Q:相手の車の「ナンバープレート」から住所・本名を特定できますか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 相手の車の「ナンバープレート」から住所・本名を特定できますか?
A 結論から申し上げますと、陸運局での登録事項証明書の請求手続き(ナンバー照会)を行うことにより、車の所有者の本名や自宅住所を特定することが可能です。ただし、法律上の正当な理由や要件を満たす必要があります。

独身と偽って交際していた相手(既婚者)にだまされていたことが発覚し、慰謝料請求や話し合いを行おうとしたものの、相手が偽名を使っていたり、職場や自宅を教えてくれなかったりするケースは少なくありません。

1. 陸運局(運輸支局)での「登録事項証明書」の取得とは

自動車のナンバープレートの情報(登録番号と分類番号、車種など)が分かっている場合、管轄する運輸支局(陸運局)において「登録事項証明書(現在登録証明書など)」を交付申請することができます。

これにより、車検証に登録されている以下の情報を確認することが可能です。

  • 車の所有者の氏名(または法人名)
  • 車の所有者の住所

注意点:使用者が別の場合もある

登録事項証明書で分かるのは、原則として「車の所有者」の情報です。相手が配偶者の名義の車や、会社の社用車、あるいはレンタカーやリース車に乗っている場合、実際に運転していた相手の本名や住所と一致しないことがあります。この点は調査時に十分に注意が必要です。

2. ナンバー照会を行うための法的要件と手順

誰でも他人の車の情報を自由に取得できるわけではありません。個人情報の保護および悪用防止の観点から、陸運局での照会には正当な理由と必要書類が求められます。

民事上の権利行使(貞操権侵害に基づく損害賠償請求、不貞行為に対する慰謝料請求など)を行うための準備として、弁護士などの専門家に依頼するか、ご自身で正当な理由を証明して申請を行うことになります。

一般的な必要書類の例

  • 自動車登録番号(ナンバー)と車台番号の下4桁など(※車台番号も必要な場合があります)
  • 申請者の本人確認書類(運転免許証など)
  • 手数料(印紙代)
  • 調査の必要性を証明する資料(弁護士会照会や、裁判・交渉の必要性を示す資料など)

ご自身単独での個人による請求は、正当な理由の証明のハードルが高くなるケースがあるため、実務上は弁護士を通じた「弁護士会照会」や、法的手続きの一環として行うことがスムーズです。

3. 独身偽装・貞操権侵害のトラブルにおける調査の重要性

独身と偽って交際・性交渉を行った相手に対して、民法第709条に基づく不法行為(貞操権侵害)の損害賠償請求を行うためには、相手の「正確な本名」「送達可能な自宅住所(または勤務先)」を特定し、内容証明郵便の送付や訴訟提起を行う必要があります。

架空の名前や偽の連絡先しか知らされていなかった場合、相手を特定しなければ法的な責任を追及することができません。

自力調査のリスクと専門家への相談

相手の車を無理に尾行したり待ち伏せしたりする行為は、ストーカー規制法や迷惑防止条例違反に問われるリスクがあります。また、プライバシーの侵害として逆にトラブルに発展する危険性もあります。

車のナンバーというわずかな手がかりから安全かつ確実に法的手続きを進めるためにも、個人での過度な調査は避け、法律の専門家である弁護士へ速やかにご相談いただくことが最善の解決策となります。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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