【弁護士による示談交渉と将来の安心の確保】損害賠償請求の示談において、被害者が最も望む平穏な日常の回復と再被害の防止を確実に得るためには、法的に有効な書面を作成する必要があります。個人間の交渉では実効性のある条件を通すことが難しいため、誹謗中傷問題に精通した弁護士に依頼し、将来に向けた厳格な誓約と実効性のある示談書を締結することが最善の解決策となります。
ネット上の誹謗中傷や風害について、発信者情報開示請求を行い、ようやく特定した加害者に損害賠償を請求する際、被害者の方が最も望まれるのは「もう二度と同じような被害に遭いたくない」という平穏な日常の回復です。
裁判を起こして勝訴判決を得るだけでなく、当事者間の話し合いによる「示談」を選択する場合、今後の再発をどのように防ぐかが最大の焦点となります。
この記事では、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が、特定した犯人と示談する際に「二度と書き込まない約束」を法的に有効な形で交わす方法と、その実効性を担保するためのポイントについて詳しく解説します。
ネット中傷の示談で「二度と書き込まない約束」はできるのか
結論から申し上げますと、特定した加害者との示談交渉において、「二度と誹謗中傷や悪質な投稿を行わない」という約束(再発防止条項)を交わすことは十分に可能であり、実務上も必ずと言ってよいほど盛り込まれる重要事項です。
被害者側としては、損害賠償金の支払いを受けて終わりではなく、将来に向けた安心を買うことが不可欠だからです。
加害者側にとっても、刑事告訴を回避したり、民事上の裁判沙汰を避けたりするための条件として、こうした誓約を受け入れるケースがほとんどです。
口頭の約束ではなく「示談書」に必ず残す理由
「今後は絶対に書き込みません」という加害者の言葉を口頭で信じるだけでは、法的な効力はありません。万が一、再び同じような嫌がらせや誹謗中傷が始まった際、口頭の約束では警察や裁判所に訴えても証明が難しく、直ちに法的措置を講じることが困難になります。
そのため、必ず法的効力を持つ「示談書(合意書)」を書面として作成し、お互いが署名・捺印する必要があるのです。
示談書に明確な禁止条項を盛り込むことで、加害者に対して心理的なプレッシャーを与え、再犯を強力に抑止する効果が生まれます。
「再投稿禁止条項」の実効性を高める違約金の設定
単に「今後書き込みをしません」と書くだけでは、加害者が約束を破って再び別のアカウントから誹謗中傷を再開してしまうリスクを完全にゼロにすることはできません。
そこで実務上、極めて強力な武器となるのが「違約金(ペナルティ)の設定」です。
「1回につき〇〇万円」と具体的に明記する
示談書の中に、以下のような条項を具体的に盛り込みます。
- 甲(加害者)は、乙(被害者)およびその関係者に対する誹謗中傷、嘲笑、個人情報の暴露などの行為を一切行わないものとする。
- 甲が前項の義務に違反した場合、違反行為1回につき、直ちに違約金として金100万円を乙に支払うものとする。
- 本条の規定は、乙が被った実際の損害額が違約金の額を超える場合において、追加の損害賠償請求を妨げるものではない。
このように、「再投稿した場合は1回につき100万円の違約金」と明確にペナルティを課すことにより、加害者は「万が一書き込んだら莫大な金銭負担を強いられる」という強い自覚を持つことになります。
示談書に盛り込むべきその他の重要な項目
ネット誹謗中傷の示談を成功させ、完全にトラブルを終結させるためには、再発防止条項のほかにも、以下の項目を網羅した包括的な示談書を作成することが重要です。
- 損害賠償金の金額と支払い方法:弁護士費用や慰謝料を含めた総額を確定させ、いつまでにどのような方法で支払うかを明記します。
- 謝罪文の提出:必要に応じて、謝罪文(直筆または署名入り)の提出を条件とします。
- 守秘義務条項:今回の事件の内容や示談条件について、SNSや第三者に一切口外しないことを誓約させます(ネット上の晒し合いや新たな炎上を防ぐため)。
- 清算条項(解決の確認):「本示談書に定めるもののほか、甲乙間には何らの債権債務が存在しないことを確認し、今後互いに異議を申し立てない」という条項を入れ、将来にわたる紛争を完全に終結させます。
個人間交渉の危険性と弁護士に依頼するメリット
「犯人が特定できたから、自分直接連絡して示談書を交わそう」とお考えになる方もいらっしゃいますが、被害者ご本人と加害者が直接やり取りすることは、多くのリスクを伴います。
1. 感情的になり交渉が決裂するリスク
加害者に対して直接メッセージを送ると、相手が逆恨みしてさらに激しい誹謗中傷を繰り返したり、連絡を無視・ブロックしたりして交渉が頓挫することが少なくありません。
2. 不利な条件や無効な示談書になってしまうリスク
インターネットや法律の知識がないまま自作した示談書では、法的な不備があり、いざというときに違約金を請求できないおそれがあります。また、加害者に言いくるめられて不当に低い慰謝料で合意させられてしまうケースもあります。
夕陽ヶ丘法律事務所のサポート体制
当事務所では、大阪地裁をはじめとする全国の裁判所実務や仮処分・発信者情報開示請求に精通した弁護士が、代理人として加害者側との交渉をすべて引き受けます。
被害者様が加害者と直接連絡を取る必要は一切ありません。法律のプロフェッショナルが、「二度と投稿させないための実効性のある違約金付き示談書」を厳密に作成し、精神的負担を最小限に抑えながら迅速にトラブルを解決に導きます。
ネットの誹謗中傷や悪質な風評被害にお悩みで、犯人との示談や再発防止策についてお困りの方は、ぜひ一度、夕陽ヶ丘法律事務所の法律相談をご活用ください。