不貞行為や独身偽装によるトラブルにおいて、加害者側から「車を売却した代金を慰謝料に充てる」という提案を受けるケースがあります。しかし、口約束だけで済ませてしまうと、実際には車が売却されなかったり、売却代金が別の支払いに流用されたりするリスクが否定できません。
車売却代金を確実に確保する手順
相手の言葉を鵜呑みにせず、資金の流出を防ぐためには、手続きのプロセスに第三者が介入する仕組みを作ることが重要です。具体的には以下の流れを推奨しています。
- 相手方に対し、車を売却する買取業者を特定させます。
- 買取業者との売買契約において、振込先口座を「弁護士事務所の預かり口座」に指定するよう指示します。
- 弁護士が買取業者からの入金を確認した後、合意書に基づき依頼者様へ送金するスキームを構築します。
この方法をとることで、相手の手元に一度も現金が渡らない状態を作り出し、資金の使い込みを物理的に遮断することが可能です。
示談交渉における注意点
単に「車を売る」という約束だけでは、後から「思ったより高く売れなかった」「修理代に消えた」といった言い訳をされる可能性があります。示談書や合意書を作成する際には、以下の項目を盛り込むことが不可欠です。
- 車両の売却予定額と、最低限支払うべき慰謝料の金額を明記すること。
- 万が一、売却代金が不足した場合の不足分の支払方法を定めておくこと。
- 買取業者への指示内容を合意書の一部として証拠化しておくこと。
感情的なやり取りだけで解決しようとせず、法的効力のある書面を作成することが、ご自身の権利を守る唯一の道です。相手が差し出した「車を売却する」という提案を確実に慰謝料回収へと結びつけるためには、事前のスキーム構築と法的拘束力のある書面作成が不可欠となります。