすることが不正防止に役立ちます。
参考
ハーバードビジネスレビュー2022年10月号116頁
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