【弁護士に依頼するメリット】個人での調査には法的限界がありますが、誹謗中傷や発信者情報開示請求に精通した弁護士に依頼することで、複雑な戸籍の追跡や通信事業者への照会手続きをスムーズに進められます。偽名や古い情報に惑わされることなく、迅速に相手の正確な居所を特定し、精神的苦痛に対する慰謝料請求や再発防止のための法的措置を確実かつ有利に実行することが可能となります。
ネット上の誹謗中傷や風評被害に対して発信者情報開示請求を行い、ようやくプロバイダから相手の氏名と住所が届いた――。被害者の方にとって、それは長い闘いのひとつのゴールのように感じられる瞬間です。
しかし、その通知書を見て愕然とされるケースが後を絶ちません。「記載されていた住所に書類を送ったら宛先不明で戻ってきた」「聞いたこともない名前(あるいは偽名や他人の名前)が登録されていた」といったトラブルです。
相手は自分の正体がバレるのを防ぐため、意図的に古い住所のまま放置していたり、架空の情報を登録していたりすることがあります。では、開示された情報が「嘘」だった場合、被害者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。
結論から申し上げますと、決して泣き寝入りする必要はありません。本記事では、プロバイダから開示された住所や氏名が嘘、あるいは古かった場合に、どのようにして相手を特定し、損害賠償請求へと繋げていくのか、その実務的な対処法を夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
1. 開示された住所が「引っ越し前(古い情報)」だった場合
プロバイダ責任制限法に基づく開示請求で開示される契約者情報は、原則として「発信者がプロバイダと契約した時点」または「プロバイダが保有している直近の登録情報」です。
そのため、インターネット回線の契約後に引っ越しをしたにもかかわらず、プロバイダへの登録住所を変更していなかった場合、開示される住所は当然「引っ越し前の古い住所」となります。このケースは、意図的な嘘というよりも、単なる登録情報の変更漏れであることが多いのが特徴です。
古い住所が判明している場合、そこから現在の住所を突き止めることは法律実務上、十分に可能です。
住民票の除票や戸籍の附票を活用した追跡
日本国内に住民票がある限り、引っ越し前の住所から現在の居場所を辿るルートが存在します。具体的には以下の公的書類を取り寄せます。
- 住民票の除票:引っ越しをした前の住所地に住民票を置いていた人が、転出や死亡などによってその住民票が消除された際の記録です。これには「どこへ転出したか(新しい住所の地番)」が記載されています。
- 戸籍の附票:本籍地において、その戸籍が作られてから(または転籍してから)現在に至るまでの住所の変遷がすべて記録されている書類です。何度引っ越しを繰り返していても、戸籍の附票を追うことで現在の住所にたどり着くことができます。
ただし、これらの書類はプライバシー保護の観点から、一般の方が他人のものを勝手に見ることはできません。ここで必要となるのが、弁護士による職権請求(弁護士法第23条の2に基づく照会)や、訴訟手続きにおける調査嘱託です。
弁護士が代理人であれば、正当な法的手続きを行うために必要な範囲で、住民票の除票や戸籍の附票を取り寄せ、相手の現在の住民登録地を法的に特定することが可能です。
2. 開示された氏名・住所が「完全な嘘(偽名・架空の住所)」だった場合
「引っ越し」というレベルではなく、そもそも契約時に実在しない架空の住所を入力していたり、他人の名前(名義貸しや不正利用)を使っていたり、完全に捏造された偽名だったりするケースです。
このような悪質なケースでは、単に書類上の追跡をするだけでは現住所にたどり着けないため、より高度な法的アプローチが必要となります。
プロバイダに対する再確認と接続ログの精査
プロバイダが保有している情報は、必ずしも真実であるとは限りません。特に格安SIMや特定のインターネットサービスでは、本人確認書類の審査が甘かったり、クレジットカードの有効性確認だけで契約できてしまったりする場合があります。
しかし、偽名や架空の住所であっても、インターネットに接続している以上、通信事業者は「実際に通信を行った端末のIPアドレス」や「アクセス日時」といったログを保有しています。
弁護士を通じてプロバイダに対し、契約時情報だけでなく、実際の通信ログや支払いに関する決済情報(クレジットカードの名義や口座情報の履歴など)を開示・提供させることで、偽名の裏に隠された「真の契約者」や「実際の利用者」の足取りを浮き彫りにしていくことができます。
携帯電話会社やクレジットカード会社への追加の法的措置
スマートフォンからの投稿などで、契約者情報が虚偽であった場合、携帯電話の不正利用防止法などに関連する情報や、決済に用いられたクレジットカード会社が把握している名義人・登録情報の開示を求める裁判手続き(文書送付嘱託や発信者情報開示請求の追加)を検討します。
偽名を使ってSNSや掲示板を利用していたとしても、日々の通信には必ず本人のクレジットカードや銀行口座、あるいは端末の固有情報が紐付いていることが多く、完全な隠蔽は極めて困難です。
3. 嘘の情報を突き破り、損害賠償請求を成功させるためのステップ
開示された情報が嘘や古いものだった場合、通常のケースよりも若干の時間と追加の手続きが必要になります。夕陽ヶ丘法律事務所では、以下のようなステップで確実に相手の特定と責任追及を行います。
- 開示情報の精査と問題点の洗い出し:届いた開示情報の不自然な点(宛先不明、聞いたことのない名前など)を速やかに確認し、どのタイプの「嘘・古さ」なのかを分析します。
- 弁護士職権等による現住所の追跡:引っ越し前等の情報であれば、住民票の除票や戸籍の附票を駆使して、現住所や現在の住民登録地を法的に割り出します。
- 訴訟提起と裁判所を通じた調査:偽名や架空情報が疑われる場合は、裁判手続きの中で通信ログや決済情報、追加のプロバイダ情報を引き出し、真の加害者を特定します。
- 損害賠償請求・示談交渉・和解:正確な居場所が判明した段階で、慰謝料や弁護士費用を含めた損害賠償請求訴訟、あるいは示談交渉に移行します。
相手が「嘘の情報を登録しておけば逃げ切れる」と考えていたとしても、デジタルタトゥーの世界では、通信の足跡(ログ)が消えることはありません。法的なプロフェッショナルが適切な手順を踏めば、その偽りの壁を破ることは十分に可能です。
4. プロバイダからの開示情報でお困りの方は、夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください
ネットの誹謗中傷トラブルにおいて、発信者情報開示請求は大きな山場です。しかし、そこですんなりと本人の現在地までたどり着けないケースも、実務の現場では珍しくありません。
「届いた住所に手紙を送ったら戻ってきた」 「名前の表記がどうも怪しい、架空の可能性が高い」
このように、開示された情報に疑問や不審な点を感じたときは、ご自身で深追いするのをやめ、ネット中傷・風評被害対策に精通した弁護士へすぐにご相談ください。
夕陽ヶ丘法律事務所では、数多くの発信者情報開示請求および、一筋縄ではいかない難易度の高い特定事案を手掛けてまいりました。住民票・戸籍の追跡から、隠された真の加害者の特定、そして慰謝料請求の実現まで、依頼者様の権利を守るために最後まで徹底的にサポートいたします。
ひとりで悩まず、まずは当事務所の初回法律相談をご利用ください。