独身だと言われて交際していた相手が、実は既婚者だった――。問い詰めたところ、「妻から日常的に暴力を振るわれていた」「家庭内別居状態で、離婚は時間の問題だった」などと、自分が被害者であるかのように主張し始める男性が少なくありません。
こうした言い訳を聞くと、「本当に大変だったんだ」「私が支えてあげなきゃ」と同情してしまう方もいるかもしれません。しかし、法的な視点において、男性側の家庭環境や夫婦間のトラブルは、独身を偽って交際した行為の免罪符にはなりません。
この記事のポイント
- 夫婦間のDVや不仲と、独身偽装による貞操権侵害はまったく別の問題です。
- 家庭に問題があったとしても、騙して交際した事実が消えるわけではありません。
- 相手の同情を誘う言い訳に惑わされず、冷静に法的責任を追及することが重要です。
1. 夫婦間のDVと独身偽装は「別問題」
既婚男性が「妻からDVを受けていた」「家庭が崩壊していた」と主張する場合、その事実の有無自体が争点になることもありますが、仮に本当に夫婦間に何らかの問題があったとしても、それが独身を偽ってあなたと交際したことを正当化する理由には一切なりません。
法律上、未婚であると偽って相手に身体的・精神的な関係を結ばせた行為は、相手の自己決定権や貞操権を侵害する不法行為にあたります。
婚姻関係が破綻しかけていたかどうかにかかわらず、「独身である」と信じ込ませて交際関係に持ち込んだという事実そのものが違法性を帯びるため、男性側は損害賠償責任を負うことになります。
2. 同情を誘う言い訳の裏にある心理
既婚男性が「自分も被害者だ」と主張する背景には、主に以下のような心理や狙いが隠されています。
- 自分の責任を軽く見せかけたい(保身)
- あなたからの追及や慰謝料請求の矛先をそらしたい
- 被害者アピールをすることで、あなたの母性や同情心につけ込み関係を維持したい
不倫や独身偽装が発覚した際、加害男性の多くは自己保身を最優先に行動します。「妻が怖い」「家庭に居場所がなかった」といった言葉は、あなたへの配慮から出たものではなく、自分自身が受けるべき非難やペナルティから逃れるための常套句にすぎません。
3. 被害者アピールをされたときの正しい対処法
もし相手の男性が家庭の事情やDVを盾にして言い訳を始めた場合、以下のようなポイントを意識して冷静に対処しましょう。
すべてを「別の問題」として切り離す
相手が「妻との関係がいかに酷いか」を語り出したら、「それは夫婦間の問題であり、私を独身だと偽って交際したこととは何の関係もありません」ときっぱりと切り離しましょう。同情して話に付き合う必要はありません。
証拠の確保を優先する
相手が既婚者であると知りながら交際を継続していないこと、そして最初から独身だと偽られていたことを証明できる証拠(マッチングアプリのプロフィール画面、独身だと明言されたメッセージ履歴など)をしっかりと保存しておきます。
早めに専門家へ相談する
相手の巧みな言い訳や情に訴えかける態度に翻弄されてしまうと、正当な慰謝料請求や解決のチャンスを逃してしまう恐れがあります。独身偽装や貞操権侵害の問題に精通した弁護士や法律事務所に相談し、客観的なアドバイスを受けることが最善の道です。
まとめ
既婚男性から「自分も家庭で被害を受けていた」と聞かされると、心が揺らいだり、責めることに罪悪感を抱いたりしてしまうかもしれません。しかし、夫婦関係の破綻有無にかかわらず、独身と偽ってあなたの大切な時間を奪い、貞操権を侵害したという不法行為の事実が消えることはありません。
相手の巧みな被害者アピールや言い訳に惑わされることなく、ご自身の尊厳と受けた精神的苦痛に見合う正当な権利を守るため、感情に流されず毅然とした法的対応を進めていくことが何よりも大切です。