加害者からの直接の謝罪要求や面会には絶対に合意せず、個人情報を直接教えることも避けてください。感情的なトラブルや二次的なプライバシー侵害、さらなる嫌がらせに発展する危険性が極めて高いためです。
【弁護士による示談交渉のメリット】
すべてのやり取りを代理人である弁護士に一任すべきです。プロバイダ責任制限法を踏まえた適正な損害賠償金・慰謝料の請求に加え、将来的な接触禁止や誹謗中傷の再発防止を誓約させる法的拘束力のある厳格な示談書を確実に締結することができます。
ホスラブ(ホスト狂い・ホストクラブの話題を扱う大型掲示板)での執拗な誹謗中傷やプライバシー侵害に対し、発信者情報開示請求や発信者情報利用差止請求を行い、ついに加害者の特定に成功したとします。
法的責任を追及される段階に至り、相手の加害者が突如として「反省しているので、直接会ってお詫びをさせてほしい」「誠意を示したいので連絡先を教えてほしい」と言ってくるケースは少なくありません。
被害者側としては、「そこまで反省しているなら、直接謝ってほしい」「早く終わらせたい」と感じるかもしれませんが、感情のままに直接のコンタクトを許可するのは非常に危険です。
本記事では、ホスラブでの誹謗中傷事件において、加害者から「お詫びしたい」と言われた際に、被害者がどのような点に注意し、どのように対応すべきかを夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
ホスラブの加害者から連絡が来た時の最大のNG行動
発信者情報開示請求のプロセスを経て、あるいは裁判・示談の過程で、加害者側から「直接謝罪したい」「一度会って話をしたい」と言われた際、絶対に避けるべき行動があります。
- 加害者の要求をそのまま受け入れ、直接会って話をする
- 電話番号やプライベートなメールアドレス、SNSの連絡先を直接教える
- 弁護士を挟まない口頭の約束だけで許してしまう
- 示談書を取り交わさずに「お金を払ってもらうからいいか」と解決してしまう
これらはすべて、被害者にとって大きな二次被害や新たなトラブルを生む原因となります。
なぜ加害者と直接会ってはいけないのか
「相手が反省しているのだから、会うくらいなら問題ないのでは」と思われるかもしれませんが、法律の専門家である弁護士の視点からは、加害者と被害者が直接接触することには大きなリスクが伴います。
1. 感情的な対立による二次トラブルのリスク
加害者は「これだけのことをしてしまった」という罪悪感と同時に、「多額の慰謝料を請求されるかもしれない」「訴えられたくない」という恐怖や焦りを抱えています。そのような状態で直接対面すると、最初は低姿勢であっても、話の途中で感情的になったり、被害者側の一言に逆上したりして、口論やさらなるトラブルに発展する危険性があります。
2. 脅迫やストーカー行為への発展
ホスラブで特定されるような悪質な書き込みを行う人物の中には、現実の人間関係や執着心が異常に強いケースが見受けられます。被害者の連絡先や居場所を直接知られてしまうことで、示談交渉が終わった後もつきまとわれたり、逆恨みによる嫌がらせや脅迫行為に発展したりするリスクを完全に排除できません。
3. 不利な条件での口頭約束をしてしまう危険
「今回は許してあげる代わりに、今後は一切書き込まないこと」と口頭で約束しても、後日また同じ人物が別のアカウントや別の匿名掲示板で誹謗中傷を再開した際、客観的な証拠が残っていなければ法的責任を問うことが難しくなります。
弁護士を挟んだ客観的示談交渉のメリット
加害者から「お詫びしたい」「謝罪したい」という申し出があった場合、その申し出自体を拒絶する必要はありません。「謝罪や賠償の意思があるならば、すべて代理人の弁護士を通じて行ってください」と伝えるのが正解です。
弁護士を代理人に立てることで、以下のような圧倒的なメリットが得られます。
- 一切の直接接触を回避できる:被害者の氏名、住所、連絡先などの個人情報を加害者に知られることなく、安全に交渉を進めることができます。
- 感情を排した冷静な交渉:加害者とのやり取りはすべて弁護士が行うため、被害者自身が精神的なストレスを負うことがありません。
- 適正な示談金の回収:損害賠償金の金額についても、過去の判例や事案の悪質性に基づき、適正かつ妥当な金額を法的に請求することができます。
- 法的効力を持つ示談書の作成:将来の接触禁止条項や、再違反時の違約金設定などを盛り込んだ、厳格な示談書を確実に締結できます。
示談書に必ず盛り込むべき重要な条項
加害者が「謝罪したい」「反省している」と言葉でどれほど示そうとも、それが形として残らなければ意味がありません。弁護士が作成する示談書には、以下の内容を必ず網羅させます。
1. 謝罪文(反省文)の提出
口頭での謝罪ではなく、署名・捺印の入った「謝罪文」を書面(または電子データ)で提出させます。これにより、加害者が自身の行為を法的な記録として認めたことになります。
2. 慰謝料(損害賠償金)の支払い
弁護士費用や開示請求にかかった実費、および精神的苦痛に対する慰謝料の合計金額を明確に記載し、支払い期日と振込先を指定します。一括払いが原則ですが、資力がない場合は分割払いの合意と、怠った場合のペナルティ(期限の利益喪失条項)を設定します。
3. 接触禁止および発信の禁止(不干渉条項)
今後、ホスラブなどの掲示板、SNS、その他のインターネット上において、被害者に関する書き込みや言及を一切行わないこと、および被害者に対して直接・間接を問わず一切接触しないことを誓約させます。
4. 守秘義務条項
今回の事件内容、示談の事実、および示談金の金額などを第三者に口外しないよう、双方に守秘義務を課します。SNSへの書き込み等でこの義務に違反した場合の違約金についても定めておきます。
5. 清算条項(トワイス・ジャパディの防止)
この示談書の取り決めをもって、本件に関する民事上の権利義務関係がすべて解決(清算)され、今後互いに何らの債権債務も存在しないことを確認します。これにより、後から追加で金銭を請求するといったトラブルを防ぎます。
ホスラブでの風評被害対策は夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください
ホスラブにおける誹謗中傷や個人情報の特定は、被害者にとって非常に大きな精神的負担を伴います。いざ加害者が特定され、「謝りたい」と言ってきたときこそ、感情的にならず冷静に対処しなければなりません。
当事務所では、発信者情報開示請求の初期段階から、加害者との示談交渉、厳格な示談書の作成、そして将来の再発防止に至るまで、依頼者様のプライバシーと安全を第一に考えたトータルなサポートを提供しております。
「加害者から連絡が来たがどう対応すべきか分からない」「安全に示談を終わらせたい」とお悩みの方は、ぜひ一度、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士にご相談ください。