【弁護士による法的請求のメリット】名誉毀損や侮辱、業務妨害といった加害者の不法行為責任を追及し、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求や法的措置を適切に行うことで、泣き寝入りせずに損害賠償を回収することが可能です。活動を妨害されたクリエイターや運営会社が正当な権利を守り、再発防止の確約を得るためにも、弁護士を通じた早急な示談交渉や法的対応が極めて有効となります。
近年、YouTubeやライブ配信プラットフォームで絶大な人気を誇るVTuber(バーチャルユーチューバー)や各種配信者に対する、悪質な誹謗中傷、プライバシーの暴露、業務妨害が深刻な社会問題となっています。
画面の向こう側にいるのは生身の人間である「中の人」であり、度を超えた攻撃は、その心身や配信活動を再起不能に追い込みかねません。
当事務所には、被害に遭われたクリエイターや運営会社からの相談が後を絶ちません。
法的な手続きを経て加害者を特定した後、最終的な解決手段として締結されるのが和解(示談)契約です。
本記事では、VTuberや配信者への誹謗中傷事件において、特定後に交わされる高額な和解・示談契約の実態や、示談金の相場について詳しく解説します。
1. VTuber・配信者への誹謗中傷で問題となる法的な責任
VTuberや配信者に対するネット上の攻撃は、単なる「悪口」では済まされない、明確な不法行為(場合によっては刑事罰の対象)となります。
具体的には、以下のような権利侵害や罪に該当します。
- 名誉毀損罪・侮辱罪(刑法): 配信者の社会的評価を低下させる虚偽の事実を言いふらしたり、公然と侮辱したりする行為。
- 業務妨害罪(刑法): 悪質なデマや脅迫によって、通常の配信活動や企業案件の遂行を困難にする行為。
- プライバシー侵害・肖像権侵害: いわゆる「中の人」の顔写真、本名、住所、家族構成などの個人情報を無断で特定し、ネット上に晒す行為。
- 著作権侵害: 配信の切り抜き動画の悪質な改変や、配信者のキャラクターを冒涜するコラージュ画像の作成など。
これらの違法行為に対して、被害者側は弁護士を通じて「発信者情報開示請求」を行い、プロバイダ等から加害者のIPアドレスや住所・氏名などの情報を引き出し、法的責任を追及していきます。
2. なぜ高額な和解金になるのか?示談金相場の実態
加害者の「中の人」が特定されると、多くのケースで刑事告訴や民事裁判を回避するため、加害者側から「示談にしてほしい」との申し出がなされます。
このときに締結される和解契約において、支払われる示談金の相場は一般的なネット誹謗中傷事件と比較して高額化する傾向にあります。
一般的な誹謗中傷の慰謝料相場が数十万円程度にとどまるのに対し、VTuberや配信者への案件では100万円を超える事例が珍しくありません。
その主な理由は以下の通りです。
- 営業損害・逸失利益の発生: 誹謗中傷や活動妨害によって配信活動が休止に追い込まれた場合、本来得られるはずだった広告収入や投げ銭、企業案件の報酬等の損害賠償が請求の対象となるためです。
- 組織的な業務妨害への発展: 個人の嫌がらせにとどまらず、アンチスレッドやコミュニティを扇動して組織的に配信者を追い詰めていた場合、悪質性が極めて高いと判断されます。
- 開示請求に要した莫大な費用の請求: 裁判所の仮処分や訴訟を経て加害者を特定するには、弁護士費用や予納金など多額のコストがかかります。これらを加害者に全額、あるいはその大部分を負担させることが和解の条件に含まれるためです。
実際に当事務所が関与した案件でも、悪質なデマの拡散と執拗なストーカー的行為によって配信活動の継続を断念させられた事案において、総額150万円以上の和解金を一括で支払わせる形で示談が成立した実績があります。
3. 高額和解契約に盛り込むべき重要条項
ただ単に高額な示談金を受け取るだけでは、被害の再発を防ぐことはできません。
VTuberや配信者が安心して活動を再開するためには、和解契約書(示談書)の中に、法的拘束力を持つ厳格な条項を盛り込む必要があります。
実務上、不可欠とされる主な条項は以下の通りです。
- 損害賠償金(慰謝料・費用等)の総額と支払期日: 分割払いを認めるか否か、遅延損害金の規定を含めて明確に定めます。
- 謝罪文の提出: 被害者側が指定する文面による謝罪文(直筆または電子データ)の提出を義務付けます。
- 発言および接触の全面禁止(接近禁止令): 今後一切、当該配信者(中の人を含む)の配信の視聴、コメント、SNSでの言及、周囲への接触を禁止します。
- 秘密保持条項(守秘義務): 示談金の金額や事件の内容、相手の身元などを第三者に一切口外しないことを誓約させます。
- 違約金の定め(ペナルティ): 「今後接触しない」「秘密を漏らさない」という約束に違反した場合、違反1回につき数十万円から数百万円の違約金を即座に支払う旨の条項を設けます。
特に「違約金の定め」は、加害者に対する強力な心理的プレッシャーとなり、その後のストーカー行為や蒸し返しを防ぐ上で極めて有効に機能します。
4. 加害者が「支払えない」と言ってきた場合の対応
特定された加害者が学生や無職、あるいは定職についていない一般人の場合、「高額な示談金を支払う資力がない」と主張してくるケースが少なくありません。
しかし、資力がないからといって泣き寝入りする必要はありません。
法律の専門家である弁護士が介入することで、以下のような現実的な回収スキームを構築します。
- 親族からの援助による一括支払い: 学生や若年層の加害者の場合、親権者や家族が事態の重大性を理解し、肩代わりして一括で支払うケースが多く見られます。
- 分割払いの合意と公正証書の作成: 経済的な事情で一括が困難な場合、無理のない範囲での分割払いを認めつつ、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成します。これにより、万が一途中で支払いが滞った際に、裁判を省略して給与や預貯金の差し押さえが可能になります。
- 刑事告訴の継続・厳罰化: 反省の色が見えず、資力もないと嘘をついて逃れようとする加害者に対しては、示談に応じず刑事事件としての厳罰(起訴・前科がつくこと)を優先させる選択肢も視野に入れます。
5. まとめ:泣き寝入りせず、早期に弁護士へご相談を
VTuberや配信者に対する誹謗中傷や活動妨害は、表現の自由の範囲を大きく逸脱した犯罪行為です。
「ネットの匿名だから分からないだろう」「どうせ大した金額にはならないだろう」と放置していると、加害者を野放しにするだけでなく、自身の精神的負担や経済的損失がさらに膨らんでしまいます。
「中の人」を特定し、適正かつ高額な和解金を獲得するためには、デジタルフォレンジックや発信者情報開示請求、そして巧妙な示談交渉に精通した弁護士のサポートが不可欠です。
夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット誹謗中傷・風評被害対策に特化したチームが、被害を受けたクリエイターの尊厳と活動環境を取り戻すために全力でサポートいたします。
誹謗中傷にお悩みのVTuber・配信者の方、またはその運営事務所の方は、どうぞお早めにご相談ください。