【弁護士による対応のポイント】CDN事業者に対する情報開示の仮処分申し立てや、場合によっては海外の法的手続きを組み合わせる高度な専門知識が求められます。泣き寝入りせず、海外サーバー対策の実績が豊富な弁護士に早期に相談することで、権利侵害を立証し、加害者の特定や損害賠償請求への道筋を確実に開くことができます。
インターネット上の匿名掲示板や口コミサイトに、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる悪質な書き込みをされたとき、多くの被害者が削除や犯人の特定を望みます。しかし、そのターゲットとなった掲示板が海外サーバーで運営されている場合や、Cloudflare(クラウドフレア)などのCDNサービスを経由している場合、「日本の法律は通用しないのではないか」「泣き寝入りするしかないのか」と不安になる方が少なくありません。
結論からお伝えすると、海外サーバーやCDNを利用している掲示板であっても、適切な法的手続きを踏むことで削除や発信者情報の特定を行うことは十分可能です。
この記事では、海外サーバーやCDNを利用する専門掲示板に対する誹謗中傷対策について、弁護士の視点から分かりやすく解説します。
海外サーバーやCloudflareを利用した掲示板とは?
近年の誹謗中傷や風評被害の温床となるサイトの中には、日本の法律による取締りや開示請求を逃れる目的、あるいはサイトの表示速度向上やサイバー攻撃対策を目的として、海外のホスティングサービスやCDNを利用しているケースが多々あります。
Cloudflare(CDN)の役割と仕組み
Cloudflareは、世界中にサーバーを持つCDN(コンテンツ配信ネットワーク)サービスです。サイトの読み込みを高速化し、DDoS攻撃などのセキュリティ脅威からWebサイトを守る役割を果たしています。
このサービスを利用すると、アクセスしたユーザーと実際の掲示板サーバーの間にCloudflareが仲介として入ることになります。そのため、通常のアクセス解析では、掲示板の本来のサーバーがどこにあるのか、運営者が誰なのかが隠されてしまうという特徴があります。
「海外にあるから日本の法律は無効」という誤解
「運営者が海外にいる」「サーバーが海外にある」という理由から、日本の裁判所や法律が使えないと思い込んでしまう方がいますが、それは大きな誤解です。
日本国内の居住者が被害を受けており、日本国内に向けて情報が発信されている誹謗中傷案件であれば、日本の裁判所に管轄が認められるケースがほとんどです。また、海外の事業者であっても、日本国内の法律に基づいて正式な裁判手続きや書面を送付すれば、対応を迫ることが可能です。
海外サーバーの掲示板における削除請求の実務
誹謗中傷記事を削除させるためのアプローチは、国内のサイトと基本的には大きく変わりません。しかし、相手が海外事業者であるため、いくつかのハードルが存在します。
運営者への直接連絡(削除要請フォーム・メール)
掲示板内に設置されている問い合わせフォームや、ドメインのWHOIS情報(ドメイン登録者情報)に記載されているメールアドレス宛に、削除要請を送るのが最初のステップとなります。
- 英語での対応が必要なケースが多い 運営者が海外にいる場合、日本語の要請文では無視されてしまうリスクがあります。法的根拠を明確に示し、翻訳ツールなども活用しながら、英語で論理的な削除請求を行うことが重要です。
- 運営者が特定できない場合の壁 悪質な掲示板の多くは、ドメイン登録代行サービスのプライバシー保護機能を使っており、運営者の氏名や連絡先が完全に秘匿されています。この場合、メールを送っても宛先不明になるか、無視されてしまうことが少なくありません。
法的措置(裁判所の仮処分・訴訟)の活用
任意の削除要請に応じてもらえない場合、国内の裁判所に削除仮処分命令の申し立てを行います。
裁判所から正式な削除命令(決定)が出されると、多くの海外事業者やCDNプロバイダであっても、法的な強制力や社会的信用を考慮して削除に応じる傾向があります。ただし、海外の事業者に対して裁判所の書類を正式に送達(海外送達)するには、外務省や裁判所を通じた数ヶ月単位のプロセスが必要になる場合があり、時間と専門的な手続きの知識が必要不可欠です。
投稿者を特定する「発信者情報開示請求」の難しさと対策
誹謗中傷の書き込みをした犯人を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うためには、プロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」を行います。しかし、掲示板が海外サーバーやCloudflareを使用している場合、この特定作業の難易度が一段と上がります。
Cloudflareを経由している場合の「ログの壁」
Cloudflare等のCDNを経由しているサイトにアクセスした場合、掲示板の本来のサーバーには、アクセスしてきたユーザーのIPアドレスではなく、CloudflareのサーバーのIPアドレスが記録されてしまいます。
そのため、掲示板のサーバー管理者に対してログの開示請求を行っても、肝心の誹謗中傷投稿者のIPアドレスが分からないという事態が発生します。
CDN事業者(Cloudflare等)に対する開示請求
この問題を解決するためには、掲示板のサーバー管理者だけでなく、仲介しているCDN事業者(Cloudflare社など)に対しても、発信者のアクセスログの開示を求める必要があります。
- Cloudflare社はアメリカの法人である Cloudflareの本社はアメリカ合衆国にあります。したがって、日本のプロバイダ責任制限法に基づく開示請求を、そのままアメリカの企業に対して行うことはできません。
- 外国法に基づく手続きや専門的ノウハウが必要 アメリカの法制度に基づいた手続き(ディスカバリー手続や、現地の裁判所を通じた召喚状の取得など)を行うか、あるいは同社の規約やポリシーに則った適切な申し立てを行う必要があります。これには、海外の法律やITインフラに精通した弁護士のサポートが不可欠です。
泣き寝入りする前に、弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください
海外サーバーやCloudflareを利用した専門掲示板からの誹謗中傷は、一般的な国内サイトの対策と比較して、高度なIT知識と国際法務の視点が求められます。「海外にあるから無理だろう」「Cloudflareだから特定できないと言われた」と諦めてしまう前に、まずはネット誹謗中傷対策に強い弁護士にご相談ください。
当事務所では、数々の複雑なネット風評被害や海外サーバー案件を取り扱ってきた実績がございます。サーバーの調査から、任意の削除要請、裁判所の仮処分、さらには国内外の事業者に対する発信者情報開示請求まで、依頼者様の権利を守るために最善の道をご提案いたします。
インターネット上の悪質な書き込みでお困りの際は、どうぞお気軽に当事務所の初回相談をご利用ください。あなたの名誉と平穏な日常を取り戻すため、私たちが全力でサポートいたします。