独身偽装による交際や、それに伴う貞操権侵害のトラブルにおいて、慰謝料請求を行う際に相手方が「資産はすべて海外口座にある」と主張し、支払いを免れようとするケースが散見されます。また、相手の配偶者から不当な請求を受けている側が、自己防衛のために相手の資産状況を把握する必要に迫られる場面もあります。
海外口座があるからといって国内資産が守られるわけではない
相手が「資産は海外にある」と主張したとしても、日本国内で生活基盤がある以上、国内の金融機関に何らかの口座を保有している可能性は非常に高いといえます。
強制執行(差押え)を行うためには、相手の隠し口座を特定する必要がありますが、民事執行法に基づく「第三者からの情報取得手続」を活用することで、国内の主要な金融機関に対する照会が可能となります。
具体的には、以下の金融機関を一括、あるいは個別に調査対象とすることが可能です。
- メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など)
- 地方銀行(居住地や勤務先周辺の地銀)
- ネット銀行(楽天銀行、住信SBIネット銀行など)
これらの金融機関に対し、裁判所を通じて照会をかけることで、相手名義の口座残高や取引状況を把握し、即時に差押えの手続きへ移行することができます。
隠し口座特定と貞操権侵害の慰謝料請求
独身偽装による貞操権侵害において、相手が意図的に資産を隠蔽する行為は、交渉において非常に悪質な要素として扱われます。特に、相手の配偶者からの不当請求に対抗する際や、自分が被害者として慰謝料を回収する際には、法的手続きを迅速に進めることが肝要です。
海外口座の存在を盾に支払いを拒む相手であっても、国内に生活の拠点を置く以上、完全に資産を隠し通すことは困難です。「第三者からの情報取得手続」をはじめとする法的な仕組みを正しく活用し、国内の隠し口座を的確に特定して、正当な慰謝料を確実に回収することが重要です。