相手が「海外のWebサイト」に自分の写真を晒している場合、削除できますか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q 海外のサーバーやWebサイトに自分の写真を無断で晒された場合、日本の法律で削除したり犯人を特定したりすることはできないのでしょうか?
A 【結論と法的判断基準】海外のWebサイトであっても、著作権侵害やプライバシー権侵害、肖像権侵害に該当する場合、アメリカの著作権法に基づく「DMCA申請」や海外プロバイダへの英文による削除要請を行うことで写真を削除することは可能です。日本の警察や裁判所を通じた直接的な強制力は及びにくいものの、インターネット上の国際的なルールやプラットフォームの規約を活用することで、多くのサイトから非表示・削除に追い込むことができます。
【弁護士に依頼するメリット】個人で海外事業者と英語で交渉したり複雑なDMCAの申し立てを行ったりすることは極めて困難ですが、国際法務やネット誹謗中傷に精通した弁護士に依頼すれば、現地の法律やプラットフォームの規約に則った正確な削除請求を代理で行うことができます。さらに、国内のプロバイダ責任制限法等も視野に入れながら、損害賠償請求や発信者情報開示に向けた最適な法的アプローチを迅速に実行してもらうことが可能です。

海外サイトへの写真晒し被害、泣き寝入りするしかない?

インターネット上で、自身のプライベートな写真や悪意ある加工写真を無断で公開される被害が後を絶ちません。相手が日本国内のSNSやブログを使っている場合であれば、プロバイダ責任制限法に基づく開示請求や削除要請の手続きを進めることができます。

しかし、相手が利用しているサーバーや運営拠点が海外にあるWebサイトである場合、多くの被害者の方が「日本の法律は通用しないのではないか」「英語ができないから無理だ」と絶望し、泣き寝入りしてしまいがちです。

夕陽ヶ丘法律事務所には、海外サイトに写真を無断掲載された方からの相談が数多く寄せられています。結論として、相手やサーバーが海外にあっても、適切な国際的法的手続やプラットフォームの規約を利用すれば、写真を削除できる可能性は十分にあります。

海外サイトの写真を削除する主な2つのアプローチ

海外のWebサイトに掲載された写真を削除するためには、日本の国内法をそのまま振りかざすのではなく、インターネットの国際的なルールや、対象サイトが依拠している現地の法律を利用する必要があります。実務上、主に以下の2つのアプローチが効果的です。

  • DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除申請
  • 海外プロバイダ・ホスティング企業への英文リーガルフォーム(削除要請)の送付

それぞれの仕組みと具体的な手順について、詳しく見ていきましょう。

1. DMCA申請を活用した削除

DMCA(Digital Millennium Copyright Act)とは、アメリカの著作権法のことです。この法律の最大の特徴は、アメリカ国内の企業だけでなく、世界中の多くの大手プラットフォームやサーバー会社がその適用を受けている点にあります。

もし晒された写真があなたが撮影したもの、あるいはあなたに著作権があるポートレートや画像である場合、このDMCAを利用して「著作権侵害」を申し立てることができます。

【DMCA申請のメリット】

  • 相手の運営者の身元が分からなくても申請できる
  • 多くの主要なサーバーやホスティング会社、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)がこの申請に迅速に対応する
  • 申請が受理されると、サイト運営者の意思にかかわらず、ホスティング側で強制的に画像やページが遮断される

ただし、DMCA申請を行うには、「どの画像が」「自分のどの著作物の権利を侵害しているか」「権利者は誰か」などを、原則として英語で正確に記載し、法的責任を伴う電子署名を行う必要があります。

2. 海外プロバイダやドメインレジストラへの英文要請

晒されているサイトが特定の個人ブログや、DMCAを直接受け付けないマイナーな海外サーバーである場合は、そのWebサイトにサーバーの場所を提供している「ホスティング事業者」や、ドメインを管理している「ドメインレジストラ」を特定して直接連絡を取ります。

多くの海外企業は、名誉毀損、プライバシー侵害、わいせつ画像の無断掲載などに対処するための窓口(虐待・不正行為窓口:Abuse Contact)を設けています。

【英文要請で主張すべき法的根拠】

  • プライバシー権および肖像権の不当な侵害であること
  • 国際的な人権規範や、サイトが所在する地域の不法行為法に違反している可能性が高いこと
  • 事業者の利用規約(Terms of Service)における「違法コンテンツの掲載禁止条項」に違反していること

このアプローチにおいても、論理的かつ法的に隙のない英文を作成することが、海外企業の担当者を動かすための最大のカギとなります。

海外サイト特有の難しさと弁護士に依頼するメリット

海外サイトからの写真削除は、個人でも試みることが不可能ではありませんが、以下のような高いハードルが存在します。

  1. すべて英語でのやり取りが必要になる:機械翻訳をそのまま使うと、法的なニュアンスが伝わらなかったり、相手に真剣に取り合ってもらえなかったりします。
  2. 相手の隠蔽工作やミラーサイト対策:悪質なサイト運営者は、削除要請を受けるとすぐにドメインを変えたり、別サーバーに同じ写真をコピー(ミラーリング)したりすることがあります。これに対して継続的なイタチごっこを防ぐ専門的な知識が必要です。
  3. 発信者情報開示の国際的な壁:写真をアップロードした犯人を特定し損害賠償請求を行いたい場合、外国の裁判所に開示命令を申し立てる(ディスカバリー手続など)必要が生じ、高度な国際訴訟の知識が求められます。

法律の専門家である弁護士に依頼することで、これらの困難をスムーズにクリアすることができます。夕陽ヶ丘法律事務所では、海外のIT企業やホスティング事業者との交渉実績を持つ弁護士が、国際的な著作権法やプライバシー法制に基づいた精度の高い削除要請書を作成・送付いたします。

被害発覚後、ご自身で今すぐ行うべき初期対応

海外サイトに写真を晒されていることが判明した場合、パニックになって慌ててサイトに直接暴言のメールを送ったりするのは避けましょう。かえって相手に警戒され、データの隠滅を早める原因になります。

まずは以下の証拠保全と準備を確実に行ってください。

  • 証拠のスクリーンショット保存:問題の写真、掲載されているWebページのURL(アドレス)、サイト名、発見した日時が分かる画面を確実に保存してください。後日、アーカイブとしても重要になります。
  • URLのコピー:SNS等で拡散されている場合は、そのツイートやリンクのURLもすべて記録しておきます。
  • 安易な自己対応の回避:前述の通り、英語での不十分な連絡や脅迫めいたメッセージは逆効果になるため、プロに相談するまでの間はページにアクセスしすぎないようにし、証拠を保持した状態でご相談ください。

まとめ:海外サイトの写真晒しは一人で悩まず弁護士にご相談を

相手が海外のWebサイトに写真を晒しているというケースは、一見すると絶望的に思えるかもしれません。しかし、適切なプラットフォーム規約の活用、DMCA申請、そして海外プロバイダへの的確な英文アプローチを行うことで、写真を削除できる可能性は十分にあります。

「英語ができないから」「相手が海外だから」と諦めてしまう前に、まずはネット誹謗中傷やデジタルタトゥー対策に強い弁護士にご相談ください。

夕陽ヶ丘法律事務所では、国内外を問わず、あなたのプライバシーと尊厳を守るための迅速な削除対応をサポートいたします。写真の無断掲載でお困りの方は、ぜひ当事務所の初回相談をご活用ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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