独身であると偽って交際し、妊娠させた相手から、中絶費用について「折半にしよう」と持ちかけられるケースが後を絶ちません。しかし、既婚者であることを隠して性的関係を持ち、その結果として妊娠に至った場合、法的には全く異なる判断がなされます。
なぜ「折半」に応じる必要がないのか
相手が独身であると信じていた場合、あなたは本来、その相手と性的関係を持つことはありませんでした。この「独身偽装」は、あなたの貞操権を侵害する重大な不法行為にあたります。
不法行為によって生じた損害には、中絶手術にかかる費用も含まれます。本来、支払う必要のない費用を負担させる原因を作ったのは相手側です。したがって、法的には費用を折半する義務はなく、むしろ相手に対し、以下の全額を請求する権利があると考えられます。
・中絶手術費用および関連する医療費 ・手術前後の通院にかかる交通費 ・手術による身体的・精神的苦痛に対する慰謝料 ・既婚隠しによる精神的損害に対する慰謝料
相手から「折半」と言われた時の対処法
相手から折半を要求された際、感情的に反論するだけでは相手のペースに巻き込まれる可能性があります。冷静に、以下のステップで対応を検討してください。
- 相手が既婚者であることを隠していた証拠を確保する(LINEの履歴、会話の録音、独身と語っていた際のメモなど)。
- 相手の要求(折半)には応じず、法的な責任があることを明確に伝える。
- 弁護士などの専門家を介して、中絶費用全額と慰謝料の支払いを求める通知書を送付する。
「折半で手を打とう」という言葉は、相手が自身の責任を最小限に抑えようとする防衛本能に過ぎません。独身偽装という加害行為を行っておきながら、被害者に経済的負担を強いることは正当化されません。
妊娠中絶費用と独身偽装トラブルのまとめ
既婚者であることを隠された上での妊娠・中絶トラブルにおいて、加害男性からの「費用折半」の提案を受け入れる法的義務はありません。独身偽装は明確な貞操権侵害であり、中絶費用の全額請求および慰謝料請求の正当な根拠となります。ご自身一人で相手と交渉し精神的な負担を重ねるよりも、早期に証拠を確保した上で弁護士等の専門家に相談し、法的なアプローチによって正当な賠償を求めることが重要です。