インフルエンサーの「アンチアカウント(アンチ垢)」を一括削除・特定する

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、ネット上の誹謗中傷削除・発信者情報開示命令(IPアドレス特定)・仮処分裁判実務に基づき、プロバイダ責任制限法および最新の判例に沿ってわかりやすく解説しています。

Q インフルエンサーをしつこく攻撃する同一人物の複数のアンチアカウント(裏垢)を特定し、一括で削除・損害賠償請求することはできますか?
A 【法的判断基準と開示の仕組み】同一人物が複数運営するアンチアカウントであっても、発信者情報開示請求を通じてそれぞれのIPアドレスや通信ログを取得・解析することで、同一人物による犯行であることを客観的に突き止めることが可能です。執拗な人格否定や業務妨害は名誉毀損罪や侮辱罪、不法行為に該当し、プラットフォームの利用規約違反としても厳しく対処されます。
【弁護士による削除・請求のメリット】弁護士を通じてプラットフォームへの迅速な削除要請と裁判所を通じた発信者情報開示請求を並行して行うことで、次々と作られる裏アカウントを含めて一網打尽にすることが現実的となります。これにより、悪質な投稿者の特定、アカウントの凍結・削除だけでなく、受けた経済的・精神的損害に対する慰謝料や弁護士費用の損害賠償請求までをまとめて追及することができます。

インフルエンサーを悩ませる「アンチアカウント」の脅威

影響力を持つインフルエンサーやYouTuber、ライバーにとって、SNS上での活動は生活基盤そのものです。しかし、その知名度の高さに比例して急増するのが、執拗な嫌がらせや誹謗中傷を繰り返す「アンチアカウント(アンチ垢)」の存在です。

単なる批判や意見の域を超え、人格否定、プライバシーの暴露、脅迫、業務妨害に該当する投稿は、精神的な苦痛を与えるだけでなく、ファン離れや企業案件の消失といった甚大な経済的損害をもたらします。

さらに悪質なケースでは、一つのアカウントを凍結・削除しても、同一人物が即座に「裏垢(サブアカウント)」を作成し、執拗な攻撃を再開するケースが後を絶ちません。「何度ブロックしても次々と新しいアカウントが現れる」とお悩みの方に向けて、同一人物が操る複数のアンチ垢を一括で特定し、削除・賠償請求を行うための法的アプローチを解説します。

同一人物による複数アンチ垢を特定する仕組み

「いくつものアカウントから誹謗中傷を受けているが、すべて同じ人物の犯行のように思える」というご相談を数多くいただきます。投稿の癖、活動時間帯、特定のワードチョイスなどから同一人物と確信していても、裁判所やプラットフォームを動かすには客観的な証拠が必要です。

法律上、SNSのアカウントはそれぞれ独立した権利主体(契約者)の紐づきとなっているため、原則として「Aアカウントの犯人が分かったから、Bアカウントも自動的に同一人物だ」とみなすことはできません。

しかし、弁護士が代理人として発信者情報開示請求を行う過程で、以下のようなデジタル証拠を収集・分析することで、同一人物による複数アカウントの運営を法的に立証することが可能になります。

  • 接続IPアドレスの照合: 複数のアカウントにログインする際のIPアドレスが一致、または酷似している場合、同一のインターネット回線(またはモバイル回線)から操作されている強力な証拠となります。
  • プロバイダ情報の突合: 発信者情報開示請求によって契約者情報(氏名・住所・メールアドレスなど)を特定した際、複数のアカウントで登録情報や決済情報が同一であるケースも存在します。
  • 行動パターンの解析: 投稿のタイミング、使用デバイス、アクセス傾向などのデジタルフォレンジック的調査を組み合わせることで、同一人物性を裏付ける補強証拠とします。

アンチ垢を一網打尽にする法的ステップ

複数のアンチアカウントに対して法的措置を講じる場合、やみくもに動くのではなく、戦略的な手順を踏むことが重要です。夕陽ヶ丘法律事務所が推奨する標準的なステップは以下の通りです。

  1. 証拠の保全(魚拓・タイムスタンプ): 削除逃れやアカウントの非公開化を防ぐため、すべての問題投稿についてURL、投稿日時、スクリーンショットを確実に保存します。
  2. プラットフォームへの削除要請・発信者情報仮処分: X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどの運営会社に対し、利用規約違反に基づく削除要請と、発信者情報(IPアドレス等)の保存・開示を求めます。複数アカウントがある場合は、並行して手続きを進めます。
  3. 発信者情報開示請求訴訟・仮処分: プロバイダ(携帯キャリアや光回線業者など)を特定し、ログが消去される前(通常は3〜6か月以内)に発信者情報の開示を命じる裁判手続を行います。
  4. 損害賠償請求・示談交渉: 特定された発信者に対し、弁護士費用、慰謝料、調査費用を含めた損害賠償を請求します。複数アカウントによる悪質な組織的・継続的嫌がらせである場合、高額な賠償金や示談金が認められる傾向にあります。

アカウント削除と特定を同時に進めるメリット

「とにかく早く投稿を消してほしい」という被害者の焦りから、プラットフォームの通報機能だけで解決しようとする方が少なくありません。しかし、アカウントを凍結・削除するだけでは、相手が反省して活動を停止する保証はなく、名前を変えて復活する「いたちごっこ」が続くだけです。

アカウント削除と法的特定(発信者情報開示請求)を同時に、あるいは戦略的なタイミングで組み合わせることには、以下のような大きなメリットがあります。

  • 二度と現れない抑止力になる: 法的責任を追及され、損害賠償の支払いや裁判沙汰になったという事実を突きつけることで、加害者に強烈な心理的プレッシャーを与え、再犯を完全に断念させることができます。
  • 開示請求に必要な証拠の確実な確保: 放置してアカウントが自ら削除される前に、プラットフォーム上のログを法的権限によって保全することができます。
  • 精神的ストレスの根本的解消: 「裏で誰が何を書いているか分からない」という恐怖から解放され、安心してインフルエンサー活動に集中できる環境を取り戻せます。

誹謗中傷・風評被害対策は弁護士にご相談ください

アンチアカウントによる執拗な攻撃は、個人の努力や我慢で解決できる限界を超えています。特に複数アカウントを駆使した巧妙な嫌がらせは、専門的な法律知識とITリテラシーがなければ、黒幕にたどり着くことすら困難です。

弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所では、インフルエンサーやクリエイターの皆様を狙ったSNS上の誹謗中傷、風評被害、悪質なアンチアカウント対策に多数の実績がございます。

「このアカウント群は同一人物のものか」「どこから手をつければいいか分からない」「一括で慰謝料を請求したい」といったお悩みをお持ちの方は、証拠が消えてしまう前に、ぜひ当事務所の初回相談をご活用ください。あなたの表現の自由と尊厳を守るため、私たちが全力でサポートいたします。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、借金問題、既婚者との男女トラブルなど、日常の不測の事態に直面した皆様の心理的なご負担を少しでも和らげ、円満な解決を導くためのサポートを徹底して行っています。どんな小さなお悩みでも、まずは当事務所の事務スタッフがLINEのチャットにて丁寧にお話をお伺いいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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