【ジョブ型雇用】ジョブ型雇用と戦略の一貫性
2023/11/16 更新
組織のアライメント
経営戦略と、採用、社員教育、人事評価(報酬への反映)に一貫性があることが必要です。
メンバーシップ型雇用(日本型企業)
1 本質
(1)会社は、新卒社員を採用し、いろいろな職種を経験させて育てます。
(2)会社は強い支配権をもって、社員の職種の変更を命じます。
2 社員教育の方針
メンバーシップ型雇用(日本企業)では、社員は人事部の指示で人事異動を経ながら、共通の尺度(エリートコース)で、人事部が次期経営者、次期管理職候補のリストを管理していました。
3 新入社員に必要とされる能力と採用権限
(1)人を育てていくのは会社の役割です。人柄や自頭(学歴)が採用の基準になります。
採用の適否を判断するのに、法務、営業、製造等の専門知識は不要です。
(2)採用は、人事部が一括して行うのが効率的です。
4 報酬と評価
(1)社員をじっくり育てていくためには、社員に長く在籍してもらう必要があります。
(2)報酬は継続的にアップする年功序列式が原則となります。
(3)人事異動を経ながら、共通の尺度(エリートコース)で判断することになります。
評価基準は、人事部が作って運用するのが効率的です。
5 教育
(1)現場で必要な能力も教育する必要があります。職種における専門的な内容については、現場(のマネジャー)に社員教育の企画を委ねる方が効率的です。
(2)管理職や、経営者の育成など、職種に関係ない一般的な分野の教育も必要です。これらは、人事部等で一括して企画した方が効率的でしょう。
ジョブ型雇用
1 本質
ジョブ型雇用は、企業の戦略に応じた人材を確保するために、社内だけでなく、社外からもメンバーを選ぶことができるようにする仕組みです。
2 社員教育の方針
即戦力となる社員のスキルと経歴をテストした上で採用します。会社として、社員教育は必須ではありません。
3 新入社員に必要とされる能力と、採用権限
(1)現場の業務を遂行するスキルと経験を有していることが採用の基準になります。
採用の適否を判断するのに、その分野での専門知識が必須になります。
(2)どのようなプロジェクトを遂行するのに、どのような人物が必要なのかは、現場のマネジャーにしか分かりません。
4 報酬と評価
(1) 即戦力型ですので、能力と待遇が合致しない者には離職を促す必要があります。
(2) 能力と待遇の一致を厳しくチェックし、不適合者は大幅に給与を減額し退社を促すことになります。
採用で負けないためにも賃金は最初にどんと出します。その後は徐々にしかアップできません。流出しては困る優秀な人材には、市場価値よりも高い給与を支払う必要があります。
(3)評価基準や評価は現場(のマネージャー)に委ねるしかありません。
5 社員教育
(1)現場で必要な能力を中心に教育することになります。スペシャリストに対する高度な内容になるので、現場に社員教育の主導権を委ねた方が効率的です。
(2)管理職や、経営者の育成など、職種に関係ない一般的な分野の教育も必要です。これらは、人事部等で一括して企画した方が効率的でしょう。
参考
曽和利光「人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則」23頁以下、108頁