【弁護士による迅速な証拠保全と特定・損害賠償請求】動画の削除申請やIPアドレス開示請求だけでなく、運営側によるデータ消失を防ぐための証拠保全仮処分が不可欠です。専門知識を持つ弁護士のサポートを受けることで、投稿者を特定し、慰謝料などの損害賠償請求や刑事告訴を行うことができます。
若年層を中心に圧倒的な人気を誇る動画プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」ですが、近年、コメント欄や動画内での悪質な誹謗中傷、プライバシーの侵害、根拠のないデマの拡散などのトラブルが急増しています。
「面白半分で投稿された動画によって、会社の社会的信用が失墜した」「個人情報を晒されて脅迫を受けている」といった深刻な被害に直面したとき、泣き寝入りする必要はありません。法律上の手続きを踏むことで、投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うことが可能です。
しかし、TikTokの運営会社は海外法人であるため、国内のSNSとは異なる複雑なステップを踏む必要があります。この記事では、TikTokの投稿者を特定するための「ByteDance社に対する発信者情報開示命令」について、実務に即して分かりやすく解説します。
TikTok特有の誹謗中傷トラブルと特定の難しさ
TikTokは、音楽に合わせて短い動画を手軽に投稿・共有できる点が魅力である一方、その拡散力の高さから、一度炎上すると凄まじいスピードで情報が広がってしまいます。
誹謗中傷の主な形態としては、以下のようなものが挙げられます。
- 悪意あるコメントによる人格否定や誹謗中傷
- 店舗や企業に対する営業妨害レベルの虚偽の告発動画
- 個人の顔写真や氏名、勤務先などのプライベートな情報の無断公開
- なりすましアカウントによる悪質な投稿
これらの被害を解決するためには、まず「誰がその投稿をしたのか」を特定する(=発信者情報開示請求を行う)必要があります。しかし、TikTokの運営主体は日本法人ではなく、シンガポールなどに拠点を置く「ByteDance Pte. Ltd.」などの海外法人です。これが、国内のプラットフォームに比べて手続きを難しくしている大きな要因となっています。
ByteDance社に対する発信者情報開示命令の全体像
日本の裁判所を通じて、海外法人であるByteDance社から投稿者の情報(IPアドレスやタイムスタンプなど)を取得するためには、主に以下のステップを進めることになります。
- 証拠の保存と弁護士による調査:問題の動画やコメントのURL、画面スクショ、投稿日時などを正確に記録します。
- ByteDance社に対する開示請求・仮処分・開示命令の申し立て:日本の裁判所に「発信者情報開示命令」を申し立てます。相手が海外法人の場合、国際裁判管轄や外国法人としての適格性、書類の翻訳などのハードルがあります。
- ログの保持要請(証拠保全):裁判手続き中に投稿者のIPアドレス等のログが消去されないよう、速やかにログ保持の措置をとる必要があります。
- アクセスプロバイダ(携帯キャリアやISP)の特定と開示請求:ByteDance社から開示されたIPアドレス等を基に、経由プロバイダ(ドコモ、ソフトバンク、au、光回線業者など)を特定し、契約者の氏名や住所の開示を求めます。
- 損害賠償請求・刑事告訴:特定された投稿者に対し、慰謝料や弁護士費用の請求、あるいは警察への被害届の提出を行います。
海外法人(ByteDance社)を相手取る際の重要なポイント
国内のX(旧Twitter)社やLINEヤフー社などを相手にする場合と比べ、ByteDance Pte. Ltd.などの海外法人を相手にする裁判手続きには、専門的なノウハウが不可欠です。
海外法人に対する法的手続きでは、以下のような点に注意しなければなりません。
- 国際裁判管轄の主張:日本の法律(民事訴訟法など)に基づき、日本の裁判所に管轄権があることを法的根拠をもって主張・立証する必要があります。
- 外国法人の登記簿(資格証明書)の取得:訴訟や申立ての際には、相手方であるByteDance社の商業登記簿等(外国法人の公的証明書)を提出することが求められます。シンガポールのACRA(企業規制庁)等から取り寄せる必要があり、時間と手間がかかります。
- 英文書類の翻訳:裁判所に提出する申立書や証拠書類だけでなく、相手方に送達する書類についても英語等への翻訳や、適切な送達手続きを踏む必要があります。
- ログ保存のタイムリミット:TikTokに限らず、SNS事業者が保持するアクセスログ(IPアドレス等)は、数ヶ月程度(場合によっては数週間)で消去されてしまうことがあります。海外法人とのやり取りや翻訳に手間取っている間にログが消失してしまうリスクがあるため、時間との勝負になります。
発信者情報開示命令の法改正によるメリットと迅速化
近年の法改正(プロバイダ責任制限法の改正に伴う「発信者情報開示命令」の創設)により、従来は「裁判」を2段階(仮処分と本訴訟)踏まなければならなかった手続きが、非訟手続である「発信者情報開示命令」という一つの裁判手続の中で一括して審理される仕組みが導入されました。
これにより、裁判の長期化を防ぎ、よりスピーディーに開示が受けられる環境が整いつつあります。
しかし、相手が海外企業であるという構造そのものは変わっていないため、法改正のメリットを最大限に活かすためには、海外法人の送達や国際的な管轄に精通した弁護士のリーガルサポートが不可欠となります。
TikTokでの誹謗中傷にお困りの場合は弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所へご相談ください
TikTok上の誹謗中傷やデマ動画は、「ネットだから仕方ない」「海外企業だから特定できないだろう」と諦めてしまう方が少なくありません。しかし、正しい法的手続きを踏めば、ByteDance社から発信者情報を取得し、投稿者を特定することは十分に可能です。
投稿者を特定し、責任を追及するためには、スピード感を持った証拠の保全と、海外法人を相手取る高度な法的アプローチが求められます。
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット上の誹謗中傷・風評被害対策に豊富な実績を持つ弁護士が、TikTokをはじめとする国内外のSNSプラットフォームに対する開示請求を数多く手がけております。「自分の動画が晒されて困っている」「悪質なコメントの投稿者を特定して法的責任を問いたい」とお考えの方は、ぜひ当事務所の初回相談をご利用ください。あなたの権利と名誉を守るため、最善のサポートを提供いたします。