【弁護士に依頼するメリット】弁護士を通じて投稿者の身元が判明した後は、慰謝料請求や将来の再発防止を約束させる示談交渉を有利に進めることができます。泣き寝入りせず、専門家に相談することで損害賠償請求や刑事告訴を見据えた適切な法的措置を確実に実行することが可能です。
YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームのコメント欄は、多くのユーザーが閲覧するため、ひとたび悪質な誹謗中傷やデマ書き込みをされると、被害が甚大なものになりがちです。
「動画のコメントで人格否定をされた」 「根拠のない噂を書き込まれ、営業妨害されている」
このような被害に遭った場合、泣き寝入りする必要はありません。法律の仕組みを利用して投稿者を特定し、損害賠償請求や示談交渉を行うことが可能です。
この記事では、YouTubeやTikTokのコメント欄の投稿者を特定し、示談交渉に至るまでの具体的なステップを詳しく解説します。
YouTubeやTikTokのコメント被害でできること
動画プラットフォームのコメント欄に書き込まれた誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪といった刑事責任を問えるだけでなく、民事上の不法行為として損害賠償請求の対象になります。
しかし、コメント欄に書き込んだアカウント名やアイコンは、多くの場合が匿名や仮名であり、それだけでは現実の個人を特定できません。そこで必要になるのが発信者情報開示請求(はっしんしゃじょうほうかいじせいきゅう)という法的手続きです。
この手続きを踏むことで、プラットフォームやインターネットサービスプロバイダが保有する投稿者の「IPアドレス」「氏名」「住所」などの情報を法的に取得し、相手を特定することができます。
投稿者を特定して示談交渉するまでの5つのステップ
コメント投稿者を特定し、示談交渉を完了させるまでには、一般的に以下のようなステップで進行します。
ステップ1:証拠の保存
誹謗中傷コメントを発見したら、まずは確実な証拠を保存することが何よりも重要です。投稿者は後からコメントを削除したり、アカウントを非公開にしたりすることが多いため、迅速に証拠を残しましょう。
- 対象のコメントおよび前後の文脈がわかるスクリーンショットの撮影
- 動画のURL、チャンネル名、アカウントIDの記録
- 投稿日時が確認できる状態での画面保存
スマートフォンやパソコンの画面全体を撮影し、投稿日時やアカウントIDがハッキリと読み取れるように保存してください。
ステップ2:プラットフォーム(運営会社)への発信者情報開示請求
証拠が揃ったら、YouTube(Google LLC)やTikTok(Bytedance Pte. Ltd.等)の運営会社に対し、コメントを投稿した際のIPアドレスやタイムスタンプの開示を求めます。
海外企業であるプラットフォームが相手となるため、日本の裁判所を通じた裁判手続きや、現地の法律に準じた法的手続きが必要になるケースがほとんどです。この段階から、国際的なITプラットフォームの仕組みに通じた弁護士のサポートが不可欠となります。
裁判所を通じて運営会社からIPアドレス等の開示が認められると、投稿者が「どのインターネット回線(プロバイダ)を使ってそのコメントを投稿したか」が判明します。
ステップ3:プロバイダに対するログ保存の仮処分と開示請求
IPアドレスが判明したら、次はドコモ、ソフトバンク、au、あるいはNiftyやSo-netといった、投稿者が利用しているインターネットサービスプロバイダ(または携帯キャリア)を特定します。
ここで注意しなければならないのが、プロバイダが保持するアクセスログ(通信記録)の保存期間です。プロバイダのログは一般的に3カ月から半年程度で消去されてしまうため、ログが消去される前に「発信者情報開示請求訴訟(または裁判外の請求)」を行います。
プロバイダに対して契約者の氏名や住所の開示を求め、裁判所の判決や命令を経て、投稿者の個人情報が明らかにされます。
ステップ4:弁護士を通じた示談交渉の開始
プロバイダから投稿者の氏名・住所が開示されると、加害者の身元が完全に特定されます。ここからが本格的な示談交渉のステージです。
被害者本人が直接加害者に連絡を取ろうとすると、感情的な対立に発展したり、脅迫罪などに問われるリスクが生じたりするため、原則として弁護士を代理人として立てて交渉を進めます。
弁護士名義で「損害賠償請求通知書(内容証明郵便)」を自宅へ送付し、慰謝料の支払い、謝罪、および今後の接触禁止・再発防止を約束する示談書の締結を求めます。
ステップ5:示談の成立または民事訴訟・刑事告訴
示談交渉において、加害者が自身の非を認め、提示した示談金(慰謝料や弁護士費用の⼀部など)の支払いに合意した場合、示談書を交わして解決となります。
もし加害者が連絡を無視したり、理不尽な理由で支払いを拒否したりした場合は、民事上の損害賠償請求訴訟を提起します。また、悪質性が極めて高いケースでは、警察に対して刑事告訴を行う選択肢も視野に入ります。
示談交渉における慰謝料の相場と条件
YouTubeやTikTokのコメントにおける誹謗中傷で請求できる慰謝料の金額は、被害の深刻度や社会的影響力、投稿の悪質性によって変動します。
- 個人に対する一般的な侮辱・悪口:数万円〜10万円程度
- 社会的評価を著しく下げる名誉毀損(デマの拡散など):10万円〜50万円程度
- 事業主やインフルエンサーへの営業妨害・甚大な実害を伴うもの:50万円〜100万円以上
また、金銭的な賠償だけでなく、以下のような条件を「示談書」に盛り込むことが重要です。
- 今後一切、被害者やその関係者に接触しないこと
- ネット上での誹謗中傷や言及を一切行わないこと
- 示談内容に関する口外禁止(守秘義務)
- 万が一違反した際の違約金の定め
これらの条件を明確に書面化することで、将来的な再発を防ぐ高い抑止効果が期待できます。
弁護士に依頼するメリットと費用面のポイント
コメント欄の投稿者特定から示談交渉までを自力で行うことは、法的な知識や裁判所の手続き、海外企業とのやり取りが必要となるため、極めて困難です。
弁護士に依頼することで、以下のような大きなメリットがあります。
- 証拠保全から交渉までワンストップで任せられる: 複雑な裁判手続きやプロバイダとの交渉をすべて任せることができます。
- 証拠隠滅やタイムリミットへの迅速な対応: プロバイダのログ保存期限(約3〜6カ月)に間に合わせるため、スピード感を持った法的措置が可能になります。
- 精神的負担の軽減: 加害者と直接連絡を取る必要がないため、二次被害やストレスを防ぎます。
当事務所では、ネット誹謗中傷・風評被害対策に特化したチームが、初回相談から解決まで親身にサポートいたします。「動画のコメントでひどい中傷を受けて困っている」「投稿者を特定して責任を追及したい」とお考えの方は、被害が拡大する前に、ぜひ一度ご相談ください。