【弁護士によるサポートの重要性】確実に警察に捜査・立件してもらうためには、あらかじめ弁護士に依頼して法的な構成を整えた告訴状を作成してもらい、証拠とともに提出するのが最も確実かつ効果的です。
インターネット上の匿名掲示板やSNSによる誹謗中傷、名誉毀損、脅迫などの被害に遭ったとき、「警察に相談すれば何とかしてくれるだろう」と考える方は少なくありません。特に大阪府内にお住まいの方や、大阪に拠点を置く企業様であれば、中央区大手前にある大阪府警察本部(サイバー犯罪対策課)への相談を検討されることでしょう。
しかし、警察はすべてのインターネットトラブルにすぐ介入してくれるわけではありません。警察を動かすためには、法的な要件を満たした証拠の提出や、事件性の証明が求められます。
この記事では、大阪府警察本部へのネット誹謗中傷に関する相談の流れや、警察が動いてくれる条件、そして確実に事件化・立件させるための重要なポイントについて、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
1. 大阪府警察本部におけるサイバー犯罪・誹謗中傷の相談体制
大阪府警察本部の本館は、大阪市中央区大手前に位置しています。府内における重大なサイバー犯罪や悪質なインターネット上のトラブルに対しては、主に生活安全部 サイバー犯罪対策課が専門的な見地から対応にあたっています。
サイバー犯罪対策課の役割とは
インターネット上の誹謗中傷や名誉毀損は、個人の尊厳を傷つけるだけでなく、企業の社会的信用を失墜させ、甚大な経済的損害をもたらします。サイバー犯罪対策課では、以下のような悪質な事案を視野に入れています。
- SNSや匿名掲示板における深刻な人権侵害・名誉毀損
- 特定の個人や企業に対する殺害予告・爆破予告などの脅迫行為
- 企業秘密や個人情報の不正な暴露・流出(ドクシング)
- 業務妨害を目的とした執拗なデマの拡散
ただし、これらすべての相談に対して、警察が直ちに捜査を開始するわけではありません。警察には「民事不介入の原則」があるため、単なる意見の対立や、表現の自由の範囲内と判断されるようなトラブルについては、警察としても積極的に介入できないのが実情です。
2. 警察にネット誹謗中傷を相談しても「動いてもらえない」理由
「警察に相談に行ったのに、証拠が足りないと言われて門前払いされた」「民事のトラブルだから弁護士に行ってくれと言われた」という話を耳にしたことはありませんか?これには明確な理由があります。
警察が動くためのハードル
警察が動くためには、その行為が明確な犯罪(刑法上の構成要件)に該当していることが必要です。ネット上の誹謗中傷でよく適用される犯罪には、以下のようなものがあります。
- 名誉毀損罪(刑法第230条):公然と事実を摘示し、人の名誉を傷つけた場合(3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金)。
- 侮辱罪(刑法第231条):事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した場合(厳罰化され、1年以下の懲役・禁錮もしくは30万円以下の罰金等に引き上げられました)。
- 脅迫罪(刑法第222条):生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅した場合。
- 信用毀損罪・業務妨害罪(刑法第233条):虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて人の信用を毀損し、または業務を妨害した場合。
これらを立証するためには、被害を受けた側が「誰が、いつ、どこで、どのような表現を用いて権利を侵害したか」を客観的な証拠とともに示す必要があります。証拠が曖昧な状態では、警察も捜査に着手しようがありません。
3. 大阪府警察本部へ相談する前に準備すべき重要証拠
警察署やサイバー犯罪対策課に足を運ぶ、あるいは事前に相談する際は、以下の証拠を完璧に揃えておくことが成功の鍵となります。
準備すべき証拠リスト
- 該当ページのスクリーンショット:投稿内容だけでなく、URL、投稿日時、アカウント名やID、リプライの有無などが一目でわかるように保存します。スマホ画面とPC画面の両方で、全体像がわかるものを用意しましょう。
- 魚拓データやタイムスタンプ:投稿が後から削除・改ざんされるリスクを防ぐため、ウェブアーカイブや証拠保存サービスを活用します。
