ネット掲示板の「まとめサイト」に転載された書き込みの責任追及

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q ネット掲示板の誹謗中傷がまとめサイトに転載されて被害が拡大しています。元凶の書き込みをした人だけでなく、まとめサイトの運営者に対しても削除や損害賠償を請求することはできますか?
A 【まとめサイト運営者への法的責任追及】まとめサイトに誹謗中傷が転載された場合、元の書き込みをした発言者だけでなく、記事を転載・編集して被害を拡大させたまとめサイト運営者に対しても、名誉毀損やプライバシー侵害を理由とした削除請求や損害賠償請求を行うことが可能です。ただし、運営者の責任を問うためには、転載による違法性の認識や、削除要請への不対応といった法的なハードルをクリアする必要があります。
【弁護士による迅速な対処のメリット】半永久的にネット上に残り続けるまとめサイトの記事を放置すると、企業の信用低下や個人の社会的評価の失墜といった甚大な風評被害につながります。そのため、風評被害・誹謗中傷問題に精通した弁護士に相談し、法的根拠に基づいた削除請求や発信者情報開示請求、仮処分申請などの適切なステップを早急に進めることが極めて効果的です。

インターネット上の匿名掲示板に書き込まれた誹謗中傷が、いわゆる「まとめサイト」「アンテナサイト」などに転載され、検索エンジンを通じて広く拡散してしまう被害が後を絶ちません。

元の掲示板のスレッドであれば、時間の経過とともに人の目に触れにくくなったり、ログが流れていったりすることがあります。しかし、まとめサイトに記事として再構成されてしまうと、半永久的にネット上に残り続け、企業の信用低下や個人の社会的評価の失墜といった甚大な風評被害を引き起こします。

「元の書き込みをした犯人だけでなく、面白おかしく拡散したまとめサイトの運営者も許せない」「どうにかして記事を削除させたい、慰謝料を請求したい」とお考えの方に向けて、まとめサイト運営者に対する法的責任の追及方法や、具体的な対処の手順について詳しく解説します。

1. まとめサイトに転載された場合の法的責任の仕組み

ネット掲示板の書き込みがまとめサイトに転載された場合、被害者は主に2つの主体に対して法的責任を追及することができます。

  • 元の書き込みを行った発言者(一次加害者): 名誉毀損罪、侮辱罪、あるいは民法上の不法行為に基づく損害賠償責任。
  • 記事を転載・編集したまとめサイト運営者(二次加害者): 転載行為および掲載継続に伴う、名誉毀損やプライバシー侵害に基づく損害賠償責任および削除請求。

「他人の書き込みをコピー&ペーストしただけだから、サイト運営者には責任がないのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤りです。まとめサイトの運営者は、単なる自動的な中継システムではなく、数あるスレッドの中から特定の誹謗中傷を選び出し、目を引く見出しを付け、広告収入を得る目的で自らのサイトに掲載しています。

そのため、転載された記事の内容が社会的評価を低下させるものであれば、サイト運営者自身も「情報を発信し、拡大させた主体」として不法行為責任を負うことになります。

2. まとめサイト運営者の責任追及における法的なハードル

まとめサイトに対して損害賠償や削除を求める場合、実務上いくつかのハードルや考慮すべきポイントが存在します。

違法性の要件(名誉毀損・プライバシー侵害)

まとめサイトの記事であっても、基本的には通常のインターネット上の誹謗中傷と同様に、名誉毀損(社会的評価を低下させる事実の摘示)やプライバシー侵害(私生活の公開されたくない情報の暴露)が成立する必要があります。「単なる悪口」や「意見・論評の域を出ない批判」であると判断された場合、違法性が認められない可能性があります。

運営者の特定に関する困難さ

多くのまとめサイトは、運営者の氏名や住所、連絡先を明確に記載していません。問い合わせフォームやメールアドレスが用意されている場合もありますが、連絡を無視されるケースも少なくありません。 運営者を特定するためには、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を行い、サーバー事業者やドメインレジストラから契約者情報を取得する必要があります。

自動生成・自動転載ツールの問題

一部の悪質なサイトでは、プログラムを使って自動的に掲示板の人気スレッドを収集・転載しているケースがあります。運営者が手動で編集していなかったとしても、自らのサイトの管理下で違法な情報が公開され続け、利益を得ている以上は、管理者としての責任(不法行為責任や削除義務)を免れることはできません。

3. まとめサイトの風評被害に対する具体的な対処ステップ

まとめサイトによる被害を迅速かつ効果的に食い止めるためには、正しい順序で対策を進めることが重要です。

  1. 証拠の保全(スクショ撮影・URL保存): 記事が削除されたり改変されたりする前に、問題のページ全体のスクリーンショット(日時やURLが分かるもの)を保存します。また、サイトのドメインやIPアドレスの調査も重要になります。
  2. 運営者への削除依頼(任意交渉): サイト内の問い合わせフォームや、プロバイダ責任制限法に準拠した送信防止措置請求書を郵送・送信し、自主的な削除を求めます。運営者が特定できる場合や良識的な管理者の場合、この段階で削除に応じることがあります。
  3. 裁判所を通じた削除仮処分: 任意の依頼に応じない場合や、運営者と連絡がつかない場合は、裁判所に「削除の仮処分命令」を申し立てます。仮処分は通常の裁判よりも短期間(数週間〜数ヶ月程度)で決定が出されるため、迅速な被害回復に有効です。
  4. 発信者情報開示請求と損害賠償請求: まとめサイトの運営者、あるいは大元の掲示板の発信者に対して、弁護士会照会や裁判手続きを用いて発信者情報を特定し、損害賠償請求(慰謝料や弁護士費用等の請求)を行います。

4. 放置は厳禁!まとめサイトは二次被害の温床に

まとめサイトに一度掲載された悪質な情報は、別のSNSや他のアフィリエイトブログなどに「コピペの連鎖」によって次々と拡散されていくリスクがあります。

「時間が経てば自然に消えるだろう」と放置していると、検索エンジンの上位に定着してしまい、採用活動、取引先との関係、店舗の集客、個人の就職や結婚などに深刻な悪影響を及ぼし続けます。

特に法人や店舗の場合、企業のブランドイメージが大きく損なわれるため、一刻も早い記事の非表示化・削除が不可欠です。

5. まとめサイトのトラブルは弁護士にご相談ください

まとめサイトに転載された書き込みの削除や発信者特定、損害賠償請求には、IT分野の専門知識や裁判所手続きのノウハウが必要です。運営者が海外にサーバーを置いていたり、運営者情報を巧妙に隠していたりする場合、個人で対応することは極めて困難です。

夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット上の誹謗中傷・風評被害対策に精通した弁護士が、証拠の収集から、まとめサイト運営者への削除交渉、仮処分申し立て、損害賠償請求までをワンストップでサポートいたします。

「自社の悪口がまとめサイトに載って困っている」「どこに削除を依頼すればいいか分からない」という方は、被害がこれ以上拡大する前に、ぜひ当事務所の初回無料相談をご活用ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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