ネットの悪評削除で「仮処分」を起こす際、自分が裁判所に行く必要はありますか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q ネットの悪評削除で仮処分を申し立てる場合、被害者が平日に裁判所へ出頭したり尋問を受けたりする必要はありますか?
A 【結論と裁判所への出頭について】依頼者ご自身が裁判所に行く必要は原則としてありません。ネット上の誹謗中傷や悪評を削除するための仮処分手続きは、専門的な法律知識や証拠の精査が不可欠であるため、代理人である弁護士がすべての裁判手続き(審尋期日や裁判官とのやり取り)を完全に代行します。そのため、普段通りにお仕事を続けながら安心して手続きを進めることができます。
【弁護士に依頼するメリットと迅速な解決について】通常の民事裁判とは異なり、仮処分は数週間から1ヶ月程度というスピーディーな解決が期待できる緊急の法的手段です。「裁判所に行く時間がない」「精神的な負担を減らしたい」とお悩みの方は、プロバイダ責任制限法や名誉毀損・風評被害対策に精通した弁護士へ早期に相談し、代理人として迅速に悪評削除を遂行してもらうことを強くおすすめします。

ネットの悪評削除で利用される「仮処分」とは?

インターネット上に書き込まれた誹謗中傷や事実無根の悪評、企業のブランド価値を著しく傷つける風評被害などは、放置しておくと取り返しのつかない損害につながるおそれがあります。通常の民事裁判を起こして判決を待つとなると、数ヶ月から場合によっては1年以上もの時間がかかってしまいます。その間に悪評が拡散され、被害が拡大してしまうという大きなデメリットがあります。

そこで活用されるのが、「仮処分(正式名称:民事保全法に基づく処分)」という法的手段です。仮処分は、裁判よりもスピーディーに削除命令や発信者情報の開示を求めることができる緊急の手続きです。早ければ数週間から1ヶ月程度で結果が出ることも多く、ネット上のトラブル解決において極めて有効な手段として広く利用されています。

しかし、この「仮処分」という言葉や、それに伴う「裁判所」という響きを聞くだけで、「自分も裁判所に出頭しなければならないのではないか」「平日に仕事を休む必要があるのではないか」と不安を感じ、法的措置をためらってしまう方が少なくありません。

仮処の手続きで「裁判所に行く必要がない」理由

冒頭の回答でもお伝えした通り、ご自身が裁判所に出向く必要は原則としてありません。その理由と、実際の裁判所での手続きの仕組みについて詳しく見ていきましょう。

  • 弁護士が代理人としてすべての法的手続きを行うため
  • 裁判所で行われる「審尋(しんじん)」には弁護士のみが出頭するため
  • 主張書面や証拠の提出はすべて代理人弁護士を通じて行われるため

仮処分の申し立てを行う場合、被害を受けた本人(債権者)の代理人として、弁護士が表に立ちます。裁判所では、通常の裁判のような口頭弁論ではなく、「審尋」と呼ばれる非公開の期日が設けられることが一般的です。この審尋には、裁判官と弁護士が出頭して法的な議論や質疑応答を行います。そのため、被害者ご自身が裁判所の法廷に出向いて裁判官から直接質問を受けたり、相手方と顔を合わせたりするといった負担は一切ありません。

弁護士に依頼するメリットと手続きの流れ

ネット上の悪評削除を円滑に進め、ご自身の負担を最小限にするためには、誹謗中傷対策に精通した弁護士への依頼が不可欠です。ここでは、弁護士に依頼した場合の大まかな流れと、依頼するメリットを解説します。

  1. 無料相談・証拠の保全

    まずは問題の書き込みが特定できる画面のスクリーンショットなどの証拠を準備し、弁護士に相談します。URLや投稿日時、アカウント名などが重要な証拠となります。

  2. 法的分析と権利侵害の立証

    その書き込みが名誉毀損やプライバシー侵害、業務妨害などに該当するかどうかを法律の観点から精査します。仮処分を認めてもらうためには、権利が侵害されていることの「疎明(そめい:簡易的な証明)」が必要となります。

  3. 仮処分の申し立て

    弁護士が申立書や証拠書類を作成し、管轄の裁判所へ仮処分の申し立てを行います。この一連の書面作成や裁判所との折衝はすべて弁護士が代行します。

  4. 裁判所での審尋(弁護士が対応)

    裁判所において、必要に応じて審尋期日が開かれます。前述の通り、ここには弁護士が出頭するため、依頼者が裁判所に出向く必要はありません。

  5. 担保金の納付と仮処分命令の発令

    裁判所が削除を認めた場合、万が一相手方に損害を与えた場合の保証として「担保金」を法務局に納付する必要があります(※この手続きも弁護士がサポートします)。その後、裁判所からサイトの管理者やプロバイダに対して削除仮処分命令が発令されます。

  6. 削除の完了

    サイト側が命令に従い、悪質な書き込みが削除されます。

よくある不安:相手方と顔を合わせることはある?

ネットの削除仮処分を検討される方からよくいただくご質問の一つに、「相手(加害者の投稿者や運営会社)と裁判所で顔を合わせたり、直接話したりする機会があるのではないか」という懸念があります。

結論から申し上げますと、相手方と直接顔を合わせることはありません。仮処分の手続きは、被害者側とサイトの管理者(またはプロバイダ)の間で行われることが多く、書き込みをした発信者本人が直接の当事者として裁判手続きに参加しないケースも多々あります。仮に参加する場合であっても、すべてのやり取りは代理人である弁護士を通じて行われるため、加害者や相手方と直接対面したり、連絡を取ったりするリスクは完全に排除されます。

精神的なストレスを極力抱えることなく、平穏な日常やビジネス環境を取り戻すことができる点も、弁護士に代理人を依頼する大きなメリットと言えます。

夕陽ヶ丘法律事務所のネット誹謗中傷・風評被害対策

ネット上の悪評や誹謗中傷は、時間が経てば経ほどデジタルタトゥーとして定着し、被害が拡大してしまいます。「これって削除できるのかな」「裁判所の手続きが難しそうで一歩が踏み出せない」と一人で悩んでおられる方は、ぜひ一度当事務所の無料相談をご利用ください。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、数多くのネット誹謗中傷・風評被害対策を手がけてきた経験豊富な弁護士が、依頼者様のプライバシーと精神的負担に徹底的に配慮しながらサポートいたします。裁判所への出頭や面倒な書類作成はすべて私どもにお任せいただき、一日でも早い平穏な日常を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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