【弁護士に依頼して削除・開示請求・損害賠償を行うメリット】警察への被害届や刑事告訴の準備と並行して、弁護士に依頼することで、Googleへの迅速な口コミ削除請求(仮処分含む)や、発信者情報開示請求を通じた投稿者の特定、さらには精神的苦痛や営業損害に対する損害賠償請求(慰謝料請求)を同時に進めることが可能です。警察は民事不介入の原則から個人の名誉毀損や営業妨害の削除・示談交渉には直接介入しないため、誹謗中傷の根本的な解決と被害回復を目指す場合は、ネット被害に強い弁護士への早期相談が最も確実で効果的な手段となります。
Googleマップの店舗情報に寄せられる悪質な口コミ。事実無根の誹謗中傷や、営業妨害を目的とした低評価の連投に頭を悩ませている経営者や店舗オーナーの方も少なくありません。
「あまりにも悪質なので、警察に被害届を出したい」「刑事告訴して犯人を処罰してほしい」と考えるのは当然のことです。しかし、警察はすべての口コミトラブルに動いてくれるわけではありません。警察に被害届や告訴を受理してもらうためには、クリアしなければならない明確な条件が存在します。
この記事では、Googleマップの口コミ投稿者に対して警察が動く条件や、刑事告訴に至るまでの具体的な実務の流れについて、夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士が詳しく解説します。
Googleマップの口コミで刑事事件化できる罪とは
ネット上の誹謗中傷や悪質な口コミに対して警察が捜査を行うためには、その投稿が刑法上の犯罪に該当している必要があります。Googleマップの口コミで問題になりやすい主な罪名は以下の通りです。
- 名誉毀損罪(刑法第230条):公然と事実を指摘し、人の社会的評価を低下させた場合に成立します。「この店の食材は期限切れを使っている」「店員が裏で違法なことをしている」といった具体的な嘘の書き込みがこれに該当します。
- 侮辱罪(刑法第231条):事実を挙げなくても、公然と人を侮辱した場合に成立します。「バカ」「クソ店」「最低な人間」など、悪口や嘲笑の投稿が対象です。
- 信用毀損罪・業務妨害罪(刑法第233条):虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて人の信用を毀損し、または業務を妨害した場合に成立します。飲食店やクリニックなどで、営業を妨害する目的の悪質な嘘の口コミが投稿された場合に適用されます。
これらの犯罪が成立するだけでなく、被害の悪質性が高いと判断されないと、警察はなかなか動いてくれません。
警察に「被害届・告訴」を出すための必須条件
警察署に行って「悪質な口コミを書かれたので被害届を出したい」と伝えても、すぐに対応してもらえるわけではありません。警察を動かすためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 犯罪の構成要件を満たしていること 単なる個人の感想や不満ではなく、客観的な事実無根の嘘や、社会的な評価を著しくおとしめる内容である必要があります。「美味しくなかった」という主観的な感想は罪に問えませんが、「衛生管理が最悪で食中毒を出した(嘘)」などは犯罪の対象になり得ます。
- 十分な証拠が揃っていること 口頭で訴えるだけでは、警察は動いてくれません。問題の口コミのスクリーンショット(投稿日時、アカウント名、内容がすべて分かるもの)、店舗側の実際の事実関係を示す資料、営業上の実害(予約キャンセルや売上減少など)を証明できるデータなどを準備する必要があります。
- 投稿者の身元(犯人)が特定されていること これが非常に重要なポイントです。Googleマップの口コミは匿名や偽名のアカウントから投稿されることがほとんどです。警察は原則として「犯人が分からない状態(捜査対象が不明)」では被害届を受理しません。そのため、後述する法的な手続きを経て投稿者を特定していることが事実上の前提となります。
被害届と「刑事告訴」の違いとは
警察に対するアプローチとして「被害届」と「刑事告訴」の2つがあります。それぞれの違いを理解しておきましょう。
- 被害届とは 犯罪被害に遭った事実を警察に申告するための書類です。警察に事件を認知してもらうためのものですが、被害届が出されたからといって、必ず警察が捜査の優先度を上げてくれるとは限りません。また、被害届には法的拘束力はありません。
- 刑事告訴とは 犯罪の被害者が、捜査機関(警察や検察)に対して犯人の処罰を求める意思表示です。告訴は刑事訴訟法に定められた正式な手続きであり、受理された場合、警察は捜査を行う義務の度合いが高まります。悪質な口コミの投稿者を本格的に処罰させたい場合は、被害届にとどまらず「刑事告訴」を目指すのが一般的です。
匿名アカウントを特定し、刑事告訴に至るまでの流れ
前述の通り、Googleマップの口コミ投稿者は匿名であるケースが大半です。犯人を特定し、警察に刑事告訴するまでの実務的なステップは以下の通りです。
- 弁護士による証拠保全と法的分析 まずは口コミの内容が刑事事件化可能か、民事上の不法行為(損害賠償請求の対象)になるかを弁護士が精査します。
- 発信者情報開示請求(裁判手続き) Googleに対して発信者情報の開示を求めます。日本国内に拠点を持つプラットフォームであれば任意開示に応じることもありますが、米国のGoogle本社を相手にする場合などは、裁判所を通じた仮処分命令や訴訟手続きが必要となります。
- プロバイダ責任制限法に基づく特定 Googleから開示されたIPアドレス等を元に、経由プロバイダ(ドコモ、ソフトバンク、au、光回線事業者など)を特定し、契約者の氏名や住所の開示請求を行います。これにより、投稿者の現実の身元が判明します。
- 刑事告訴の手続き 投稿者の身元が判明した後、弁護士のサポートのもとで「告訴状」を作成し、証拠とともに管轄の警察署に提出します。弁護士が同行することで、警察に事件の重大性や法的な構成をスムーズに理解してもらい、告訴状の受理確率を高めることができます。
警察対応や口コミ削除を弁護士に依頼するメリット
「悪質な口コミをどうにかしたい」「警察を動かしたい」と思っても、被害者ご本人が単独で警察署に行っても「民事不介入(個人間のトラブルなので警察は動けない)」として門前払いされてしまうケースが少なくありません。
弁護士を通じて法的な根拠(名誉毀損や業務妨害の成立要件)を整理し、証拠を揃えた上で告訴状を提出することで、警察も本格的な捜査に動きやすくなります。
また、刑事告訴と並行して、Googleに対する口コミの削除請求や、投稿者に対する民事上の損害賠償請求(慰謝料請求)を同時に進めることも可能です。「一刻も早く口コミを消したい」「悪質な投稿者を法的責任に問いたい」とお考えの場合は、ネット誹謗中傷やMEO対策に強い弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所までお気軽にご相談ください。