独身を偽る「独身偽装交際」の末に、さらに心身を蝕む性感染症(STD)までうつされてしまった――。このような悪質なケースにおいて、被害を受けた方が泣き寝入りする必要は一切ありません。
1. 独身偽装と性感染症(STD)感染が引き起こす法的問題
独身と偽って性的関係を持つ行為は、相手の結婚・妊娠・性交渉に関する自己決定権(貞操権)を違法に侵害するものとして、最高裁判所の判例実務上も不法行為(民法709条)を構成します。
さらに、そこに性感染症(STD)の感染という身体的被害が加わった場合、事態の悪質性は飛躍的に高まります。感染のリスクを認識しながら、あるいは不注意によってそれを隠して性交渉に及んだ加害者に対しては、単なる精神的苦痛に対する慰謝料だけでなく、実害に即した損害賠償請求が認められます。
2. 250万円回収を実現した具体的な請求項目
本事例において、法的アプローチを構築し、相手方から一括受領することに成功した内訳の主な柱は以下の通りです。
- 医療費(実費):泌尿器科や婦人科等における検査費用、および完治までの処方薬代などの全額
- 休業損害:発症および治療の副作用等により仕事を休まざるを得なかった期間の減給分・給与損害
- 貞操権侵害および身体的苦痛に対する慰謝料:独身偽装という悪質な欺瞞行為と、肉体的・精神的苦痛に対する総合的な慰謝料
これらを合算し、最終的に総額250万円を一括で支払う内容の示談書を締結することに成功しました。
3. 証拠の収集が解決の成否を分ける
このような事案で適正な賠償金や慰謝料を獲得するためには、感情的な主張ではなく、客観的な「証拠」の積み重ねが不可欠です。
特に性感染症に関する被害では、以下の証拠を早期に確保することが極めて重要となります。
- 医療機関で発行された診断書および検査結果(病名、感染時期の医学的推定等)
- 治療費の領収書および明細書
- 休業損害を証明するための給与明細やタイムカード、医師による「要安静・就業制限」の指示書
- 相手が独身と偽っていたことを示すLINEやメールの履歴、マッチングアプリのプロフィール画面等
「恥ずかしい」「誰にも知られたくない」という思いから受診や証拠保全をためらってしまう方も少なくありませんが、法的手段によって正当な権利を守るためには、初動の証拠確保が最大の武器となります。
4. まとめ:泣き寝入りせず適切な法的アプローチを
独身偽装と性感染症の感染という二重の加害行為は、被害者の尊厳を踏みにじる許しがたい行為です。感情的になりがちなトラブルですが、客観的な医療証拠と法的根拠にもとづいて冷静に請求を行うことで、医療費や休業損害、そして高額な慰謝料の回収は十分に可能です。一人で抱え込まず、専門的な知見を活用して正当な補償を求めていきましょう。