【弁護士による対応のメリット】サイト運営者への削除申請や裁判所を通じた削除仮処分申し立てを行うことで、採用機会の損失という深刻な風評被害を防ぐことができます。さらに、悪質な投稿者の発信者情報開示請求や損害賠償請求も視野に入れ、自社のブランドイメージを的確に守り抜くことが可能です。
はじめに:転職会議の低評価が企業に与える深刻な影響
現代の就職活動や転職活動において、企業の評判を調べるために「転職会議」や「OpenWork」「Lighthouse」といった口コミサイトを活用する求職者は後を絶ちません。こうしたサイトでは、給与水準や残業時間、社風などが可視化されており、就職・転職の意思決定における大きな判断材料となっています。
しかし、これらのサイトに投稿される情報の中には、事実無根の中傷や、退職した元従業員による私怨に基づく不当な低評価が含まれているケースが少なくありません。特に、総合評価の星(★)の数や各項目(待遇、ワークライフバランスなど)の星1つといった極端な低評価(レポート評価)は、企業のブランドイメージを著しく失墜させ、優秀な人材の採用機会を損失させる致命的な風評被害となります。
「個人の感想だから仕方がない」「ネット上の評判だから放置するしかない」と諦めてしまう企業様もいらっしゃいますが、違法な低評価は法的な手続きによって削除できる場合があります。本記事では、転職会議等のレポート評価の仕組みと、低評価を削除するための具体的な法的アプローチについて、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
転職会議における「レポート評価(★評価)」の仕組みと削除の難しさ
転職会議のレポート評価は、主に以下の2つの要素で構成されています。
- 定量評価(★評価):総合評価や、ワークライフバランス、年収・給与、待遇などの各項目を星1〜5段階で評価するもの
- 定性評価(文章):具体的なエピソードや職場の状況を記述するテキストレビュー
法律相談において「星の数(定量評価)だけを消してほしい」というご相談をよくいただきますが、星評価単体は「個人の主観的な評価」であるため、それ単体では名誉毀損や権利侵害の立証が難しいという側面があります。
しかし、多くの場合、この星1つという低評価は、付随する「虚偽の定性評価(文章)」を根拠として連動しているケースがほとんどです。例えば、「サービス残業が月150時間強制されるブラック企業である」という虚偽の文章が投稿され、それに伴ってワークライフバランスの評価が「星1」になっているような場合です。このように、文章と星評価は一体不可分であるため、文章部分の違法性を突くことで、結果的に低評価全体の削除を実現することが可能となります。
削除請求が認められる主な法的理由・基準
転職会議等の運営会社に対して削除を求める場合や、裁判所を通じて発信者情報開示請求・削除仮処分を申し立てる場合、どのような理由に基づけばよいのでしょうか。主な法的根拠は以下の通りです。
- 名誉毀損(民法709条、刑法230条):社会的評価を低下させる具体的な事実が適示されている場合。例えば、「法令違反の労働環境である」「給与が一方的にカットされた」などの虚偽事実が該当します。
- 侮辱(民法709条):具体的な事実を伴わない抽象的な悪口や、企業の人格権を著しく侵害する表現が含まれている場合。
- 業務妨害(刑法233条、民法709条):虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて企業の社会的信用を毀損し、またはその業務を妨害した場合。
- 利用規約違反:多くの口コミサイトでは、公序良俗に反する投稿、事実無根の情報の投稿、特定の個人や企業を攻撃する投稿を禁止しています。規約違反を突くことも有効なアプローチです。
特に、企業に対する口コミにおいては、「真実性の証明」が投稿者(またはサイト側)に求められることになります。投稿内容が客観的な事実と異なり、かつ公益目的や正当な論評の範囲を逸脱していると判断されれば、削除の要件を満たすことになります。
転職会議の低評価を削除するための具体的なステップ
では、実際に自社に対する悪質な低評価を見つけた場合、企業はどのように対処すべきでしょうか。実務上は以下のステップで進行します。
ステップ1:社内体制の整備と証拠の保全
まずは該当する口コミページのURL、投稿日時、具体的な評価内容(星の数と文章)、スクリーンショットなどの証拠を確実に保全してください。サイト側が任意の削除に応じた場合や、投稿者が自ら削除した場合でも、被害の記録を残しておくことが重要です。ステップ2:サイト運営者への削除申請(任意交渉)
転職会議などのプラットフォームには、ヘルプページやお問い合わせフォームに「不適切な口コミの通報・削除依頼窓口」が設置されています。企業の担当者が、利用規約のどの条項に違反しているか、なぜその内容が事実無根であり名誉毀損に該当するのかを論理的にまとめた申請書を作成し、削除を求めます。 ※この段階で弁護士名義で通知書を送付することで、運営側の対応が早まるケースが多くあります。ステップ3:裁判所を通じた「削除仮処分申し立て」
任意の削除申請で運営会社が応じない場合や、緊急性が高い風評被害の場合は、裁判所に対して「仮処分命令の申し立て」を行います。仮処分は、通常の訴訟よりもスピーディー(通常数ヶ月程度)に審理が行われ、裁判所から違法性が認められて削除命令が出れば、運営会社は速やかに該当の低評価を削除せざるを得なくなります。ステップ4:発信者情報開示請求および損害賠償請求(必要に応じて)
悪質なデマや組織的な営業妨害など、悪質性が極めて高いケースでは、裁判所の手続きを利用して投稿者のIPアドレスや住所・氏名などの情報を特定する発信者情報開示請求を行うことも可能です。投稿者が特定できれば、損害賠償請求(慰謝料や弁護士費用の請求)や刑事告訴を行うことで、同様の被害の再発を防ぐ抑止力となります。自社で対応するリスクと弁護士に依頼するメリット
「自社の法務担当者がサイト運営者に連絡すれば足りるのではないか」と思われるかもしれませんが、削除請求には専門的な法的知識と文章力が要求されます。
運営会社の窓口に対して、単に「うちの会社に対する悪口なので消してください」と連絡しても、表現の自由や運営側のガイドラインを盾に断られてしまうケースがほとんどです。法律上の根拠(名誉毀損の成立要件など)を明確に示し、的確な主張を行わなければ、正当な削除を実現することは困難です。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット誹謗中傷や風評被害対策に特化したチームが、以下のようなサポートを提供しております。
- 口コミ内容の法的評価と、削除可能性の迅速な診断
- サイト運営者に対する精緻な削除要請書の作成・送付
- 裁判所を介した仮処分申し立ての代理手続き
- 悪質投稿者の特定(発信者情報開示請求)および損害賠償請求の遂行
おわりに:風評被害は早期の対策が企業の未来を守る
転職会議などの口コミサイトにおける低評価は、放置すればするほど検索エンジンの上位に残り続け、優秀な人材の離職や採用コストの増大という実害を生み出し続けます。「企業のイメージを守りたい」「事実無根の誹謗中傷にこれ以上耐えられない」とお悩みの経営者様、人事ご担当者様は、被害が拡大する前に、ぜひ一度当事務所の法律相談をご利用ください。
夕陽ヶ丘法律事務所では、企業の社会的信用を守るため、秘密厳守で迅速かつ的確なサポートを提供しております。初回のご相談から親身になって対応いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。