逃げた相手を特定するための4つの重要な手掛かり
相手がマッチングアプリのデータを削除し、連絡先をブロックしたとしても、交際期間中に残されたデジタルフットプリントや小さな情報は、身元を特定するための重要な手がかりとなります。
1. 電話番号からの特定
相手のスマートフォン番号が分かっている場合、それが現在も使われているものであれば、弁護士会照会(弁護士法第23条の2に基づく照会)を通じて、契約者の氏名や住所を割り出せる可能性があります。
- 携帯電話会社や通信キャリアに対して契約者情報の開示を求める法的手続です。
- ただし、格安SIMやプリペイドSIM、名義人が家族や他人である場合は追加の調査が必要となります。
2. LINEアカウントからのアプローチ
LINEをブロックされている場合であっても、これまでのトーク履歴、やり取りの中で保存した写真、相手のIDや登録名、さらには共通の知人やグループの有無などが証拠になります。
- LINE株式会社に対する直接の個人情報開示請求は原則としてプライバシー保護の観点から困難ですが、裁判手続の中での証拠保全や通信履歴の解析が有効となるケースがあります。
- スクリーンショットはすべて保存しておきましょう。
3. 振込口座(銀行口座)の履歴
デートの際の食事代の割り勘や、旅行代金の支払いで相手の銀行口座に振り込んだことがある場合、これは非常に強力な手がかりとなります。
- 振込先の金融機関と口座名義人(口座フリガナ)が特定できれば、相手の本名を確実につかむことができます。
- 名義人が会社名や別人の名義でない限り、ほぼ確実に本人の居所や氏名にたどり着く足がかりとなります。
4. 自動車のナンバープレート
ドライブデートなどで相手の車に乗ったことがある、あるいは駐車場の記録やドライブレコーダーの映像などに相手の車のナンバープレートが残っている場合も身元特定につながります。
- 自動車のナンバーが分かっていれば、弁護士会照会を通じて陸運局(運輸支局)から車の所有者の登録情報を取得することが可能です。
- 本人名義の車であれば、そこから氏名・住所を割り出すことができます。
自力での特定には限界とリスクが伴う点に注意
「相手の本名や住所を知りたい」あまり、探偵や興信所に高額な費用を支払ったり、ネット上の特定業者に依頼したりする方がいらっしゃいますが、これには注意が必要です。
- 違法な手段を用いた調査や、ストーカー規制法に抵触するようなつきまとい行為は、逆にこちらが法的責任を問われるリスクがあります。
- 確実かつ合法的に身元を特定するためには、法律の専門家である弁護士を通じて正当な照会手続を行うことが最も安全で確実な方法です。
身元特定後の法的手続:貞操権侵害とダブルトラブルへの備え
相手の身元が判明した後は、速やかに法的責任を追及するためのステップに移行します。
貞操権侵害に基づく損害賠償請求
独身であると偽り、結婚を期待させるような言動を取りながら肉体関係を持った場合、相手の自己決定権(貞操権)を侵害したとして、不法行為に基づく損害賠償請求(慰謝料請求)が認められます。
配偶者からの逆請求(ダブルトラブル)への警戒
既婚者であることを隠していた加害者側が、自分の配偶者(妻または夫)に対して「不倫された」と逆手に取り、あなたに対して不貞慰謝料を請求してくるケース(いわゆるダブルトラブル)があります。
- このような状況においても、あなたが「独身であると騙されていた(過失がない)」ことを証明できれば、相手の配偶者からの請求を拒絶できる、あるいは減額できる法的根拠が存在します。
- 相手が逃げたからといって泣き寝入りするのではなく、早期に弁護士へ相談し、身元特定から示談交渉、万が一の逆請求対策まで一貫してサポートを受けることが重要です。
まとめ:マッチングアプリでの逃走・独身偽装トラブルは弁護士への相談が解決の第一歩
マッチングアプリで出会った相手に突然連絡を断たれ、退会やブロックで逃げられた場合でも、電話番号や振込口座、LINEの履歴といった僅かな手がかりから法的手段によって身元を特定できる可能性は十分にあります。泣き寝入りをしてしまう前に、まずはデジタル証拠を適切に保全し、男女トラブルや貞操権侵害の解決実績が豊富な弁護士へご相談ください。法律の専門家のサポートを受けることで、安全かつ確実な相手の特定と、適正な慰謝料請求への道筋を開くことができます。