【弁護士による法的サポート】法的な効力を持つ実効性の高い書面を作成し、相手方と安全かつ確実に示談交渉を進めるためには、ネット誹謗中傷や開示請求に精通した弁護士を代理人として立てることを強く推奨します。弁護士が介入することで、将来の同種行為に対する心理的プレッシャーを高め、損害賠償請求を含めた適切な解決を図ることができます。
GoogleマップやGoogleビジネスプロフィールの口コミに、事実無根の悪意ある書き込みをされた場合、多大な風評被害が生じます。発信者情報開示請求などの法的手続きを経て、ようやく投稿者の身元を特定できたとしても、それで終わりではありません。
最も重要なのは、「今後二度と同じような誹謗中傷を行わせない」という約束を法的に有効な形ですり合わせ、書面として残すことです。
この記事では、特定したGoogle口コミの投稿者と「誓約書(示談書)」を交わし、実効性のある再発防止策を講じるための具体的なステップと法的ポイントについて詳しく解説します。
なぜGoogle口コミ投稿者に「誓約書」を交わすべきなのか
裁判を起こして損害賠償請求を行うことも一つの解決策ですが、時間や費用、精神的な負担を考慮すると、相手と示談交渉を行い、誓約書を交わして解決するケースが実務上は多く見られます。
口頭での謝罪や「もうしません」という言葉だけでは、相手が再び別のアカウントを作成して嫌がらせを再開するリスクが残ります。また、裁判上の判決と同等、あるいはそれ以上に心理的なプレッシャーを相手に与えるためにも、法的な効力を持つ書面で誓約させることが不可欠です。
誓約書を適切に交わすことで、以下のメリットが得られます。
- 将来の同種行為に対する強力な抑止力になる
- 万が一、再度書き込みがあった場合に違約金を請求できる根拠になる
- これ以上の法的紛争を拡大させずに早期かつ穏便に解決できる
誓約書(示談書)に必ず盛り込むべき重要条項
投稿者と取り交わす誓約書は、ただ「もうしません」と書くだけでは不十分です。将来的なトラブルを防ぎ、実効性を高めるためには、以下の重要な条項を網羅する必要があります。
1. 対象となる店舗やアカウントの特定
どの店舗に対する、どのような行為(いつ投稿されたどの口コミか)を対象としているのかを明確に特定します。曖昧な書き方をしていると、「自分のことだとは思わなかった」「別の店舗についてのつもりだった」といった言い逃れを許してしまう原因になります。
2. 謝罪と違反行為の認容
投稿された内容が事実無根であり、店舗側の名誉を傷つけた(あるいは業務を妨害した)違法な行為であったことを、投稿者本人に自認させます。これにより、後から「言いがかりをつけられた」と主張されるリスクを防ぎます。
3. 再発防止条項(将来の投稿禁止)
今後、対象店舗やその関係者に対して、Google口コミへの投稿だけでなく、SNS、インターネット掲示板、直接の連絡など、いかなる方法においても、誹謗中傷、嫌がらせ、虚偽の情報の拡散を行わないことを誓約させます。
4. 削除義務の履行
もし現在も該当の口コミが残ったままになっている場合は、誓約書の締結と同時、あるいは指定した期日(例:本契約締結後24時間以内など)速やかに当該口コミを自らの手で削除することを義務付けます。
5. 違約金(罰則金)特約の設定
誓約書の実効性を担保する上で最も重要なのが違約金特約です。単に「二度と書き込みません」と約束させるだけでは、破った場合のペナルティがなければ抑止力が弱まります。
「本誓約書の条項に違反して再度口コミの投稿や同様の行為を行った場合、違約金として金〇〇万円を直ちに支払うものとする」といった文言を盛り込みます。この金額設定は、法的に過大すぎない範囲(事案によりますが数十万円から100万円程度が目安とされることが多いです)で設定することが重要です。
6. 秘密保持条項(口外禁止)
今回のトラブルや示談の内容、お互いの個人情報、解決金の金額などについて、SNSや知人友人など第三者に一切口外しないことを取り決めます。これを破った場合にも違約金の対象とすることがあります。
誓約書を締結する際の実務上の注意点
誓約書を作成・締結するにあたっては、法的な有効性を高めるため、以下の点に注意する必要があります。
- 書面の形式:口頭やメールでの合意ではなく、必ず書面(紙の契約書)または電子契約として残し、署名(または記名押印)を交わします。
- 身元確認の徹底:本当にその人物が特定された本人であるかを確認するため、運転免許証などの身分証明書のコピーを徴求した上で、誓約書の住所・氏名と一致していることを確認します。
- 未成年の場合の対応:特定した投稿者が未成年だった場合、親権者(法定代理人)の同意や連署が必要となります。未成年者単独で交わした誓約書は後から取り消されるリスクがあるため注意が必要です。
個人間交渉の危険性と弁護士に依頼するメリット
「相手を特定できたから、自分たちで連絡して誓約書にサインさせよう」と考える経営者様もいらっしゃいますが、当事者同士での直接交渉は非常に大きなリスクを伴います。
感情的な対立から相手が逆上し、さらに悪質な嫌がらせに発展したり、逆に脅迫罪に問われかねない発言をしてしまったりするトラブルが後を絶ちません。また、素人が作成した誓約書では法的な不備が多く、いざというときに違約金が請求できないといった事態にもなりかねません。
法律の専門家である弁護士を代理人に立てて交渉・書面作成を行うことで、以下の大きなメリットがあります。
- 投稿者と直接連絡を取る必要がなくなり、精神的負担が大幅に軽減される
- 法的に隙のない、実効性の高い誓約書(示談書)を迅速に作成できる
- 弁護士名で通知書等を発送することで、相手に強いプレッシャーを与え、円滑な合意を引き出しやすい
夕陽ヶ丘法律事務所では、Google口コミの特定から、示談交渉、実効性のある誓約書の締結まで、ワンストップでサポートを行っております。悪質な風評被害にお悩みの事業者様は、どうぞお気軽にご相談ください。