【弁護士による迅速な対処法】動画は拡散力が非常に強いため、放置するとブランド価値の失墜や採用活動への悪影響が深刻化します。プラットフォームへの削除申請に加え、裁判所を通じた「削除仮処分命令」の申し立てや、投稿者特定のための発信者情報開示請求、損害賠償請求を弁護士に依頼することで、迅速かつ確実な被害回復が可能になります。
元社員による動画での企業批判・暴露がもたらす深刻な被害
近年、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォーム上で、元社員や退職予定者による企業の内部告発、労働環境の批判、経営陣への不満をぶつける動画が投稿されるケースが急増しています。
テキスト中心の匿名掲示板や口コミサイトとは異なり、動画は視覚と聴覚を通じて視聴者に強烈な印象を与えます。そのため、企業イメージやブランド価値へのダメージが極めて大きくなりやすいという特徴があります。
さらに、動画内で語られている内容が実際とは異なる誇張や虚偽であったとしても、視聴者は「元社員の生の声」として真実であると誤認しやすく、優秀な人材の採用活動への悪影響や、既存顧客からの信用失墜、株価の下落といった実害に直結する恐れがあります。
こうした動画に対して企業が放置を決め込むと、悪評が瞬く間にインターネット上に拡散し、取り返しのつかない風評被害へと発展しかねません。企業としては、一刻も早く法的根拠に基づいた削除対応をとる必要があります。
動画の内容が該当する主な法的問題
元社員が投稿した企業批判や内部暴露の動画を削除するためには、その内容がどのような法律上の権利を侵害しているかを正確に把握することが重要です。主に以下のような権利侵害や法令違反が成立するケースが多く見られます。
- 名誉毀損(民法上の不法行為・刑法上の名誉毀損罪):事実無根の内容や、社会的評価を著しく低下させるような誇張された情報を公開した場合に成立します。
- プライバシー権・肖像権の侵害:社内の未公開の様子、オフィス内の映像、従業員の顔や個人が特定できる情報を無断で撮影・公開した場合に該当します。
- 営業秘密の侵害(不正競争防止法違反):在職中に得た顧客リスト、未公開のプロジェクト情報、ノウハウなどを動画内で暴露した場合、法的責任を問うことができます。
- 秘密保持義務(NDA)違反:雇用契約書や誓約書等で定められた守秘義務条項に明確に違反しているケースです。
YouTubeやTikTokへの削除申請の手順
問題のある動画を発見した場合、まずは各プラットフォーム(YouTubeやTikTok)が用意している違反報告フォームや窓口を利用して、削除を要請することが最初のステップとなります。
プラットフォーム側は独自の利用規約(コミュニティガイドライン)を設けており、嫌がらせ、いじめ、プライバシー侵害、虚偽情報の拡散などを禁止しています。
- 規約違反の特定:動画のどの部分がどの規約に違反しているかを具体的に特定します。
- 権利侵害の主張:名誉毀損やプライバシー侵害など、具体的な法的根拠を添えて通報フォームから申請を行います。
- 弁護士を通じた削除請求:個人名義の通報よりも、弁護士名義で法的な正当性を主張した通知書を送付する方が、プラットフォーム側の対応が迅速化する傾向にあります。
ただし、プラットフォーム側が「表現の自由」や判断の難しさを理由に、任意の削除要請には応じないケースも少なくありません。その場合は、より強力な法的手段である裁判所を利用した手続きが必要となります。
裁判所を通じた「動画削除の仮処分命令」の活用
任意の削除要請で動画が削除されない場合や、早期の解決が求められる場合には、裁判所に対して「仮処分命令の申し立て」を行います。
仮処分とは、正式な裁判(訴訟)を行っていると時間がかかりすぎて被害が拡大してしまうため、裁判所が迅速に暫定的な処分を下す制度です。企業からの申し立てが認められれば、裁判所からプラットフォーム事業者や投稿者に対して動画の削除命令が出されます。
- 迅速性:通常の訴訟が数ヶ月〜1年以上かかるのに対し、仮処分はおおむね数週間から2ヶ月程度で結論が出ることが多く、スピード解決が可能です。
- 高い実効性:日本の裁判所から発令された仮処分命令には強い法的な強制力があるため、国内外のプラットフォーム事業者も確実に応じることがほとんどです。
- 証拠保全の効果:削除仮処分と併せて、発信者情報開示請求を行うことで、動画を投稿した元社員の特定へとつなげることができます。
投稿した元社員に対する法的責任の追及
動画を削除して終わりにするのではなく、企業秩序の維持や再発防止の観点から、投稿した元社員に対して法的責任を追及することも検討すべき重要な施策です。
企業は、元社員に対して以下のような法的措置をとることが可能です。
- 損害賠償請求(民事訴訟):企業イメージの失墜、採用活動への悪影響、ブランド価値の低下などによって生じた損害に対する金銭賠償を請求します。
- 発信者情報開示請求:アカウントが匿名や仮名であっても、裁判所の手続きを通じてプロバイダやプラットフォームから投稿者の氏名・住所などの個人情報を特定します。
- 刑事告訴:悪質な名誉毀損や業務妨害に該当すると判断される場合、警察に対して刑事告訴を行うことも視野に入れます。
特に、退職時の誓約書や就業規則に違反している場合や、会社の信用を著しく傷つけた悪質なケースでは、厳格な姿勢を示すことが将来の模倣を防ぐうえでも効果的です。
元社員の動画被害に直面したら弁護士にご相談ください
元社員によるYouTubeやTikTokでの企業批判・暴露動画は、放置すればするほど企業の社会的信用を蝕み、回復困難なダメージを与えます。
個人で動画の削除を試みても、プラットフォーム側に取り合ってもらえなかったり、投稿者との間で感情的なトラブルに発展したりするリスクがあります。また、法的な構成要件を満たした適切な主張を行わなければ、削除が認められないこともあります。
当事務所では、ネット上の誹謗中傷や風評被害対策に精通した弁護士が、動画の証拠保全からプラットフォームへの削除申請、裁判所での仮処分申し立て、さらには元社員に対する損害賠償請求まで、一貫してサポートいたします。
企業批判の動画でお困りの経営者様、人事ご担当者様は、被害が拡大する前に、ぜひ一度当事務所までご相談ください。