独身と偽るために使われる「サブスマホ」の手口
マッチングアプリやナンパ、職場や趣味のコミュニティなどで出会った男性が、実は既婚者であるにもかかわらず「独身」と身分を偽って交際を申し込んでくるケースが後を絶ちません。
このような悪質な独身偽装を行う人物の多くは、連絡ツールとして「仕事用のサブスマホ」を指定してきます。
- 自宅に配偶者や子供がいるため、メインの連絡先を知られたくない
- 本名ではなく、偽名やニックネームで登録させている
- 深夜や休日の連絡には極端に応じない、または電話ではなくメッセージアプリのみを使う
- 実家や自宅、職場を絶対に教えない
こうした手口で巧妙に身元を隠され、ある日突然連絡が取れなくなったり、既婚者であることが発覚したりした被害者の方から、多くのご相談が寄せられています。
サブスマホの番号から身元を特定する法的アプローチ
「相手の本名も住所も分からないから、慰謝料請求は諦めるしかない」と考えてしまう方は少なくありません。しかし、手元に「サブスマホの電話番号」や「メッセージアプリのアカウント履歴」などのデジタルな手がかりが残っていれば、法的な調査によって身元を特定できる可能性があります。
1. 弁護士会照会(23条照会)の活用
弁護士法第23条の2に基づき、弁護士会を通じて携帯電話会社や通信事業者に対して契約者情報の開示を求める方法です。
- 電話番号の契約者氏名
- 契約住所や登録連絡先
これらはプライバシーに関わる情報であるため、個人の調査で携帯会社から開示してもらうことは原則として不可能です。しかし、弁護士が受任した上で正式な照会手続きを行うことにより、通信キャリアが保有する契約者情報にアクセスできる道が開けます。
2. デジタルフォレンジックとSNS・決済履歴の突合
LINEなどのメッセージアプリ、SNSの足跡、過去にやり取りした写真のExif情報(撮影日時や位置情報)、さらにはデート時のクレジットカードの控えやレシートなど、相手が残していった小さな痕跡を専門的な視点で分析します。
貞操権侵害における慰謝料請求の法的根拠
独身と偽って性交渉を伴う交際関係を結ぶ行為は、民法709条の不法行為に該当し、相手の貞操権(性的な自己決定権)を侵害するものとして慰謝料請求の対象となります。
- 既婚者であることを隠されて交際させられた精神的苦痛
- 本来であれば選択しなかった時間や人生を費やされた損害
- 妊娠や性感染症のリスクを一方的に負わされたことに対する補償
これらを法的に立証するためには、相手が「独身であると積極的に偽っていたこと(または既婚者であることを隠していたこと)」の客観的な証拠が重要になります。サブスマホでのやり取りであっても、スクリーンショットやメッセージの履歴は強力な証拠となりますので、削除せずに保存しておくことが不可欠です。
サブスマホでの独身偽装トラブルを解決へ導くために
「相手が名乗っていた名前も住所もすべて嘘だった」 「仕事用だと言われていたスマホの番号しか分からない」
このような絶望的な状況であっても、諦める必要はありません。サブスマホの番号や残されたデジタルデータを手がかりに、法的な手続きを踏むことで相手の身元を特定し、不法行為に対する責任を追及することは十分に可能です。
架空のプロフィールやサブスマホを用いた悪質な独身偽装にお悩みの場合は、泣き寝入りせず、専門的な知見を持つ弁護士への相談をご検討ください。客観的な証拠の精査と適切な法的アプローチによって、あなたの受けた精神的・時間的損害に対する正当な救済を求めるための第一歩を踏み出すことができます。