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争点整理と口頭議論(ノン・コミットメントルール)

2022/08/15 更新

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反論を書く上でのルール

(1)相手方の書面に対して、お互いに①認める部分と②認めない部分を記載し、②認めない部分については、③事実はこうである。」と記載して書面のやり取りをします。

 次に、相手方の新しい主張に対して、「①認める部分と②認めない部分を記載し、②認めない部分については、③事実はこうである。」と記載することがルールとなっています。

(2)これを繰り返せば、裁判所からみれば、「争点」と「争いのない事実」を見分けることができます。そして、争点のみについて、各証拠との整合性を判断することになります。

争点整理手続

(1)裁判所は、争いの無い事実(当事者に争いがなく、経験則的にみて、その事実は存在したと考えてよい。)と、客観的証拠を前提に、事実を把握してきます。

(2)そして、最後に、当事者を読んで話を聞きます(尋問手続)。

(3)尋問手続までの期間に、当事者の法律の主張の根拠その内容、争いのなる事実、争いのない事実が確認され、その期間までに客観的証拠の提出が行われます。
 この期間の手続を争点整理手続と呼びます。

争点整理手続の様子

(1)争点整理手続では、ほとんど、反論の書類の提出期限を決めるだけで終わります。依頼者様の出席は不要です。

(2)まず、期日の一週間前に書面が提出されます。

(3)その書面を双方が読んできたことを前提に、当事者のどちらが書面を出すかを決めます。

 書面を出した当事者の主張が不明確であったり、一部反論をもれがあったりする場合には、その当事者が追加で書面を提出することになります。しかし、相手方の書面に反論を書くことになりますので、一方当事者が書面を出した場合には、他方当事者がその書面に対する反論を出すことになります。

口頭議論

(1)争点整理手続では、相手方の書面について、口頭で質問することがあります。

  口頭で、争点や、重要な証拠を確認することがあります。

  相手方が持っている証拠の提出をお願いすることがあります。

(2)争点整理手続では、以下の事実について口頭で発言したり、質問したりします。

(1)反論の抜け

 こちらが出した書面について、相手方が反論の書面を出してきています。しかし、こちらが出した書面に対して一部反論もれがある場合があります。そのときには、このことを指摘します。

 「反論しない趣旨である。」とのことであれば、問題はありません。しかし、反論抜けであれば、その当事者が追加で書面を出すのか、議論することになります。

(2)「反論の意味」の確認

 「Aさんは〇〇と主張する。しかし、それは間違いだ。なぜなら、▲▲と反論する」ことになります。したがって、反論の意味を確認することは大切です。

しかし、「反論が間違っている。」「反論が抽象的である。」等は、口頭議論で聞くことはではなく、これを反論で提出することになります。

例えば、「準備書面の2頁は、『〇〇という反論』ということでよいのでしょうか。」という質問は口頭議論です。

例えば、「準備書面の2頁は、『〇〇という反論』ということでよいのでしょうか。しかし、これは、論点がすれている気がします。」という指摘は不適切なります。

(3)争点との関連性

「準備書面の2頁~10頁は、争点と関係が不明確なのですが、原告はどのように考えておられるのでしょうか。」という質問をすることがあります。

しかし、「関連がある。」と考えて、当事者が書面に記載してきています。裁判所が指摘するのは良くても、原告、被告等の当事者が主張すると感情的な言い合いになることがあります。

 一つのテクニックとしては、口頭議論では簡単に指摘し、反論を書かないという方法があります。

例えば、単に、「②認めない」と記載して、「③事実はこうである。」という主張をしないという方法があります。

例えば、「準備書面の2頁~10頁は、争点と関係が不明確であり、認否をしない。」と記載することもあります。

 

 法律上の争点(訴訟物、請求原因、抗弁)と、具体的に主張されれている事実との関係は常にチェックが必要です。

(4)争点の確認

 今後の争点を確認することがあります。

 本件の争点を確認します。「〇〇については、原告は〇と主張し、被告は▲と主張します。」「次に、〇〇については、原告は〇と主張し、被告は▲と主張します。」

 裁判所から聞かれることもあるので、頭の中で争点を整理しておく必要があります。

 個人的なやり方として、相手の書面が不明確な場合には、 「〇〇については、原告は〇と主張する。」と争点ごとに簡単なメモを作り、自分のもの、相手方のもの、裁判所分を作り、チームズにアップしたりすることあります。

 これをすることで次回の宿題(反論すべきこと)が明確になります。

(5)重要な証拠の確認

 本件にとって、重要な証拠を確認します。 「原告としては、AとBのメールが重要な証拠と考えます。被告はどう考えますか。」

 例えば、相手がその証拠を出さない場合には、こちらが出すことも検討する必要があります。

 例えば、相手方が別の証拠をより重要だと考えている場合は、これを把握しておく必要があります。証拠に矛盾する反論は意味がありません。証拠を意識しながら、依頼者から話を聞く必要があります。

(6)今後の進行

 裁判所から、今後の進行を聞かれることがあります。

 書面を出す予定なのか。それとも、証拠を出す予定なのか。裁判所から聞かれることもあるので、頭の中で今後の予定を整理しておく必要があります。

(7)反論の先出し

 「原告としては、〇〇という反論を考えています。被告には、通帳等の客観的証拠があるので、この点を踏まえて主張をお願いします。」と反論を先出しすることがあります。

 これは、裁判を円滑に進めるためのテクニックです。

(8)証拠提出の依頼

 争点と関係があるが、こちらが持っていない証拠について、相手方に対し証拠の提出をお願いすることがあります。

ノン・コミットメントルール

(1)自由な発言を保障するために、口頭で話した内容については、自由に撤回できるという原則があります。

(2)例えば、期日で口頭で述べた内容と、後日出された書面の内容が矛盾していたとしても、それを「話が矛盾している。それはAの主張が信用できない証拠とである。」等の指摘してはなりません。

 例えば、期日で口頭で述べた内容について、「〇〇弁護士は、期日で〇〇と言った。」と後日、書面で指摘することは許されません。

(3)しかし、例えば、Aが出した書面について、Aが「〇〇という意味です。」と口頭で説明した場合に、「Aは書面にて、〇〇と主張している。しかし、▲▲である。」と指摘することは許されます。

 例えば、口頭で「契約書は存在しない。」という回答があった場合に、「〇〇という契約書を出せ。これが出せないのは、契約が成立していない証拠である。」と主張することは許されます。

参考

 判例タイムズ1496号 55頁以下 「札幌地裁審理運営モデルについて」

 判例タイムズ1465号 5頁以下 「争点整理に困難を伴う非典型的な訴訟において争点整理の道筋をつけるために裁判所及び当事者が取り組むべき課題について(1)」

 

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