YouTubeの動画・ショート動画(Shorts)で誹謗中傷された時の削除請求

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q YouTubeやショート動画で誹謗中傷された場合、自分で削除請求する方法や犯인을特定して損害賠償請求する手順はどうすればいいですか?
A 【具体的な削除請求の手順と法的基準】YouTubeの動画やコメント欄、ショート動画(Shorts)で名誉毀損やプライバシー侵害を受けた場合、まずはGoogle LLCが提供する公式の「プライバシーに関する申し立て」や「法的な不服申し立て」フォームから任意の削除申請を行います。任意の削除に応じない場合や悪質な風評被害には、裁判所の仮処分命令を活用した迅速な削除が有効です。
【弁護士による発信者情報開示請求と損害賠償】投稿者を特定して刑事告訴や損害賠償請求を行うには、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求(IPアドレス・氏名等の特定)が必要です。影響力が大きく拡散スピードが早いYouTube特有の被害を最小限に抑えるためにも、証拠を保全した上で誹謗中傷問題に精通した弁護士へ速やかに相談することをおすすめします。

近年、影響力が絶大な動画プラットフォームであるYouTubeや、手軽に視聴できるYouTubeショート(Shorts)において、個人の名誉を傷つける映像や、プライバシーを侵害する悪質なコメント、事実無根の風評被害に悩まされる方が急増しています。

動画やコメント欄に心ない誹謗中傷が放置されると、社会的信用の失墜や精神的な苦痛だけでなく、ビジネス上の深刻なダメージにも直結します。

本記事では、YouTube動画やショート動画で誹謗中傷の被害に遭った際、どのように削除請求を進めるべきか、その具体的な手順と法律上のポイントについて詳しく解説します。

YouTubeにおける誹謗中傷の現状とリスク

YouTubeは世界中で利用されている巨大な動画共有プラットフォームです。影響力が大きい分、いったん悪質な動画やコメントが拡散してしまうと、短期間で不特定多数のユーザーに閲覧されてしまいます。

特に、近年主流となっているYouTubeショート(Shorts)は、アルゴリズムによってレコメンドされやすいため、突発的にバズを起こし、意図しない形で誹謗中傷が拡散するリスクを孕んでいます。

このような被害を放置すると、以下のような深刻なリスクが生じます。

  • 社会的評価の低下(名誉毀損):会社や個人の信用が失われ、取引停止や解雇などの不利益を被る。
  • プライバシー・肖像権の侵害:自宅の場所や顔写真、無断撮影された映像などが晒され、日常生活に危険が及ぶ。
  • 精神的ストレス:執拗な攻撃や心無いコメントにより、うつ病などの精神疾患を発症するリスクが高まる。

被害を最小限に抑えるためには、迅速かつ適切な手順で削除請求を行うことが極めて重要です。

YouTube動画の削除請求の基本的な流れ

YouTube上で権利侵害や誹謗中傷を確認した場合、まずはプラットフォームの運営元であるGoogle LLCに対して削除申請を行います。主なアプローチは以下の2つです。

1. プラットフォームの違反報告機能・専用フォームの利用

YouTubeには、コミュニティガイドライン違反や法的権利の侵害を報告するための窓口が用意されています。

  • フラグ機能(通報):動画プレイヤー下部にある「…(その他)」メニューから「報告」を選択し、嫌がらせやいじめ、ヘイトスピーチなどの該当項目を選んで通報します。
  • プライバシー侵害の申し立てフォーム:本人の顔や個人情報が特定できる状態で無断公開されている場合、プライバシー侵害の専用フォームから削除を要請できます。
  • 法的な不服申し立てフォーム:名誉毀損や著作権侵害など、法律上の権利が侵害されていると主張する場合、法的フォームから詳細な理由を添えて申し立てを行います。

これらの公式フォームを利用する際は、どの部分がどのように権利を侵害しているのかを論理的かつ具体的に記述する必要があります。感情的な文面ではなく、客観的な事実に基づいた説明が求められます。

