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夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

ハラスメント問題のいろいろな解決策

2021/06/04

セクハラ対策の問題

(1)ハーバートビジネスレビューの2021年3月号18頁以下では、「現在のセクハラの対策が上手く機能していない」との論文が掲載されています。アメリカの企業の研究ですが、日本の企業にも当てはまるでしょう。

(2)「企業による調査において、守秘義務に限界がある。」と指摘されています。加害者が「セクハラの疑いをかけられているが、相談者の被害妄想である。」と言いふらしたりすることをで、相談者に居場所がなくなることがある、とのことです。
 もちろん、調査を受けた加害者に対し「調査があったことや、調査事実を第三者に弁明すること守秘義務違反になる。」を説明することも考えられますが、セクハラの疑いをかけられた加害者が第三者に弁明したくなる心理が働き、防ぎ難い点を指摘されています。

(3)会社がセクハラであるとして加害者を処分しようとしても、加害者が事実誤認や、処分が重すぎるとして、会社が訴えられるリスクがあります。
 そこで、会社は、被害者を処罰することができずに、相談者は同じ職場でそのまま働くことになります。加害者は処罰がないことで自分の行動を正当化し、相談者は自己の主張を否定された形となります。「相談者はセクハラを訴えたことで、職場に居づらくなる。」と指摘されています。

(4)これらを踏まえた、適切な解決策はどんなものがあるでしょうか。

対策(その1)

先の論文では、オンブズマン事務所という外部機関に調査を依頼することが代替案として提案されています。

オンブズマン事務所の実体については、論文だけでは理解できませんした。しかし、弁護士事務所に調査を依頼すると考えれば、上記のメリットを説明できます。

弁護士が加害者を調査するときに、弁護士として加害者に守秘義務を説明すれば、加害者が言いふらすリスクを大きく抑えられます。

また、弁護士は依頼者と相談して、見通しを説明しながら、事件処理を進めていくノウハウがあります。

イメージでは、弁護士事務所では、2分の1の案件は負けることになります。依頼者の請求が認められない可能性があることや、それを踏まえてどうするのか、一緒に相談することはよくあります。

加害者を処分することが難しそうなら、そのことを相談者に伝えて、どうするか一緒に悩むことができます。相談者に見通しを伝えて、一緒に対応を相談できます。

対策(その2)

先の論文では、仲裁処理の方法で紛争を解決する方法も提案されています。

例えば、調停手続は、一方当事者が調停担当者に自分の意見を述べて、調停担当者がのその意見を必要な限りで他方当事者に説明します。その後、他方当事者が意見を述べて、調停担当者がその意見を必要な限りで一方と自社に当事者に説明します。これを繰り返してお互いに納得できる解決を探す方法です。
第三者を間に入れての話し合いであり、喧嘩の仲裁のイメージです。

もし、社内に適任者がいなければ、この業務も弁護士に依頼できます。弁護士は調停手続として馴染の手続であり、ノウハウがあります。

対策(その3)

私見としては、上記以外にも、以下のような方法もあると思います。

セクハラの相談があった場合に、その職場に、セクハラ調査のアンケートとして、調査を開始する方法です。

セクハラ調査のアンケートを実施し、その結果に基づいて、職場の意見をヒアリングします。ヒアリング結果について、相談者にフィードバックする。

加害者の行動について、他の社員も問題だと感じてているかもしれない。もしくは、他の社員からみれば、加害者の行為について問題だとは思っていないかもしれません。その点をあくまで、ヒアリング結果として伝えます。

ヒアリング結果について、必要であれば、加害者を処分します。もちろん、注意で終わることもあるでしょう。

あくまで、被害者の申告ではなく、会社主導のセクハラ調査によって判明した事実として、調査及び処分を行います。

対策(その4)

私見としては、以下のような方法もあると思います。

セクハラの相談があった場合に、職場の上司への相談として上司を巻き込む方法です。

相談者が上司を信頼して、上司への相談に同意している場合には、単なる職場の相談として対応することも可能です。もちろん、相談に応じる上司もセクハラの対応はなれておりません。そこで、セクハラ対応の責任者も同席して一緒に相談する方法です。

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