Q:既婚男から性感染症(STD)を移されました。
治療費も請求できますか?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 独身と偽られた既婚男性から性感染症(STD)をうつされた場合、治療費や精神的慰謝料はどこまで請求できますか?有効な証拠や法的根拠も教えてください。
A 【請求できる損害賠償と法的根拠】独身を偽って肉体関係を迫り性感染症を感染させた行為は、民法709条に基づく明確な不法行為(貞操権侵害および身体的侵害)に該当します。医療機関での検査費用・治療費、通院交通費、療養中の休業損害に加え、精神的苦痛に対する慰謝料(相場:100万〜300万円前後)を合算して請求することが可能です。
【証拠確保と弁護士相談のメリット】請求を成功させるには、病名や感染時期が記載された診断書、治療費の領収書、独身と偽っていた証拠(メッセージ履歴等)が不可欠です。相手が責任逃れや言い逃れをするリスクを防ぎ、適正な慰謝料を高確率で回収するためにも、示談交渉の全権を弁護士に依頼することを強く推奨します。

独身偽装と性感染症感染における法的責任(民法709条)

独身であると偽って肉体関係を結ぶ行為は、相手の「性的自由」や「貞操権」を違法に侵害する行為です。これに加えて性感染症をうつす行為は、身体的・健康的な被害をもたらす明確な不法行為(民法709条)に該当します。

被害を受けた方は、相手の男性に対して損害賠償を請求する権利を有しています。

請求できる主な損害賠償の項目

性感染症を感染させられた場合、以下のような実費および金銭的・精神的損害を合算して請求することができます。

  • 医療機関での検査費用および治療費(薬代などを含む)
  • 通院のためにかかった交通費
  • 病気療養のために仕事を休み、収入が減少した場合の休業損害
  • 独身偽装および性感染症に罹患させられたことに対する精神的苦痛への慰謝料

これらはすべて、相手の加害行為と因果関係が認められる正当な請求項目です。

請求を成功させるために重要な証拠の確保

相手に対して適正な慰謝料や治療費を請求するためには、客観的な証拠が不可欠です。感情的な対立を避けるためにも、以下の証拠をあらかじめ手元に揃えておくことが重要です。

  • 医療機関の診断書(病名や感染が判明した時期が記載されたもの)
  • 治療費や検査費用の領収書、診療明細書
  • 相手が独身であると偽っていたことを示す証拠(メッセージアプリのやり取り、プロフィール等)
  • 性感染症に関する相手とのやり取り(感染を告げられた際のメッセージや音声など)

これらの証拠を揃えることで、相手が責任逃れをすることを防ぎ、交渉を有利に進めることができます。

まとめ:性感染症被害は泣き寝入りせずに法的請求を

独身を偽る不誠実な行為に加え、心身の健康まで害される性感染症の被害は、決して泣き寝入りすべき問題ではありません。法的な裏付けを持って適切に請求を行うことで、治療費や慰謝料といった正当な補償を受けることができます。「相手に言いくるめられてしまうのではないか」「手元の証拠で足りるか不安」とお悩みの方は、一人で抱え込まずに弁護士などの専門家に相談し、確実な解決を目指すことをおすすめします。

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弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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