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相続放棄

2021/06/02 更新

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相続放棄 

被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)に借金等がある場合には、プラスの財産もマイナスの財産も相続したくないとして、届け出る手続が相続放棄の手続きです。

相続放棄の期限

相続放棄の手続きができるのは、被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)が亡くなったことを知った時から3か月以内が原則です。この期間を熟慮期間といいます。

被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)のプラス財産とマイナス財産を把握して、トータルでプラスになるのかマイナスになるのか、調べなければなりません。また、相続放棄の手続きには、戸籍の提出が必要で、戸籍の収集だけでも1か月程度の準備期間は必要です。

現実的には、被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)が亡くなったその日から1か月以内に専門家に相談しに行った方がよいでしょう。


なお、家庭裁判所で手続すれば、相続放棄をするかどうか考える期間(熟慮期間)を6か月に伸ばしてもらうこともできます。

熟慮期間の起算点

例えば、父が死亡してから3年が経過した父が亡くなったことを知った時から3か月は当然経過している。その後、父に借金があったことが分かったとしても相続放棄できないのか、問題となります。

前述したように、相続放棄の手続きができるのは、故人が亡くなったことを知った時から3か月以内が原則です。

例外的には、相続人について、被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)に借金等がないと信じた合理的な理由がある場合には、その借金等を知った時から3か月以内であれば相続放棄が可能です(最判昭和59年4月27日)。

熟慮期間の経過と裁判

最判昭和59年4月27日の判例では被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)に借金等がないと信じた合理的な理由が要求されています。相続放棄の手続は家庭裁判所に書面を提出して行います(書類審査)。

被相続人(例えば、父が亡くなったとしたら、その父)が亡くなったことを知った時から3か月を経過後に相続人が家庭裁判所に相続放棄の書類を提出した場合、これを争う債権者は裁判にてこれを争う権利があります。

しかし、債権者がこれを争うケースはほとんどありません。

故人の借金の調査

故人のプラス財産とマイナス財産を把握して、トータルでマイナスになるのであれば、相続放棄がお勧めです。


まず、調査に時間がかかりそうな案件では、相続放棄をするかどうか考える期間を6か月に伸ばしてもらう手続きをします(家庭裁判所)。

次に、故人の通帳等を見て定期的な支出についてチェックして、定期的な返済等がないかをチェックします。
さらに、故人宛の郵便物について郵便物の転送届を出しておけば、催促等がないかをチェックします。
その他、故人がサラ金等から借り入れをしていないか、信用情報機関(CIC、JICC、全銀協)に問い合わせする方法もあります。
サラ金は利用者が多重債務者ではないかチェックするために、信用情報機関を通じて他社での借り入れをチェックしています。この信用情報機関に問い合わせて、故人がサラ金等から借り入れをしていないかチェックできます。

故人の相続財産の調査

まず、故人が保有している不動産については、年に1回に支払う固定資産税の通知書でチェックします。
次に、故人の通帳等を見て定期的な支出についてチェックします。生命保険の引き落としがあれば、生命保険会社に問い合わせることとなります。
通帳も、電気、ガス、水道、家賃、携帯電話の引落がされているかをチェックします。この引落がなければ、別の通帳の存在を疑います。
さらに、故人宛の郵便物について郵便物の転送届を出しておけば、株主総会の通知で株式を発見したりできることがあります。
その他、故人が持っている書類等を見て、故人の相続財産を探すしかありません。

相続放棄をしたことは他の親族に伝えましょう。


A例えば、故人の子供が相続放棄をすると、故人の父が新たに相続人となります。故人の父が相続放棄をすると、新たに故人の兄弟が相続人になり、その兄弟が相続放棄をしなければならなくなることもあります。
 正確な言い方ではありませんが、相続放棄は親族全員で手続する必要があります。
 したがって、ご自分が相続放棄するさいには、そのことを知らせた方がよいでしょう。

相続放棄と形見分け

相続放棄をしておきながら、相続財産の自己のものとすることを認めてしまうと、プラス財産だけを取得することを認めることになります。法律はこのような場合には相続放棄の効果が否定されると定めています。つまり、通常通り、プラスの相続財産もマイナスの相続財産を負うことになると定めています(法定単純承認)。

法律家としては、相続放棄をしていながら、故人の時計等を形見分けとして譲り受けることは許されないと回答することになります。

相続放棄をしたのに、葬儀代を勝手に引き出して使ったり、相続財産の一部を自分のものにすることはできません。


ところで、借金があるという理由で相続人全員が相続放棄をすると、プラスの相続財産もマイナスの相続財産も誰にも帰属しないことになります。例えば、借金が1億、相続財産が5000万円であり、相続人が全員相続放棄したときには、債権者は相続財産管理人の選任手続をします。そして、相続財産管理人が相続財産を全て現金化して債権者に平等に弁済することもあります。相続財産管理人の選任には予納金が100万円ほど必要です。清算の対象となるプラス財産が一定額ないと採算があいません。

相続放棄されたケースの場合、プラス財産については誰も管理しておらず、放っておかれるのが現状です。
例えば、プラス財産として預金100万円があり、マイナス財産として借金500万円あって、相続人全員が相続放棄したとします。
債権者としては、相続財産管理人の選任手続も可能ですが、採算が合わないと判断し手続きを断念したとします。
そうなると、預金100万円は放置されているのが現状です。

例えば、時計等の小物は把握が困難です。また、相続財産管理人が選任されないことが明らかなケースで、これらの小物をそのままずっと、親族がこれを保管しておくのかという問題もあります。
相続放棄をした場合にも、時計等が高額でなければ形見分けしてしまっているケースもあるようです。

相続放棄をしても、生命保険は受け取れる。

相続放棄をしても、以下の財産は受け取れます。
  未支給年金
  遺族年金
  生命保険

相続財産は、被相続人が死亡した時点で保有していた財産です。
未支給年金、遺族年金は法律が一定の要件を満たす遺族に請求権を認めたもので相続財産ではありません。
生命保険も死亡という事故が起きたときに(故人の死亡後に)保険金を支給する契約であって相続財産ではありません。
したがって、相続放棄をしても、以下の金銭は受け取れます。
  未支給年金
  遺族年金
  生命保険

なお、年金受給者の死亡の連絡を怠っていると、未支給年金はそのまま同故人の口座に入金されてしまいます。また、相続放棄がされて誰も相続しなった場合、故人の口座が凍結されて、未支給年金を取り戻すことが出来なくなります。
故人が死亡した場合には、直ちに年金事務所に連絡すべきです。

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