【弁護士による回収手順】まずはSNSの投稿画面やアカウント情報のスクリーンショット等の証拠を確実に保全し、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士を通じて内容証明郵便による違約金請求を行います。任意での支払いに応じない場合は、速やかに法的措置(民事訴訟等)へ移行し、損害賠償を含めた確実な回収を実現します。
ネット上の誹謗中傷や風評被害において、発信者を特定して示談が成立したとしても、それで全てのトラブルが解決するわけではありません。近年問題になっているのが、「示談が成立したにもかかわらず、加害者がその内容や経緯をSNSで勝手に暴露した」というケースです。
このような行為は、被害者のプライバシーを再び侵害するだけでなく、示談書に定めた守秘義務違反(秘密保持義務違反)に該当します。
今回は、加害者が示談内容をSNSで口外した場合の法的リスクや、あらかじめ定めておいた違約金を回収するための具体的な手順について、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
示談書における「口外禁止条項」と違約金の法的効力
ネット中傷の示談交渉を行う際、当事者間では「示談書(和解契約書)」を取り交わします。この示談書の中には、将来のトラブル再発防止やプライバシー保護を目的として、「口外禁止条項(守秘義務条項)」を盛り込むのが一般的です。
口外禁止条項とは何か
口外禁止条項とは、示談の存在、示談金の金額、謝罪文の内容、その他解決に至るまでの経緯や詳細について、当事者双方が第三者(SNS、インターネット掲示板、友人・知人などを含む)に対して一切口外してはならないとする取り決めです。違約金条項の重要性
単に「口外してはならない」と定めるだけでなく、「万が一、本条項に違反した場合は、違反者は被害者に対して違約金として金〇〇万円を支払うものとする」という違約金(ペナルティ)条項をあらかじめ設定しておくことが極めて重要です。日本の民法上、契約違反があった場合に損害賠償を請求するためには、「実際に発生した損害額」を被害者が立証しなければなりません。しかし、SNSで口外されたことによる精神的苦痛や社会的信用低下の損害額を金銭換算して立証することは容易ではありません。そこで、あらかじめ違約金の額を合意しておくことで、損害額の立証をしなくても、その金額をそのまま請求できるようになります。
加害者がSNSで口外した場合に起きる問題
加害者が示談後にSNSで「弁護士を通じて和解した」「本当は誹謗中傷なんてしていないのに脅された」などと投稿した場合、以下のような深刻な二次被害が発生します。
- 風評被害の再燃・拡大: 解決したはずのトラブルが再びネット上に拡散し、企業や個人の信用が再び傷つきます。
- プライバシーの侵害: 非公開を前提としていた示談条件が勝手に暴露され、プライベートな情報が晒されます。
- 精神的負担の増大: せっかく平穏な日常を取り戻した矢先の裏切り行為により、被害者は再び大きな精神的ストレスを受けます。
このような行為に対して毅然とした対応を取ることは、被害者の尊厳を守るだけでなく、さらなるルール違反を防ぐためにも不可欠です。
守秘義務違反による違約金を回収する具体的な手順
加害者がSNSで示談内容を口外した場合、弁護士を通じて速やかに違約金の請求手続きを進める必要があります。具体的なステップは以下の通りです。
ステップ1:違反の証拠を確実に保全する
加害者がSNSで行った投稿は、いつ削除されるか分かりません。投稿を発見した直後に、以下の証拠を確実に残してください。- 該当する投稿のスクリーンショット(全体像がわかるもの)
- URL(パーマリンク)の記録
- 加害者のアカウント名(ID)が確認できる画面
- 必要に応じて、タイムスタンプや魚拓サービス等の利用
証拠が不十分であると、相手が「そんな投稿はしていない」「別人のアカウントだ」などと虚偽の主張をする恐れがあるため、極めて重要なプロセスとなります。
ステップ2:弁護士名義による内容証明郵便の送付
証拠が揃ったら、代理人弁護士を通じて加害者の住所(または特定できている連絡先)宛てに、内容証明郵便を送付します。内容証明郵便には、主に以下の内容を記載します。
- 示談書における守秘義務(口外禁止条項)の該当箇所の指摘
- 加害者のSNS投稿が明確な違反行為にあたる旨の通知
- 示談書に基づいた違約金(例:100万円など)の請求
- 指定期日までの支払いがない場合の法的措置(強制執行を見据えた訴訟提起など)の予告
- 今後の一切のSNS発信の禁止および該当投稿の即時削除要求
弁護士名義で通知書を送付することで、加害者側に対して心理的なプレッシャーを与え、任意の支払いに応じる可能性を高めることができます。
ステップ3:示談交渉または法的措置(訴訟提起)
内容証明郵便の送付後、加害者側が弁護士を通じて連絡してくるケースが一般的です。違約金の減額を求めてきたり、分割払いを希望してきたりする場合もありますが、契約違反の重大性を踏まえ、正当な条件で合意または一括回収を目指します。もし加害者側が無視を続けたり、支払いを拒否したりした場合は、違約金請求訴訟(民事訴訟)を提起します。示談書という強力な書面と、SNSの投稿という動かぬ証拠があれば、裁判を優位に進めることが可能です。勝訴判決を得た後、加害者の預貯金や給与などの財産を差し押さえる強制執行(差押え)の法的手続きに移行し、強制的に違約金を回収することもできます。
示談書の作成段階から専門家へ依頼する重要性
そもそも、今回のような「守秘義務違反による違約金回収トラブル」を防ぐためには、最初の示談交渉の段階で実効性の高い示談書を作成することが何よりも大切です。
インターネット上のトラブルに慣れていない方がご自身で作成した示談書では、以下のような不備が生じがちです。
- 口外禁止の範囲が曖昧である
- 違反した場合のペナルティ(違約金条項)が記載されていない、または法的に無効と判断されやすい高額すぎる・低額すぎる金額設定になっている
- 違反時の連絡先やペナルティ発動の条件が明確になっていない
当・夕陽ヶ丘法律事務所では、数多くのネット誹謗中傷・風評被害案件を取り扱っており、将来的なトラブルを見据えた強固な示談書の作成から、示談後の違反に対する違約金回収に至るまで、一貫してサポートしております。
「示談したはずの相手がSNSで秘密をバラしている」「約束を破られたので違約金を請求したい」といったお悩みを抱えている方は、泣き寝入りせず、ぜひ当事務所の弁護士までご相談ください。貴殿の平穏な日常と権利を守るため、的確な法的サポートを提供いたします。