- 被害の経緯をまとめたタイムライン資料:いつからどのような中傷が始まり、自身(自社)にどのような実害(売上低下、精神的苦痛による通院など)が生じているかを時系列で整理したメモを作成します。
- 権利侵害の主張根拠:なぜその投稿が名誉毀損や業務妨害に該当するのかを簡潔に説明できるようにしておきます。
これらを個人で集めることも可能ですが、加害者がすでにアカウントを消して逃走している場合などは、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求などの法的手続きを並行して行う必要があります。
4. 被害届や告訴状の受理率を高めるための「弁護士の同行・代理」
警察に被害を訴える方法には、「被害相談」「被害届の提出」「刑事告訴」の3つがあります。この中で、警察に本格的な捜査を義務付ける強力な手段が「刑事告訴」です。
なぜ弁護士を通した告訴が効果的なのか
警察の窓口では、人員的限界や証拠の精査の難しさから、一般の方からの被害届や告訴状の受け取りに慎重になる傾向があります(いわゆる「不受理」の問題です)。ここで、法律のプロである弁護士が作成した「告訴状」を提出することで、状況は一変します。
弁護士が作成する告訴状には、以下のメリットがあります。
- 法構成の正確性:どの条文のどの構成要件に該当するのかが論理的に整理されており、警察側がそのまま事件として受理しやすい形式になっています。
- 証拠の整理・添付:捜査に必要な証拠が過不足なくまとめられているため、警察の捜査負担が大幅に軽減されます。
- 弁護士の同行によるプレッシャーの軽減:弁護士が同席することで、警察との協議がスムーズに進み、真剣な被害として取り扱われやすくなります。
大阪府警察本部へのアプローチにおいても、弁護士名義で作成された正式な告訴状を持って相談に行くことで、警察側の受け止め方は大きく変わります。
5. 刑事告訴と民事賠償請求(損害賠償・慰謝料)の並行対応
インターネット上の誹謗中傷対策において、警察による刑事手続き(加害者の処罰)と、民事上の損害賠償請求(金銭的な補償・削除請求)は、車の両輪と言えます。
刑事と民事の連携メリット
- 加害者の特定(発信者情報開示請求):刑事事件として警察が動く場合、捜査権限を用いてプロバイダやSNS事業者から契約者情報(氏名・住所・電話番号)を特定できることがあります。また、民事の手続きで開示された情報を元に、刑事告訴を行うことも有効です。
- 示談交渉への移行:警察が介入し、加害者が逮捕・書類送検される可能性が出てくると、加害者側から「示談にしてほしい」という申し出がなされるケースが多くなります。示談金(慰謝料)の回収や、今後の投稿禁止・謝罪を約束させる大きな契機となります。
- 再発防止の抑止力:刑事責任を追及することで、悪質な誹謗中傷者に対して「ネットでの中傷は重い犯罪である」という強い教訓を与えることができます。
警察への相談から民事賠償、コンテンツの削除までを一気通貫で進めるためには、ネット風評被害に精通した弁護士のサポートが不可欠です。
6. 夕陽ヶ丘法律事務所のサポート体制とご相談の流れ
大阪府警察本部(サイバー犯罪対策課)への対応や、悪質なネット誹謗中傷にお悩みの方は、一人で抱え込まずに当事務所へご相談ください。
当事務所では、ご依頼者様の心身の負担を和らげ、一刻も早い平穏な日常の回復を目指して、以下のステップでサポートを提供しています。
- 初回相談・ヒアリング:被害状況を詳細にお伺いし、現在残っている証拠の価値や、とるべき法的手段(削除請求・開示請求・刑事告訴・損害賠償)を診断します。
- 証拠保全・法的アプローチの選定:投稿が削除されるリスクを防ぐため、迅速に証拠を保全し、加害者の特定に向けた手続きに着手します。
- 警察(大阪府警等)への告訴状提出・同行:警察への相談から告訴状の受理に至るまで、弁護士が全面的にバックアップ・同行し、確実な捜査開始を促します。
- 損害賠償請求・示談交渉:加害者が特定された後、受けた精神的苦痛や経済的損害に対する慰謝料請求、再発防止の示談交渉を行います。
インターネット上の誹謗中傷は、放置すればするほど被害が拡大する傾向にあります。大阪府警察本部への相談を検討されている方、あるいはどこに相談すべきか迷われている方は、ぜひ一度、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士にご相談ください。皆様の権利と名誉を守るため、全力でサポートいたします。