発信者情報開示請求で「相手の電話番号」からLINE・SNSアカウントを特定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q 発信者情報開示請求で相手の電話番号が判明した場合、そこからどのようにLINEやSNSアカウントを特定するのですか?
A 【電話番号からの特定方法】発信者情報開示請求により取得した相手の電話番号をスマートフォンの連絡先に登録し、LINEやInstagram、X(旧Twitter)などのアドレス帳同期機能や検索機能を利用することで、加害者のアカウントを逆引き・特定できる可能性があります。ただし、相手が電話番号による検索やヒットを拒否するプライバシー設定にしている場合は、直接検索での特定が困難になるケースもあります。
【弁護士による法的アプローチの重要性】プライバシー設定等により自力での特定が難しい場合や、特定したアカウントが本当に加害者本人であるかを法的に確証を得るためには、弁護士会照会(18条照会)などの法的手続きや、プロバイダ責任制限法に精通した専門家による慎重なアプローチが不可欠です。確実な証拠保全と損害賠償請求を見据え、まずは誹謗中傷問題に強い弁護士へご相談ください。

インターネット上の掲示板やSNSで誹謗中傷を受けた際、被害者が泣き寝入りせずに加害者を特定するための有力な手段が「発信者情報開示請求」です。この法的手続きを適切に進めることで、最終的に投稿者のIPアドレスやタイムスタンプだけでなく、契約者名、住所、そして電話番号といった個人情報を取得できるケースがあります。

特に、判明した電話番号を手がかりにして、加害者が利用しているLINEや各種SNSアカウントを逆引きしたいと考える相談者は少なくありません。本記事では、発信者情報開示請求によって得た電話番号から、相手のLINEやSNSアカウントを特定する実務的な手法や注意点について、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

発信者情報開示請求で電話番号が判明する仕組み

インターネット上の誹謗中傷や権利侵害に対して発信者情報開示請求を行う場合、従来はIPアドレスやタイムスタンプの開示を求めた上で、プロバイダに対して契約者情報の開示を請求するという段階的な手続きが必要でした。改正プロバイダ責任制限法の施行により、新たな裁判手続きである「発信者情報開示命令」が導入されたことで、より迅速な情報取得が可能になりつつあります。

この一連の法的手続きが成功すると、通信事業者や携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)が保有する以下の契約者情報が開示されます。

  • 契約者の氏名
  • 住所
  • メールアドレス
  • 電話番号

このようにして合法的に手に入れた「相手の電話番号」は、加害者の身元を特定するための極めて強力なピースとなります。単に名前や住所が分かるだけでなく、現代人にとって必須のインフラである電話番号を把握することで、次のステップであるSNSの特定へとつなげることが可能になります。

電話番号を活用したLINEアカウントの逆引き手法

現代のコミュニケーションにおいて欠かせないLINEは、原則として電話番号を登録してアカウントを作成・運用する仕組みになっています。そのため、開示請求によって得た電話番号をどのように活用するかが、特定成功の鍵を握ります。

スマートフォンを使った連絡先同期による特定

最も一般的に行われる手法が、スマートフォンのアドレス帳(連絡先)に取得した電話番号を登録し、LINEアプリの「友だち自動追加」や「友だちへの追加を許可」の機能を利用してアカウントを逆引きする方法です。

  • 手順の概要:調査用のスマートフォン端末を用意し、アドレス帳に相手の電話番号を正確に登録します。
  • 同期の実行:LINEの設定から友だちの自動追加機能をオンにして同期を行います。
  • アカウントの表示:相手がその電話番号でLINEアカウントを作成しており、かつ電話番号検索や友だち追加を許可している設定であれば、「おすすめ友だち」や「知り合いかも?」といった欄に該当のアカウントが表示されます。

ただし、この手法には大きな注意点があります。相手がプライバシー設定で「電話番号による友だち追加を許可しない」に設定している場合や、そもそも別の電話番号やメールアドレスでアカウント登録している場合には、この方法では表示されません。

他の主要SNS(X・Instagram・Facebookなど)における調査

電話番号はLINEだけでなく、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどのプラットフォームでもアカウントの紐付けや検索に使われているケースがあります。

X(旧Twitter)やInstagramでの検索可能性

多くのSNSでは、過去に登録した電話番号や、セキュリティのための二段階認証、アカウント検索の補助機能として電話番号を利用しています。

  • アドレス帳のアップロード機能:Xなどのアプリ内にある「アドレス帳の連絡先を同期する」機能を利用することで、登録されている電話番号と一致するアカウントをサジェスト機能で発見できる場合があります。
  • 検索窓への直接入力:一部のプラットフォームでは、検索窓に直接電話番号を入力することで、その番号に紐づいたアカウントがヒットする仕様になっているケースもありますが、プライバシー保護の観点からこの機能は年々制限される傾向にあります。

また、Facebookなどの実名制に近いSNSでは、電話番号を入力して検索する機能が比較的機能しやすく、プロフィールに登録されている実名や勤務先、出身地などの情報と、開示請求で得た氏名・住所を照らし合わせることで、同一人物である確証を強めることができます。

電話番号から相手の属性や勤務先を解明するアプローチ

発信者情報開示請求によって得た電話番号や氏名・住所をベースに調査を進めることで、単なるSNSアカウントの特定にとどまらず、相手の社会的属性や勤務先まで解明できる場合があります。

誹謗中傷の加害者が企業に勤めている社会人である場合や、特定のコミュニティに属している場合、SNSのプロフィールや過去の投稿内容から勤務先が特定できれば、その後の損害賠償請求や示談交渉において非常に有利に話を進めることができます。

  • SNSの交友関係からの推測:特定したLINEやInstagramのプロフィール写真、投稿された画像、共通の友人の存在などから、所属している会社や学校、活動地域が浮かび上がることがあります。
  • 法的手段を前提とした調査の限界:弁護士であれば、弁護士会照会(23条照会)などの法的な調査権限を用いて、必要な範囲で事実関係を精査することが可能です。ただし、プライバシー権や個人情報の保護に関する法律との兼ね合いがあるため、どのような調査でも無制限に行えるわけではありません。

自力での調査におけるリスクと弁護士に依頼するメリット

「電話番号が分かったのだから、すぐに自分でSNSを検索してメッセージを送ってみよう」と考える方がいらっしゃいますが、これには大きなリスクが伴います。

直接連絡を取ることで生じる法的リスク

加害者のアカウントを特定できたとしても、被害者本人が感情的になって直接ダイレクトメッセージ(DM)を送ったり、電話をかけたりすることは強く推奨されません。

  • 証拠隠滅の危険性:連絡を入れた瞬間にアカウントを削除されたり、投稿をすべて非公開にされたりして、決定的な証拠を失うおそれがあります。
  • 思わぬトラブルへの発展:直接連絡を取ることで、相手が逆上して新たな嫌がらせを行ったり、脅迫罪やストーカー規制法に問われるような言動をしてしまったりと、かえって事態が複雑化するケースがあります。

弁護士が代理で行う一貫した法的アプローチ

夕陽ヶ丘法律事務所では、発信者情報開示請求の申し立てから、判明した電話番号や各種情報を用いた相手の特定、そしてその後の損害賠償請求(示談交渉・訴訟)までをワンストップでサポートしています。

弁護士を代理人として立てることで、法的に正しい手順で相手の身元を確実なものとし、冷静かつ的確に慰謝料の請求や再発防止の約束を取り付けることができます。インターネット上の誹謗中傷や風評被害でお悩みの方は、まずは当事務所の初回法律相談をご利用ください。専門の弁護士が最適な解決策をご提案いたします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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