【弁護士のサポートによる起訴相当議決の確率向上】不起訴処分となった理由(嫌疑不十分や起訴猶予など)を的確に分析し、客観的な証拠の補強や説得力のある申し立て書を作成するためには、刑事事件やネット中傷問題に精通した弁護士へ速やかに相談することが不可欠です。
ネット上の誹謗中傷や悪質な風評被害に対して警察に被害届や刑事告訴を行い、犯人が特定されて書類送検されたものの、最終的に検察官から「不起訴処分」が下されるケースは少なくありません。
被害者側としては、多大な時間と精神的苦痛を耐え抜いて法的手段に出たにもかかわらず、加害者がお咎めなしになってしまうことは到底納得がいかないでしょう。
しかし、検察官の不起訴処分に対しては、検察審査会という公的な機関を通じて不服を申し立てる制度が用意されています。
この記事では、不起訴処分に不服がある場合に利用できる検察審査会の仕組みや、申し立ての手続き、起訴相当の議決を引き出すためのポイントについて詳しく解説します。
ネット中傷の刑事事件における「不起訴処分」とは
警察による捜査を経て事件が検察官に送致(書類送検)された後、刑事裁判に掛けるかどうかを最終的に判断するのが検察官です。
検察官が「裁判を開く必要がある」と判断すれば起訴されますが、様々な理由から「裁判にかけない」と判断された場合が不起訴処分となります。
ネット中傷の事件で不起訴になる主な理由は以下の通りです。
- 嫌疑不十分:犯罪の嫌疑(犯人であることや違法性)を裏付ける証拠が、裁判で有罪を証明するには足りないと判断された場合。
- 起訴猶予:犯行の事実や証拠は揃っているものの、加害者の反省の度合い、被害との示談の有無、犯行の動機や情状などを総合的に考慮し、今回はあえて起訴を見送る場合。
- 嫌疑なし:被疑者が犯人ではないことが明らかである場合、または犯罪の成立が認められない場合。
特にネット中傷では、証拠がデジタルデータであることや、表現の自由との境界線の問題などから「嫌疑不十分」や「起訴猶予」になりやすい傾向があります。
検察審査会制度とはどのような仕組みか
検察官が下した「不起訴処分」の判断が本当に妥当だったのか。これを一般市民の視点からチェックするのが検察審査会です。
検察審査会は、選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の「検察審査員」によって構成される公的機関です。
検察官は独占的に起訴・不起訴メンタルを決定する権限(起訴独占主義)を持っていますが、その権限の乱用や判断の誤りを防ぐため、民主的なチェック機能を果たす役割を持っています。
被害者や告訴人は、検察官の不起訴処分に不服がある場合、検察審査会に対して「不起訴処分が妥当だったか審査してほしい」と申し立てることができます。
検察審査会に申し立てができる人・期限
検察審査会への申し立ては、誰でも無制限にできるわけではありません。
- 申し立てができる人:被害者本人、告訴人、告発人、被害者の法定代理人など。
- 申し立ての期限:原則として、不起訴処分があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内です。ただし、検察官から「不起訴処分告知書」を受け取っている場合は、その通知に基づき速やかに動くことが推奨されます。
申し立てを行うためには、管轄する地方裁判所の所在地にある「検察審査会」に対して、所定の申し立て書を提出する必要があります。
検察審査会が下す3つの議決
検察審査会は、提出された資料や捜査記録を基に審議を行い、最終的に以下のいずれかの議決を下します。
- 不起訴不当:「検察官の不起訴処分は不当であるため、もう一度事件をしっかり捜査し直すべきである」とする議決。
- 起訴相当:「犯罪の嫌疑が十分であり、裁判にかけて刑事責任を問うべきである(起訴すべきである)」とする議決。
- 起訴決議:「起訴相当」の議決を経ても検察官が再び不起訴(または十分な捜査をしない)とした場合に出される議決で、法的拘束力を持ちます。この議決が出ると、裁判所の指定する弁護士(指定弁護士)が強制的に起訴手続きを行います。
ネット中傷の事案において、もし「起訴相当」や「起訴決議」の判断が下されれば、加害者は刑事裁判の法廷に引きずり出されることになり、厳正な処罰(罰金刑や懲役刑など)を受ける可能性が劇的に高まります。
検察審査会で「起訴相当」を引き出すためのポイント
検察審査会に申し立てを行っても、ただ「納得がいかない」「厳罰に処してほしい」と感情的に訴えるだけでは、議決を変えさせることは困難です。
検察審査員を納得させ、客観的に「起訴すべきだ」と判断してもらうためには、以下のポイントが極めて重要になります。
1. 不起訴処分の理由を正確に分析する
まずは、検察官がなぜ不起訴にしたのか(嫌疑不十分なのか、起訴猶予なのか)の理由を把握しなければなりません。検察庁に対して「不起訴処分理由告知書」の交付を請求し、その理由の壁がどこにあるのかを分析します。
2. 客観的な証拠を追加・整理して提出する
最初の告訴段階で見落とされていた証拠や、その後の事情の変化(誹謗中傷の投稿が継続している事実、精神的被害の深刻さを示す診断書、経済的損失の証明など)を、分かりやすく整理して検察審査会に提出します。
3. 法律的な主張を盛り込んだ申し立て書の作成
検察審査員は法律の専門家ではない一般市民です。そのため、なぜこの投稿が名誉毀損罪や侮辱罪などの構成要件に該当するのか、表現の自由の範囲を逸脱している違法な行為であるのかを、平易かつ論理的に説明した申し立て書を作成する必要があります。
検察審査会の申し立てを弁護士に依頼するメリット
検察審査会への申し立ては被害者本人でも行うことができますが、法的な専門知識や捜査実務の理解が不可欠であり、実質的に弁護士のサポートなしで「起訴相当」の議決を勝ち取るのは非常にハードルが高いと言えます。
夕陽ヶ丘法律事務所をはじめとするネット中傷対策に強い弁護士に依頼することで、以下のような大きなメリットが得られます。
- 的確な法的書面の作成:検察審査員に響く、論理的で説得力のある「申立書」や「意見書」を作成します。
- 証拠の補強と再構築:どのような証拠を追加すれば嫌疑不十分を覆せるのか、専門的な視点からアドバイスと準備を行います。
- 検察庁との折衝・情報収集:不起訴の理由や事件の進捗状況について、法的な観点から適切にアプローチします。
まとめ
ネット中傷の犯人が特定されても、検察官の判断で「不起訴処分」になってしまうと、被害者としては絶望感を抱いてしまいがちです。
しかし、そこで諦める必要はありません。検察審査会制度を利用することで、再び刑事責任を追及する道が開かれます。
「泣き寝入りしたくない」「加害者にどうしても刑事罰を受けてほしい」とお悩みの方は、不起訴処分に直面した段階で、できるだけ早くネット中傷・刑事事件に強い弁護士にご相談ください。当事務所では、検察審査会への申し立てを含め、依頼者様が納得できる解決に向けて全力でサポートいたします。