2. 任意の削除に応じない場合の法的措置(裁判所の仮処分)

Google LLCに削除申請を行っても、表現の自由への配慮などの理由から「削除が見送られる」ケースも少なくありません。運営会社が任意の削除に応じない場合、日本国内の裁判所に対して削除仮処分命令の申し立てを行うという方法があります。

日本の裁判所が「この動画は明白に名誉毀損にあたる」と判断して仮処分命令を発令すれば、海外企業であるGoogle LLCであっても、これに従って動画を削除せざるを得なくなるケースが一般的です。

YouTubeショート(Shorts)特有の注意点

短尺動画であるYouTubeショートには、通常の動画とは異なる特徴と対策上の注意点が存在します。

  • 拡散スピードの速さ:ショート動画は短時間で大量のインプレッションを獲得するため、被害が拡大するスピードが極めて速いです。そのため、発見次第、一刻も早く初期対応を取る必要があります。
  • 他プラットフォームからの無断転載:TikTokやInstagramリールなど、他社アプリでバズった動画や悪意ある切り抜き動画がYouTubeショートに無断転載されるケースが多発しています。この場合、転載されたそれぞれの動画に対して個別に削除申請を行う必要があります。

ショート動画の特性を理解し、見つけ次第スピーディーに通報・削除申請を行う体制が求められます。

投稿者を特定し、損害賠償請求を行うには

動画を削除するだけでは不十分であり、「誰がこのような悪質な動画を投稿したのか特定して、損害賠償を請求したい」「再発防止や刑事告訴を行いたい」と考える方も多いでしょう。

投稿者を特定するためには、発信者情報開示請求という法的手続きを行う必要があります。

  • ステップ1:Google LLCに対する発信者情報開示請求(裁判手続等):投稿者のIPアドレスやタイムスタンプなどのアクセスログを開示するよう求めます。アメリカの企業に対する手続きとなるため、国際的な管轄や英語での書面作成など、高度な専門知識が必要です。
  • ステップ2:プロバイダ(携帯キャリアやプロバイダ事業者)に対する発信者情報開示請求・任意開示:判明したIPアドレスから契約者を特定し、プロバイダに対して氏名や住所などの個人情報開示を求めます。
  • ステップ3:損害賠償請求・示談交渉:特定された投稿者に対し、慰謝料や弁護士費用の請求、今後の接触禁止を盛り込んだ示談交渉や民事訴訟を起こします。

この一連の発信者情報開示請求は、法律上の要件が非常に厳格であり、個人で進めるには時間的・技術的なハードルが高いのが実情です。

弁護士に依頼するメリット

YouTubeやショート動画の誹謗中傷対策を弁護士に依頼することには、多くの大きなメリットがあります。

  • 確実性の高い削除申請書面作成:Google LLCの審査基準に適合した、法的根拠に基づく説得力のある削除請求を行います。
  • 裁判所を通じた迅速な仮処分対応:任意の削除が困難な案件でも、裁判所の手続きをスムーズに進め、早期の動画削除を実現します。
  • スムーズな発信者情報開示請求:複雑な海外企業とのやり取りや、プロバイダ責任制限法に基づく開示請求・訴訟を代理で行い、投稿者の特定率を高めます。
  • 示談交渉から損害賠償請求までの一貫したサポート:精神的な負担を大幅に軽減しながら、相手方からの謝罪や適正な慰謝料の獲得を目指します。

まとめ:YouTubeの誹謗中傷は弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所にご相談ください

YouTube動画やショート動画による誹謗中傷や風評被害は、放置すると被害が際限なく拡大し、回復不能なダメージを受ける恐れがあります。Googleへの削除申請から、裁判所の仮処分、発信者情報開示請求にいたるまで、状況に応じた迅速な法的アプローチが不可欠です。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、ネット上の誹謗中傷や風評被害対策に精通した弁護士が、被害の拡大を防ぎ、ご依頼者様の尊厳と平穏な日常を取り戻すためのサポートを徹底的に行います。YouTube上の悪質な動画やコメントでお悩みの方は、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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