【任意の示談交渉における回収】裁判を起こさずに行う任意の示談交渉であれば、交渉力や相手との合意内容次第で弁護士費用を含めた総額を請求し回収することは十分に可能であるため、まずは誹謗中傷問題や発信者情報開示請求に精通した弁護士へ早期にご相談ください。
ネット掲示板やSNSへの悪質な書き込み、根拠のない風評被害に悩まされている方から、非常によくいただくご質問の一つが「弁護士費用は相手に請求できるのか」という点です。
「誹謗中傷された被害者なのに、なぜ大金を払って弁護士を雇わなければならないのか」と理不尽に感じられるのは当然のことです。
この記事では、弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所の現役弁護士が、ネット誹謗中傷における弁護士費用の相手方負担の仕組み、裁判と示談それぞれの実務、そして少しでも自己負担を軽減するためのポイントについて分かりやすく解説します。
1. ネット誹謗中傷で弁護士費用は相手に請求できるのか?
結論として、損害賠償請求の裁判においては、加害者に対して弁護士費用の一部を請求することが認められています。
ただし、「弁護士に支払った全額がそのまま相手から全額戻ってくる」というわけではありません。法律上の仕組みや実務運用には一定のルールがあります。
裁判(訴訟)における弁護士費用の考え方
裁判で不法行為による損害賠償を請求する場合、請求できる金額には「慰謝料」や「調査費用(発信者情報開示請求にかかった費用など)」が含まれます。これに加えて、裁判所は「被害者が加害者を特定し、損害賠償を求めるために弁護士を代理人として選任せざるを得なかったこと」自体も、不法行為によって生じた損害の一部とみなします。
そのため、裁判所が命じる判決の中では、認められた損害賠償額(慰謝料などの合計)のおおむね10%程度が「弁護士費用相当額」としてプラスアルファで加害者に支払うよう命じられます。
- 例:慰謝料や発信者情報開示請求の費用として合計100万円の賠償が認められた場合、それに付随して約10万円の弁護士費用相当額の支払いが加害者に命じられます。
任意の示談交渉における弁護士費用
裁判を起こす前の段階、つまり弁護士が代理人となって加害者と直接行う「任意の示談交渉」においては、法律上の固定された上限ルールはありません。そのため、交渉次第では、弁護士費用を含めた総額を相手に請求し、合意書に盛り込むことが可能です。
相手が早期解決を強く望んでいる場合や、裁判に発展した際のさらなる負担(裁判費用や追加の弁護士費用、社会的信用失墜など)を恐れている場合などは、こちらの提示した「弁護士費用を含む示談金」に素直に応じることが多々あります。
2. 裁判で相手に請求できる「弁護士費用」の範囲と実態
「弁護士費用を相手に払わせる」といっても、どのような費用が対象になるのか、実務的な内訳を知っておくことが大切です。
ネット誹謗中傷の解決までには、主に以下のステップと費用が発生します。
- 発信者情報開示請求(仮処分・訴訟):匿名アカウントの裏にいる人物を特定するための手続き
- 損害賠償請求(示談交渉・本訴):特定した加害者に対して慰謝料等を請求する手続き
このうち、法律上の損害と認められやすいのは、「事件との相当因果関係が認められる弁護士費用および実費」です。
実費(郵送料、印紙代、戸籍謄本取得費用など)は全額請求しやすい
裁判所に納める印紙代や予納郵券、プロバイダ等に対するIPアドレス・発信者情報開示請求の仮処分・訴訟で発生した実費などは、原則として全額を損害として加害者に請求することができます。これらは「被害回復のために不可欠な実費」であるためです。弁護士の「報酬」は一部補填されるにとどまることが多い
前述の通り、裁判における判決では、弁護士報酬の「全額」が認められるケースは極めて稀です。弁護士業界の一般的な感覚としても、裁判所が認めるのは「認容額(認められた損害額)の1割程度」が相場となっています。したがって、「弁護士に支払った総額を、裁判の勝訴によって100%回収できるわけではない」という点はあらかじめ理解しておく必要があります。
3. 弁護士費用を相手により多く負担させるための実務的アプローチ
「少しでも自分の財布からの持ち出しを減らしたい」「相手にしっかり全額近い責任を取らせたい」と思われるのは当然の心理です。
夕陽ヶ丘法律事務所では、ご依頼者様の負担を最小限に抑えるため、以下のような実務的な戦略を持って事件処理に当たっています。
アプローチ1:示談交渉の段階で弁護士費用込みの合意を目指す
裁判官が関与する判決では「1割程度」に制限されがちな弁護士費用ですが、当事者間の合意による「示談」であれば、合意内容に制限はありません。当事務所の弁護士が相手方と交渉する際、「このまま裁判に移行した場合、追加で発生する弁護士費用や裁判費用、遅延損害金も含めて請求することになるため、早期に和解した方が総支払額を抑えられますよ」という法的・現実的な説得を行います。
これにより、実質的にかかった弁護士費用の大半を加害者の支払う示談金に含めることに成功するケースが数多くあります。
アプローチ2:発信者情報開示請求の段階から専門家を頼る
誹謗中傷対策において、最も高度な専門知識が求められるのが「発信者情報開示請求」です。近年では「プロバイダ責任制限法」の改正により、非訟手続(新しい裁判手続き)が導入されるなど、法改正のスピードが早い分野です。個人で手探りで進めようとすると、手続きの不備によって相手を特定できず、時間と費用だけが無駄になってしまうリスクがあります。
最初からネット誹謗中傷に強い弁護士に依頼することで、無駄なステップを省き、的確に証拠を保全しながらスピーディーに加害者を追い詰めることができます。結果として、総合的なコストパフォーマンスを最大化することにつながります。
4. ネット誹謗中傷の被害は、一人で悩まず夕陽ヶ丘法律事務所へご相談ください
ネット上の悪意ある書き込み、誹謗中傷、いわれのない風評被害は、放置していても自然に消えることはありません。それどころか、放置期間が長引くほど情報が拡散し、被害が拡大してしまいます。
「弁護士に依頼したいけれど、費用面が不安」 「相手にどこまで請求できるのか、自分のケースではどうなるか知りたい」
そのような疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、夕陽ヶ丘法律事務所の初回法律相談をご利用ください。
ご相談者様の状況を詳細にヒアリングし、書き込みの削除可能性、犯人特定の難易度、そして予想される弁護士費用と回収の見込みについて、具体的かつ誠実にご説明いたします。あなた名誉と平穏な日常を取り戻すため、私たちが全力でサポートいたします。