独身であると偽って交際を迫り、のちに既婚者であることが発覚する「独身偽装交際」。突然の発覚により精神的ショックを受けた方からのご相談は後を絶ちません。
過去の被害者の存在は「悪質性」の証明になる
結論から申し上げますと、相手が過去にも同様の独身偽装を行っていたという事実は、裁判において慰謝料額を増額させるための重要な判断要素となります。
法律上、独身偽装による交際は「貞操権侵害」として不法行為を構成します。この際、損害賠償額(慰謝料)を算定するにあたっては、以下の点が考慮されます。
- 独身偽装の計画性や狡猾さ
- 交際期間の長さ
- 相手方の社会的地位や経済状況
- 過去の同種事案の有無(常習性)
特に「過去に別の女性にも同じことをしていた」という事実は、単なる一時的な過ちではなく、計画的かつ常習的な不法行為であることの証左となります。裁判所は、このような加害者の規範意識の低さや悪質性を重く受け止め、賠償額を算定する傾向にあります。
証拠収集と法的な対応策
もし過去の被害者と連絡が取れる状況にある場合、あるいはその事実を裏付ける証拠がある場合は、以下の点に注意して対応を検討してください。
- 過去の被害者からの証言や書面での陳述
- 相手が過去にも同様の嘘をついていたことを認めるメッセージ履歴
- 相手の常習性を裏付ける客観的な記録
ただし、過去の被害者の方に無理に接触を強いることは、かえってトラブルを招く恐れがあります。また、相手が「自分は悪くない」と開き直ったり、逆に被害者側を脅迫したりするケースも想定されます。
相手の妻からの不当請求にも注意
また、このようなケースでは、相手の妻から「夫を誘惑した」「家庭を壊した」として、逆に高額な慰謝料を請求されるという理不尽な事態に巻き込まれることもあります。
しかし、相手が独身偽装をして積極的に接近してきたのであれば、あなたには「貞操権を侵害された被害者」としての正当な権利があります。妻からの請求に対しては、独身偽装の事実を的確に主張し、不当な請求を拒絶する、あるいは減額を求める対応が必要です。
まとめ:常習的な独身偽装を見据えた法的対応
独身偽装交際において、相手に過去の余罪や常習性が認められる場合、単発の嘘による被害よりも精神的苦痛が大きく、悪質性が高いと評価されます。泣き寝入りせず、客観的な証拠を集め、法的なアプローチによって正当な慰謝料請求を行うことが重要です。理不尽なトラブルに巻き込まれた際は、専門家への相談も視野に入れ、冷静に対応を進めましょう。