独身偽装のトラブルから「ネット晒し」へ発展するダブルトラブル
独身であると偽って交際関係を迫り、性交渉に至った既婚者が、のちに配偶者(妻)に発覚した際、すべての責任を交際相手になすりつけたり、事実を歪めて妻に伝えたりするケースが後を絶ちません。
結果として、事情をよく知らない妻が激高し、交際相手の個人情報(実名、勤務先、SNSアカウント、顔写真など)をインターネットやX(旧Twitter)、Instagram、爆サイなどの掲示板に晒すという「ネット晒し(私刑)」に発展する事例が急増しています。
このような被害に遭われた場合、たとえ相手が不貞行為(不倫関係)にあったとしても、インターネット上で個人を特定してさらし者にする行為は法律上許されるものではありません。
ネットに実名を晒された場合の主な法的対抗措置
相手の妻によるネット上の晒し行為に対しては、民事上の救済手段と刑事上の手続きの両面からアプローチすることが可能です。
1. SNS・掲示板管理者への削除請求および「削除仮処分」
インターネット上に書き込まれた情報は、放置すると拡散され、社会的信用や日常生活に取り返しのつかない打撃を与えます。
- 各プラットフォームの窓口やプロバイダに対し、利用規約違反や権利侵害を理由とした自主削除を要請します。
- 運営者が任意での削除に応じない場合、弁護士を通じて裁判所に対し、迅速に投稿を差し止める「仮処分命令(民事保全法)」の申し立てを行います。仮処分決定があれば、運営者は強制的に削除せざるを得なくなります。
2. 民事上の損害賠償請求(慰謝料請求)
ネットに実名や写真を晒す行為は、明確なプライバシー権の侵害、肖像権の侵害、および名誉毀損に該当します。
- 妻に対して、不法行為(民法709条)を理由とする精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを求める請求や示談交渉を行います。
- こちらが「独身だと騙されていた被害者(貞操権侵害の被害者)」である事実を無視して一方的な私刑を行った場合、妻側の法的責任は極めて重くなります。
3. 刑事告訴(名誉毀損罪・侮辱罪)
インターネット上への実名晒しは、犯罪行為に該当する可能性があります。
- 不特定多数が閲覧できる状態で社会的評価を低下させる情報を拡散した場合は、刑法230条の「名誉毀損罪」に該当します。
- 警察に対して被害届を提出すること、あるいは正式な刑事告訴を行うことが心理的な抑止力となります。
ネット晒し被害を迅速かつ穏便に解決するために
相手の妻から突然連絡が来たり、ネット上で攻撃を受けたりすると、恐怖心からパニックになってしまう方が少なくありません。しかし、感情的に反論したり、ご自身で直接連絡を取ったりすることは、さらなるトラブルや二次被害を招く原因となります。
インターネット上のプライバシー侵害や名誉毀損に直面した際は、法的な盾となって相手方との交渉や裁判手続きを代行できる弁護士への相談が、早期解決と二次被害防止のための最も確実な手段となります。「これ以上のネット拡散を防ぎたい」「一刻も早く平穏な生活を取り戻したい」とお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門家へ早期に相談することをおすすめします。