【対策】放置せず早急に弁護士へ相談し、プラットフォームやプロバイダに対する証拠保全・発信者情報開示請求を行うことで、犯人の特定と法的責任の追及、さらなる情報流出の差し止めを実現できます。
鍵アカウント(裏垢)ならバレないという大きな誤解
企業の機密情報や未発表の新製品情報、顧客リスト、あるいは内部の不祥事などを、SNSのいわゆる「鍵アカウント(裏垢)」を使って投稿する従業員や元従業員が後を絶ちません。
「フォロワーを限定しているから」「鍵をかけているから外部には漏れないはずだ」「検索にも引っかからないから特定されない」と考えている投稿者が多く見受けられますが、これは法律上、全く通用しない大きな誤解です。
どれほど厳重に閲覧制限をかけていたとしても、一度インターネットのサーバー上にデータを送信し、他者が閲覧できる状態に置いた時点で、それは「公衆送信」に該当します。鍵アカウントでの漏洩であっても、企業に対する重大な損害を与えている事実に変わりはなく、法的責任を厳しく問うことができます。
鍵アカウントによる機密情報漏洩で問える法的責任
裏垢を用いて会社の秘密を外部に漏らす行為は、民事上および刑事上の様々な法律違反に該当します。具体的にどのような法的責任を追及できるのか、主要なものを確認しておきましょう。
- 不正競争防止法違反: 営業秘密(非公知性、有用性、秘密管理性が認められる情報)が漏洩した場合、企業は事業者に対して差止請求や損害賠償請求を行うことができます。
- 守秘義務違反(契約違反・労働契約法違反): 雇用契約や機密保持契約(NDA)に反する行為であり、懲戒解雇の正当な理由となります。また、会社に損害を与えた場合は損害賠償請求の対象になります。
- 不法行為(民法709条): 名誉毀損や信用毀損、営業妨害などに該当する場合、精神的苦痛や営業上の損害に対する賠償を求めることができます。
- 刑事責任(背任罪や不正競争防止法違反の刑事罰): 悪質な情報漏洩の場合、警察に被害届や告訴状を提出し、刑事事件として立件されるケースもあります。
鍵アカウントを特定し、責任を追及する具体的なステップ
「相手が誰だか分からない」「裏垢の名前やIDしか分からない」という状況であっても、法律の定める手続きを踏むことで、投稿者の身元を特定することが可能です。夕陽ヶ丘法律事務所が日々行っている具体的な解決手順を解説します。
ステップ1:証拠の保全(デジタルタトゥーの確保)
情報漏洩を発見した場合、最も最初に行うべきで、かつ最も重要なのが「証拠の保全」です。
アカウントの持ち主が発覚を恐れて、急にアカウントを削除したり、該当の投稿を消去したりするケースが非常に多いため、消される前に確実に証拠を残さなければなりません。
- 投稿画面のスクリーンショット(日時、アカウントID、フォロワー数などが確認できるもの)
- URLのコピー
- 可能であれば、画面全体の動画録画や、信頼性の高いタイムスタンプサービスの利用
この段階で焦って本人に直接連絡してしまうと、証拠を隠滅されてしまうリスクが高まるため、まずは冷静に証拠を集めることが鉄則です。
ステップ2:SNS運営業者に対する発信者情報開示請求
X(旧Twitter)やInstagram、ThreadsなどのSNSプラットフォームに対して、発信者情報(投稿者のIPアドレスやタイムスタンプなど)の開示を求めます。
「鍵アカウントだから開示されないのでは?」と心配される依頼者様もいらっしゃいますが、プラットフォーム側は裁判所の命令や適法な要請に基づき、規約違反や違法行為を行ったアカウントのログを開示します。非公開設定であっても、サーバー側には通信のログや登録情報がしっかりと残っているためです。
ステップ3:プロバイダ等に対する開示請求および特定
SNS側から開示されたIPアドレスをもとに、経由プロバイダ(ドコモ、ソフトバンク、au、光回線の各社など)を割り出します。
その後、プロバイダに対して「発信者情報開示請求訴訟」または「非訟手続」を行い、投稿者の氏名、住所、メールアドレスといった個人情報の開示を求めます。これにより、匿名だった裏垢の裏にいる人物の正体が完全に特定されます。
ステップ4:損害賠償請求・懲戒処分・刑事告訴の実施
身元が特定できたら、ここからが本格的な法的措置の実行段階となります。
- 損害賠償請求: 弁護士を通じて、漏洩によって発生した調査費用、ブランド価値の低下、再発防止策にかかった費用などの損害賠償を請求します。
- 懲戒処分: 相手が在職中の従業員である場合、就業規則に基づき、懲戒解雇を含む厳正な処分を行います。
- 刑事告訴: 悪質な犯行に対しては、警察への刑事告訴を行い、刑事責任の追及を進めます。
弁護士に相談・依頼するメリット
機密情報の漏洩は、企業の存続や信用に関わる一大事です。社内で独自に対処しようとすると、かえって証拠隠滅を許してしまったり、プライバシー権の侵害を指摘されるなどの二次トラブルに発展する恐れがあります。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット上の誹謗中傷や風評被害、企業情報の漏洩対策に特化した専門チームが迅速に対応いたします。
- 迅速な証拠保全のアドバイス: 投稿が消去されるリスクを最小限に抑えるため、最適な証拠の残し方を指示します。
- 裁判所を通じた確実な開示請求: 複雑なプラットフォーム側の規約や、プロバイダ責任制限法に則った法的手続きを代理人として遂行します。
- 示談交渉から法的請求までの一貫サポート: 相手との直接交渉を避け、精神的負担を軽減しながら、最大の賠償金獲得や再発防止確約を取り付けます。
鍵アカウントを用いた悪質な機密情報漏洩にお悩みの経営者様、ご担当者様は、泣き寝入りする前に、一刻も早く当事務所の弁護士までご相談ください。プライバシーを厳守し、御社のビジネスと信用を守るための最適な解決策をご提案いたします。