会議のリーダーの仕事(意見を引き出す)
2021/12/14
会議のリーダーの仕事
(1)会議のリーダーは、「一人で合理的な結論を出す」能力ではなく、[「メンバーの意見を引き出して、決断する能力」が必要になります。
目的を明確にする。 個人の責任・人格に着目した発言を禁止する。(進行役)
(1)「今回は、●●を解決する方法を議論する場であるので、××について後日、議論しましょう。」
(2)「話が個人の責任の有無になっています。今、どうするかについて話しましょう。」
的外れな意見についてジャッジする。(進行役)
(1)会議の初めの段階では、自由に発言する雰囲気を作る必要がある。「非現実的な意見である。」「的外れな意見である。」等の否定的な意見を禁止する必要があります。
(2)逆に、意思決定の最終段階では、非現実的な意見をはじめから検討していては収拾がつかなくなります。「意思決定の終盤である」と判断すれば、「面白い意見ではあるが、期限もあるので、次回の会議で検討したい。」等でこれを取り除く必要があります。
質問することによって、議論を正しく導く。(質問者)
リーダーには、合理的な結論を出す能力ではなく、正しい答えが出せる環境づくりをする能力が必要になっています。
①各人が意見を言いやすい雰囲気を作る。
例 Aさんはどう思いますか、と意見を募る。
②現場の意見、顧客の視点を反映させる。
例 この案の場合、現場のオペレーションをどのように変更する必要がありますか。
③必要な知識と、データを提供する。
例 この案について、まずは必要なデータと必要な考え方の枠組みを確認しましょう。
③意見を出す場合に、理由(データ)を示させる。
例 もう少し、A案を支持する理由を噛み砕いて説明してもらえますか。
例 売上予想の計算式を出してもらえませんか。
④ビジョン(パーパース)に適合するか。
わが社は顧客第一としていますが、その案はわが社らしい方法でしょうか。例えば、わが社の利益ととお客様の利益のバランスをとった他の方法ありませんか。
⑤専門家の意見を聞くべき問題かをチェックする。
この点は、マーケティングの専門家に聞いた方が良いのではないか。
対立点を整理する。(進行役)
一度話を整理しましょう。Aという案のメリットは〇〇です。デメリットは××です。
Bという案のメリットは〇〇です。デメリットは××です。
議論が尽くされてるかをチェックする。 (進行役)
(1)議論が尽くされているかをチェックして、結論を出すかを判断します。
(2)逆に、資料がないために議論が進んでいない場合には、「本日は〇〇の点について資料がなく、検討が進みませんでしたね。」「〇〇の資料を〇日まで用意して下さい。そのときに、また検討しましょう。」と次回に検討します。
理由を説明したうえで決断する。決して、折衷案的な結論を取らない。(意思決定者)
(1)経営の本質は、経営資本の選択と集中です。どっちつかずの案を出しても結局上手く行きません。 リーダーはメンバーの意見を尊重する必要はあるものの、これに従う義務はありません。あくまで、リーダーはその責任において思い切った決断が必要です。
(2)その決断が以下の要件(ハリネズミの概念)を満たしていることを説明しなければなりません。
①熱意をもって取り組めること
②利益が確保できること
③世界一になれること
(3) リーダーとしては、メンバーの意見に率直に耳を傾け、否定する場合にはそのメンバーが納得するだけの理由と根拠を説明する義務を負います。
例 「〇〇」という理由があるから、今回はA案を採用する。
理由を示した上で、決断を行います。
参考
谷敏行「Amazon Mechanism (アマゾン・メカニズム) イノベーション量産の方程式」111頁以下
ハーバードビジネスレビュー2022号1月号52頁
ハーバードビジネスレビュー2022年5月号48頁
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