【弁護士による法的対応と請求のメリット】投稿者に対する損害賠償請求や慰謝料請求を行うためには、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求によりIPアドレス等を特定する必要があります。感情的な負担を軽減し適正な額の慰謝料を獲得するためにも、弁護士への早期相談が有効です。
インターネット上の掲示板やSNSで、大勢の前から「バカ」「死ね」「クズ」といった激しい暴言を浴びせられたり、執拗にプライベートをからかわれたりする被害が後を絶ちません。
このような書き込みを見たとき、多くの人は「名誉毀損で訴えてやる」と考えますが、実は法律上、社会的評価が下がったとは言えないケースも多く存在します。そのような場合に被害者を救う法的手段となるのが、「名誉感情の侵害(めいよかんじょうのしんがい)」です。
この記事では、名誉毀損と名誉感情の侵害の違いや、慰謝料請求が認められるための具体的な基準について、弁護士が分かりやすく解説します。
1. 「名誉感情の侵害」と「名誉毀損」の決定的違い
ネット上の誹謗中傷トラブルにおいて、「名誉毀損」と「名誉感情の侵害」は混同されがちですが、法律上の保護法益(何を守る法律か)が大きく異なります。
- 名誉毀損(民法709条、刑法230条)
保護されるのは「社会的評価」です。具体的な事実(真実であっても、虚偽であっても)を摘示し、その人の社会的な信用や評判をおとしめた場合に成立します。例えば、「この会社は詐欺を行っている」「あの人は前科がある」といった投稿が該当します。 - 名誉感情の侵害(民法709条・不法行為)
保護されるのは「主観的名誉感情」、すなわち、人が自分自身に対して抱く自尊心や誇り、感情的な平穏です。社会的評価の低下を伴わない、単なる悪口、侮辱、嘲笑などがこれに該当します。
つまり、「社会的な評判が下がったかどうか」にかかわらず、個人の尊厳を踏みにじるようなひどい暴言を受けた場合は、名誉感情の侵害として損害賠償請求の対象になるということです。
2. どんな言葉が「名誉感情の侵害」にあたるのか?判断基準
SNSやネット掲示板に書き込まれたすべての悪口が、法的な名誉感情の侵害として認められるわけではありません。インターネット上では日常的に様々な意見や批判が飛び交っているため、裁判所は表現の自由とのバランスを考慮し、一定の基準を設けています。
名誉感情の侵害として慰謝料請求が認められるためには、主に以下の基準を満たす必要があります。
- 社会通念上許容される限度を超える侮辱性・悪質性
単に「センスがない」「嫌い」といった個人的な感情の吐露や、軽い悪口程度であれば、社会生活上受忍すべき範囲(受忍限度内)とみなされ、違法性は認められません。人格を全否定するような表現や、執拗かつ卑劣な中傷である必要があります。 - 公然性と特定性(またはそれに準ずる悪質さ)
不特定多数の人が閲覧できるネット上のオープンな空間(SNSの公開アカウント、大型掲示板、レビュー欄など)で行われた誹謗中傷は、被害者の受ける精神的苦痛が大きく、名誉感情の侵害が認められやすくなります。
よくある具体例
- SNSのコメント欄で「顔が生理的に無理」「キモいから消えろ」といった外見や存在を執拗に中傷する投稿を繰り返された
- Googleマップの店舗口コミで、店主に対して「泥棒」「詐欺師」とまでは言えないものの、「人間のクズ」「最低最悪の人間」などと感情的な罵倒を書き込まれた
- 個人ブログやオープンチャットで、執拗な嫌がらせや嘲笑のターゲットにされた
3. 名誉感情の侵害で慰謝料請求・削除請求をするハードルと対策
名誉感情の侵害を理由に、加害者に対して損害賠償(慰謝料)を請求したり、投稿の削除を行ったりする場合、いくつかの実務的なハードルが存在します。
① 慰謝料の相場
名誉感情の侵害における慰謝料の金額は、事案の悪質性や被害の程度によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度に留まることが多い傾向にあります。名誉毀損やプライバシー侵害と比較して低額になりがちなため、弁護士費用との費用対効果を慎重に見極める必要があります。② 発信者情報開示請求の難易度
匿名で行われた誹謗中傷の加害者を特定するためには、「発信者情報開示請求」という裁判手続を行う必要があります。近年の法改正(改正プロバイダ責任制限法・情報流通プラットフォーム対処法)により、簡易な裁判手続(非訟手続)が新設されるなど、以前に比べると迅速化が進んでいます。 しかし、単なる悪口・侮辱の場合、裁判所が「表現の自由の保護」や「権利侵害の明白性」を厳格に審査するため、開示請求が認められるハードルが名誉毀損よりも高くなるケースがあります。4. 被害を受けたときの鉄則と弁護士への相談メリット
もしインターネット上で激しい誹謗中傷や侮辱を受け、「名誉感情を深く傷つけられた」と感じた場合は、感情的に言い返すのではなく、冷静かつ迅速に対処することが重要です。
- 証拠の保存を徹底する
誹謗中傷の書き込みは、加害者側が急に削除して証拠隠滅を図ることがあります。投稿のURL、画面全体のスクリーンショット、タイムスタンプなどが分かる証拠を確実に残しておきましょう。 - 安易な自己判断を避ける
「これは名誉毀損にならないから泣き寝入りするしかない」と諦めてしまう前に、専門家である弁護士にご相談ください。名誉毀損ではなくとも、名誉感情の侵害として法的責任を追及できる可能性が十分にあります。 - 弁護士によるワンストップ対応
夕陽ヶ丘法律事務所では、悪質な口コミやSNSの誹謗中傷に対する削除請求から、IPアドレスの開示請求、加害者に対する損害賠償請求までを一貫してサポートしています。デジタル証拠の保全アドバイスも含め、被害者の精神的な負担を最小限に抑えます。
ネット上の風評被害や人格攻撃は、放置すると二次被害や精神的ダメージの拡大につながります。泣き寝入りせず、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。