Q:相手の妻が「被害女性の職場へ電話して退職に追い込もうとした」時

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、貞操権侵害(独身偽装被害)における不法行為責任(民法709条)、裁判例の慰謝料算定基準、および相手の妻からの不貞請求防御実務に基づきわかりやすく解説しています。

Q 不倫・独身偽装トラブルで、相手の妻が被害女性の職場に電話をかけたり、退職に追い込もうとしたりした場合、どのような法的中傷・法的責任を問えますか?
A 相手の妻による職場への連絡や退職の強要は、社会的評価を低下させる「名誉毀損(刑法230条)」、職場の業務を妨げる「威力業務妨害(刑法234条)」、およびプライバシー権の侵害や「不法行為(民法709条)」に該当する可能性が極めて高いです。弁護士を通じた即時の警告書送付や、不法行為に基づく損害賠償請求、警察への被害相談を行うことで、不当な攻撃を食い止めることができます。

独身偽装による交際トラブルにおいて、最も深刻な事態の一つが、相手の妻が事実を突き止めた際に生じる「職場への接触」です。「相手の妻から会社に電話をかけられ、退職を強要されている」「職場にバラすと脅されている」といった被害は、個人の尊厳やキャリアを脅かす重大な問題です。

職場への連絡は「不法行為」の可能性が高い

どれほど相手の妻が憤りを感じていたとしても、交際相手の職場に電話をかけ、名誉を傷つけたり業務を妨害したりする行為は、法的に許されるものではありません。具体的には、以下の法的責任を問える可能性があります。

  • 名誉毀損(刑法230条):不特定または多数の人が知る状況で、社会的評価を低下させる事実を摘示した場合。
  • 威力業務妨害(刑法234条):執拗な電話や押しかけにより、職場の通常業務を妨げた場合。
  • プライバシー権の侵害・不法行為(民法709条):私生活上の事実をみだりに公表し、精神的苦痛を与えた場合。

職場での立場を悪用した嫌がらせは、法的にも保護されるべき「正当な権利行使」の範囲を明らかに逸脱しています。

即時対応が求められる法的措置

相手の妻がエスカレートして職場への接触を繰り返す場合、放置は禁物です。被害を最小限に抑えるためには、以下のステップで速やかな対応を講じることが重要です。

  • 警告書の送付:弁護士名義で「職場への接触禁止」および「不法行為の即時停止」を求める警告書を内容証明郵便等で送付します。
  • 損害賠償請求:職場への接触によって精神的苦痛を受けたこと、あるいは退職を余儀なくされたことに対する慰謝料請求を行います。
  • 警察への相談:ストーカー規制法や強要罪、脅迫罪等に抵触する可能性がある場合、警察と連携して被害届の提出やパトロール強化を検討します。

職場を守り、ご自身の生活を守るために

職場への電話や嫌がらせは、ご自身のキャリアを脅かすだけでなく、会社や同僚を巻き込む深刻な事態へと発展しかねません。しかし、これらはあくまで「相手の違法な行動」による結果であり、泣き寝入りする必要はありません。

もし現在、相手の妻から執拗な連絡を受けている場合は、まずはその内容を客観的な証拠(通話録音、メール、SNSのスクリーンショット、手紙等)として確実に残し、早期に専門家である弁護士へご相談ください。法的な防波堤を適切に築くことで、不当な攻撃やプライベートへの干渉を速やかに差し止めることが可能です。

弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

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